雪の霧島山 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

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○12月4日から今年最も厳しい寒波が日本を襲っている。各地で大雪の便りが寄せられているが、南九州は余程のことがない限り、雪は降らない。今回の寒波でも、最低気温が氷点下を記録はしたけれども、やはり雪は降らなかった。

○昨日今日と最高の天候で、山登りに出掛けた人も多かったのではないか。あまりに霧島山が綺麗に見えているので、午後から母を連れてドライブに出掛けた。えびの高原から高千穂川原を経由し、霧島神宮駅を廻って帰ってきた。

○えびの高原と韓国岳はすっかり雪化粧をしていて、多くの観光客が雪の写真を撮っていた。なかなか南国宮崎ではお目にかかれない風景であるから、みんな興奮して雪と戯れている。

○韓国岳や大浪池の登山口には、登山客の姿もチラホラ見えたので、すばらしい風景が山頂付近にはあったに違いない。こちらは母を連れているので、登りたくても登れない。せめて、大浪池往復くらいはしたかったのだが、足の悪い母が一緒ではどうしようもなくで、断念せざるを得なかった。

○えびの高原の後、高千穂川原に回ったが、途中、新燃岳が白く噴煙を揚げているのが見えた。一時期、新燃岳の噴火が心配されたこともあった。このところ収まっているように聞いていたが、相変わらず噴煙は続いているようである。新燃岳が噴煙を揚げていると、怖くて霧島縦走が出来ない。早く収まって欲しいものである。

○面白いことに、雪はえびの高原と韓国岳周辺だけに降っていて、新燃岳・中岳・高千穂峰はほとんど雪はなかった。やはり北側だけに降雪はあったらしい。もちろん、白鳥山あたりも白くなっていた。

○もう10年以上前に、正月に狭野神社からえびの高原まで縦走したことがある。明け方、まだ暗いうちに高千穂峰に登っていたら、白いものが落ちてきた。尾根に登り付いたころには、辺りはもう真っ白である。雪の深さは20センチメートルから30センチメートルもあった。途端に進むのが遅くなり、いつもなら2時間もあれば到着する高千穂山頂にたどり着いたのは、10時を過ぎていた。4時間以上掛かったことになる。

○それから先も大変で、中岳・新燃岳では、強風に悩まされた。同行の一人のザックカバーが飛ばされ、あっと言う間にカバーは天空の彼方に消えていった。普通、高千穂川原からえびの高原まで、6時間もあれば十分なのに、この時は8時間近くも費やした。

○えびの高原で幕営したのだが、地面は完全に凍っていて、テントを保持する金具がたたない。仕方が無いので、近くの石を集めてテントを建てた。

○あの時は、帰りの縦走を断念し、高千穂川原まで車道を歩いた。天気は快晴であったが、大雪のため、通行止めで車は一台も通らない。登山客も誰一人居なかった。本当に、霧島山全体が貸し切り状態であった。高千穂川原から先は、高千穂峰に登る元気も勇気もなくて、中岳と高千穂峰の間を抜けて帰った。途中、鹿の大群と出合ったことを妙に記憶している。

○久し振りの霧島山の雪を見て、苦しかった昔の登山を思い出した。今年は一回くらい、雪中登山をしてみたい。どうせ苦行難行とは分かっているけれども。