赤山禅院 | 古代文化研究所:第2室

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ブログ「古代文化研究所」で、書き切れなかったものを書き継いでいます。

◯2023年1月30日、京都定期観光バス『都七福神めぐり』に乗って、『都七福神まいり』をした。朝9時40分に、京都駅前の定期観光バス乗り場から出発した。バスは満員だった。この『都七福神まいり』は、余程、人気があるらしい。

◯最初にお参りしたのが『松ケ崎大黒天』で、宝が池公園下に位置するところだった。正式には、松崎山 妙円寺と言う、日蓮宗のお寺になる。この辺りは、ちょうど、比叡山の麓になるところである。

◯その『松ケ崎大黒天』については、前回、案内した。今回は、引き続き、『赤山禅院』になる。『松ケ崎大黒天』から、『赤山禅院』は近い。しかし、歩いて行くのは、結構、大変である。今回の旅行では、バスでの移動が難しいことから、この区間は、タクシーでの移動だった。

◯赤山禅院のホームページには、次のように載せる。

      赤山禅院について

赤山禅院(せきざんぜんいん)は、平安時代の仁和4年(888年)に、第三世天台座主円仁の遺命によって創建された、天台宗総本山延暦寺の塔頭のひとつです。

慈覚大師円仁(794年〜864年)は、838年、遺唐使船で唐に渡り、苦労の末に天台教学を納めました。その行程を守護した赤山大明神に感謝し、赤山禅院を建立することを誓ったとされます。日本に戻った円仁は天台密教の基礎を築きましたが、赤山禅院の建立は果たせませんでした。その遺命により、第四世天台座主安慧(あんね)が赤山禅院を創建したと伝えられています。

本尊の赤山大明神は、唐の赤山にあった泰山府君を勧請したものです。泰山府君は、中国五岳(五名山)の中でも筆頭とされる東岳・泰山(とうがく・たいざん)の神であり、日本では、陰陽道の祖神(おやがみ)になりました。赤山禅院は、平安京の東北にあり、表鬼門に当たることから、赤山大明神は、皇城の表鬼門の鎮守としてまつられました。以来、皇室から信仰され、修学院離宮の造営で知られる後水尾天皇(1596~1680)が離宮へ行幸された際、社殿の修築と「赤山大明神」の勅額を賜っています。現在も方除けのお寺として、広く信仰を集めている由縁です。

 

15歳で伝教大師 最澄に師事し、最澄の入滅後の838年、さらに天台教学を学ぶため、遣唐使団とともに唐に渡りました。円仁はその様子を『入唐求法巡礼行記』に詳しく記しています。

10 年近くに及んだ留学は、困難を極めました。ときに唐は、晩唐の混乱期で、旅の安全が保証される状態ではなく、仏教にも非寛容だったのです。遣唐使団が帰路についたとき、目的を果たしていなかった円仁は、登州(現在の山東省)の赤山という地で下船。土地の居留民である新羅人に親切にされ、赤山の山中にある赤山法華院に滞留します。そこで、赤山の神々に五台山巡礼を願い、成就すれば日本に赤山禅院を建てることを誓ったとされます。

円仁はその後、長い旅を続け、ついに五台山巡礼を果たし、さらに、唐の都、長安に学ぶことができました。折からの武宗皇帝の仏教弾圧に遭い、あまたの仏寺が壊され、僧が還俗させられる中、天台の秘法を修め、貴重な図画や曼茶羅、経典などを持ち帰ることとなったのです。

赤山禅院が現在の地に創建されたのは、円仁の入滅から20余年後の888年のことでした。

 

◯ある意味、『赤山禅院』は、不思議な寺である。山門から入るわけだが、どう考えても寺の門である。境内の先には、まず拝殿がある。これは、どう考えても神社のものである。参拝順序案内に従うと、次に出て来るのは、左手の地蔵堂で、これは寺のものである。

◯地蔵堂から、拝殿の奥に進むと、赤山大明神の本殿である。本殿は神社そのものである。そこから参拝順序は、弁財天堂へと続く。ここもどうやら寺みたいである。それから、福禄寿堂、相生堂、不動堂と続く。ここが寺なのか神社なのか、皆目不明とするしかない。

◯そういう意味では、『赤山禅院』は、神仏習合そのものの存在だと言うことが判る。正確には、赤山禅院が斎き祀るのは、泰山府君だと言うことが判る。それが巷間では、福禄寿として信奉されていると言うことなのだろう。

◯当古代文化研究所は、これまで、二回、泰山には登っている。一回目は40代のころで、二回目が2017年3月19日(日)のことだった。七年前のことだから、当時67歳だったことになる。その時は、麓の泰山を祀る岱廟から泰山山頂まで、歩いて登った。丸一日掛けての登山だった。そのことについては、全部で38個のブログを書いている。

  ・テーマ「泰山に登る」:38個のブログ

 

◯ちなみに、当古代文化研究所は、中国五岳、

  ・東岳泰山(山東省泰安市泰山区)
  ・南岳衡山(湖南省衡陽市南嶽区)
  ・中岳嵩山(河南省鄭州市登封市)
  ・西岳華山(陝西省渭南市華陰市)
  ・北岳恒山(山西省大同市渾源県)

には、全て参詣済みである。そうしないと、道教や道家思想は理解できない。