枕詞「天降付く」が教えること:其一百七 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○2016年1月ころに、インターネット検索で、肝付町合併10周年記念「三岳まいり」が開催されると言う話を聞いて、驚いた。『肝付町の三岳参り』自体がどのようなものであるか。ご存じの方が少ないと思われるので、まず、そちらから案内したい。

○甫与志岳への登山口である姫門登山口に、旧内之浦町・内之浦町観光協会が建てた「三岳参り」の案内板が存在する。「三岳参り」と三岳について、次のように案内している。
      三岳参り
   江戸時代から肝属地方に伝わる岳参り(タケメイ)で、三岳参りは肝属山地の

  「国見岳」「黒尊岳」「甫与志岳」を縦走するロマンを秘めた登山大会。
   春たけなわの4月3日(シンガサニッ)が例祭日で、地元高山町、内之浦町を始め

  遠くは大崎町、串良町、東串良町、吾平町などの老若男女が夜中立ちして群詣したという。
   三岳の神様に、大漁、豊作、家内安全、無病息災を祈願する山岳信仰が本旨だが、
  徒歩が唯一の交通手段だった頃の、年に1回のロマンを求める社交の場でもあったようだ。

  【甫与志岳(966.9m ほよしだけ)】
   甫与志岳は肝属山系の最高峰で一帯は南国的色彩が強い。サカキ、ヤブツバキなどの

  常緑広葉樹が山頂部まで密に茂り、一年中黒々と覆う。
   頂上は直径15 mほどの大岩を露出した一大ドームからなり、低山ながら360 度の

  大パノラマが楽しめる。眼下には太平洋の岸良浜、視界が良ければ南の洋上はるかに

  屋久島、種子島、北方に高隈山、霧島山等が望まれ、ハイキングに絶好の山である。

  山頂の岩下には玉依姫、彦火火出見尊を祀る祠がある。  
  【黒尊岳(908.5m くろそんだけ)】
   文献に国見山の南南西1里余り、ここに高さ2.5m、周囲3m ほどの神石有りとある。
  旧高山町の郷土誌、神社の項に「磐長姫(いわながひめ)神社」がある。所在地は高山村

  大字新富小字三石、地区は本城方眼とあり、神石のある黒尊岳と思われる。由緒に創建不詳、

  人の寿命を司り、なお男女の中を守り給うという。旧内之浦町の郷土誌に「石長比売(いわなが

  ひめ)を祭る黒園岳」の項がある。「寿命継ぎの神」として厚く信仰され、病気などの平癒祈願を

  する者が多く、祠の左右には感謝の石灯籠が並んでいる。
   尚、黒尊岳と甫与志岳の中間にある大岩石からはアケボノツツジの群落が見渡せる。

○尚、肝付町HP内の「三岳登山マップ」にも、同様の記事が掲載されている。何カ所か相違があって、新しいのは肝付町HPの方なので、そちらを、掲載した。続きは、次回に。