岑參:題苜蓿峰寄家人 | 古代文化研究所

古代文化研究所

古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

 

イメージ 1

 

 

イメージ 2

 

 

イメージ 3

 

 

イメージ 4

 

 

イメージ 5

 

○立春詩の案内を続けている。今回案内するのは、岑參の『題苜蓿峰寄家人』詩である。

  【原文】
      題苜蓿峰寄家人
         岑參
    苜蓿峰邊逢立春
    胡蘆河上淚沾巾
    閨中只是空相憶
    不見沙場愁殺人

  【書き下し文】
      苜蓿峰に題して家人に寄す
         岑參
    苜蓿峰の邊にて、立春に逢ふ、
    胡蘆河の上にて、淚巾を沾らす。
    閨中、只だ是れ、空しく相憶ふのみ、
    沙場は見えざるも、人を愁殺す。

  【我が儘勝手な私訳】
      玉門關外の山である苜蓿峰を望みながら家族を思う
          岑參
    玉門關外の山、苜蓿峰の辺りで、ちょうど立春に出合った、
    疏勒河の畔に佇み、一人寂しく淚がハンカチを濡らす。
    西域の城塞にあって、私はただ妻子のことを、空しく思うことしかできない、
    今、此処からは苜蓿峰を望むばかりで、荒涼とした砂漠は見えないけれども、
    人を愁殺するほど、西域の砂漠の寂寥感は凄まじいものがある。

〇2017年5月に、銀川から敦煌・蘭州・吐魯番・乌鲁木齐と一人で旅した。その後10月にも、ほぼ同じコースを今度は四人で旅した。西域を一度は見てみたいと言う人が居て、連れ立って旅行したわけである。

〇今は、誰でも何時でも自由にできるところとなっている。しかし、岑參の時代には、西域は、まさに『人を愁殺する』地であったわけである。その岑參を吐鲁番火焰景区では、顕彰していた。
  ・テーマ「维吾尔族の町:吐魯番」:ブログ『岑参』
  https://ameblo.jp/sisiza1949-2/entry-12519955730.html?frm=theme