郭應祥:鵲橋仙・立春除夕 | 古代文化研究所

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○立春詩の案内を続けている。今回案内するのは、郭應祥の『鵲橋仙・立春除夕』詞である。
  【原文】
      鵲橋仙・立春除夕
        郭應祥
    立春除夕,並為一日,此事今年創見。
    席間三世共團欒,隨分有、笙歌滿院。
    一名喜雪,二名餞歳,三則是名春宴。
    從教一歳大家添,但只要、明年強健。

  【書き下し文】
      鵲橋仙・立春除夕
        郭應祥
    立春の除夕、並びに一日と為り、此の事、今年に創見す。
    席間には三世共に團欒し、分有に隨ひ、笙歌の院に滿つ。
    一は雪を喜ぶを名とし、二は歳を餞るを名とし、三は則ち是れ春宴を名とす。
    教えに從ひ、一歳大家の添ふ、但だ只だ要は、明年の強健なること。

  【我が儘勝手な私訳】
    今年の立春は十二月の大晦日で、翌日は正月元旦となる。
    実は、このことを知ったのは、大晦日の日であった。
    夕食の席には、三世代が一同に会し、それぞれが歌う音楽が部屋中に満ちている。
    ある者は、今晩、雪が降っているのが一番だと喜び、
    ある者は、今晩、一つ歳を取るのが大事だと大騒ぎし、
    ある者は、今晩、立春の祝宴を催すことが嬉しいと言う。
    確かに、今晩、皆が歳を一つ取ることは間違いない。
    ただもっとも、肝心要なことは、来年一年、皆が無事で息災だと言うことだけだ。

〇郭應祥については、何も知らなかった。中国の検索エンジン百度の『百度百科』が案内する郭應祥は、次の通り。
      郭应祥
   字承禧,号遁斋,临江军(今江西省清江)人。生于绍兴二十八年(一一五八年)。约宋宁宗嘉定末
  前后在世。淳熙八年(一一八一)进士。尝官楚、越间。有《笑笑词》一卷。其他事迹不可考。
  https://baike.baidu.com/item/郭应祥/4129328?fr=aladdin

〇『百度百科』でこれくらいだから、中国でも、それ程知られた詩人では無いらしい。鵲橋仙については、次のようにある。
      鹊桥仙 (词牌名)
   鹊桥仙,词牌名,又名“鹊桥仙令”“忆人人”“金风玉露相逢曲”“广寒秋”等。以欧阳修《鹊桥
  仙·月波清霁》为正体,双调五十六字,前后段各五句、两仄韵。另有双调五十六字,前后段各五句、
  三仄韵;双调五十八字,前后段各五句、两仄韵等变体。代表作品有苏轼《鹊桥仙·七夕》、秦观《鹊
  桥仙·纤云弄巧》等。
  https://baike.baidu.com/item/鹊桥仙/1038