山之口麓文弥節人形浄瑠璃:第108回6月定期公演 | 古代文化研究所

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○山之口麓文弥節人形浄瑠璃の、6月定期公演(第108回)が、2019年6月16日(日)に、開催された。前回、3月公演(第107回)を見たばかりである。この公演は、3月・6月・9月・11月の年4回なされると言う。開催なさる側にとっては、結構大変な回数ではないか。

○前回の公演については、次のブログに書いている。
  ・書庫「無題」:ブログ『山之口麓文弥節人形浄瑠璃:第107回3月定期公演』
  https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/41688203.html

○会場は、都城市山之口町麓の山之口麓文弥節人形浄瑠璃資料館である。午後1時過ぎには、会場に到着した。早目に行って、良い席で見たいと思ったからである。ところが、会場内は、すでにほとんど満員状態であったのに、驚いた。良い席どころか、空席を探すのに苦労した。

○椅子席の空いているところを見付け、そこに座ろうとしたら、最前列の座布団席が空いているではないか。係の人に「座って良いですか」と尋ねたら、どうぞとおっしゃるので、最前列に座ることにする。こんなに人気なら、次回から、もっと早く来る必要がある。どうせ見るなら、良い席で見たい。

○今回の演目は、次のようにあった。
  ・娘手踊り(お伊勢参り)
  ・出世景清:拷問の段(水責め火責め)
  ・出世景清:牢舎の段(ずやんば)
  ・間狂言:太郎の御前迎(ごぜむけ)

○前回の演目は、
  ・娘手踊り(お伊勢参り)
  ・出世景清:大仏殿普請の段(ちゅのたて)
  ・出世景清:阿古屋住家の段(つくりぶん)
  ・間狂言:東岳猪狩(ひがしだけのししがり)
で、いただいた資料では、『出世景清』は、
  ・初段:大仏殿普請の段(ちゅのたて)
  ・二段:阿古屋住家の段(つくりぶん)
  ・三段:拷問の段(水責め火責め)
  ・四段:牢舎の段(ずやんば)
で構成されていることが判る。それを3月と6月に分けて公演しているわけである。

○3月公演、6月公演と続けて見ることで、ようやく、『出世景清』全4幕物を見ることができたことになる。『出世景清』全体がどれくらいの時間の公演になるのか、よく判らないけれども、おおよそ半日掛かりの見物になるのではないか。これを一回で見ることは、現代の公演では難しいことがよく判る。

○昔は、これを全体として見ていたのであろう。「平家物語」では、景清は決して主人公では無い。あくまで、脇役の一人に過ぎない。しかし、武蔵坊弁慶や鎮西八郎為朝、俊寛僧都などとともに、「平家物語」を彩る重要な人物の一人であることは間違いない。