天香山神社 | 古代文化研究所:第2室

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ブログ「古代文化研究所」で、書き切れなかったものを書き継いでいます。

◯香具山の西麓から香具山に登り、山頂で国常立神社に拝した後、下りは北への道を下りて行った。もっとも、香具山は何とも小高い丘に過ぎない。50mほどしか上下しない。すぐに下ることができる。

◯そう思って、下って行ったところ、案内標識に黄色い注意書きが貼ってあって、現在、登山道は工事中で、通行止めとあって、焦った。ここまで来て、今更、引き返すのも、大変である。

◯それに、麓の天香山神社までは、もう2、30mほどしかない。見えているくらい近い。山の中を巻いて行けば、登山道を通らなくても行けるはずである。そう思って、左に巻いて山の中を進むこととした。

◯さいわい、冬なので、草木も茂っていない。楽々と通過することができた。降りたところが天香山神社だった。ここにも、もう八回目の参拝になる。インターネットで検索すると、次のページがヒットした。

      天香山神社

天香山神社(あまのかぐやまじんじゃ)の祭神は、櫛真智命神(くしまちのみことのかみ)です。
境内にある「朱桜」(にわざくら)という古名で知られる「波波架の木」(ははかのき)は、その昔、占いに用いられたと言われています。
「古事記」の天岩戸神話(あまのいわとしんわ)には、天香具山(あまのかぐやま)の雄鹿の骨を抜きとって「朱桜」の木の皮で焼き、吉凶を占ったとあります。

 

◯ウィキペディアフリー百科事典が案内する天香山神社は、次の通り。

      天香山神社

天香山神社(あまのかぐやまじんじゃ)は、奈良県橿原市にある神社である。天香久山北麓に鎮座している。畝尾都多本神社・坂門神社(天岩戸神社)・畝尾坐健土安神社とともに、「天香山坐四處神社」と呼ばれている。

【祭神】

  櫛真智命(くしまちのみこと)

    太占を司る神。

 

◯別に、國學院大學神社データベースには、次のように載せる。

      天香山神社

天香久山の真北に鎮座する神社。延喜式神名帳、大和国十市郡に「天香山坐櫛真命神社(割注で「元名大麻等乃知神」とする)」とある神社が当社であるという。『古事記』の天石屋神話に、高御産巣日神が天児屋命と布刀玉命に天香山の雄鹿の肩の骨を抜き取らせ、それを天香山の桜の木の皮で焼いて占いをさせたとある。神名の櫛真智命については、「櫛真智」は兆の古語、即ち占いであり、卜事占兆の神とする説がある。

 

◯せっかく、こういう案内がありながら、香久山に掛かる枕詞が「天降り付く」であることが何もあんないされていないのが残念である。また、香久山にのみ、「天香久山」と、「天」が付くことも、何も案内されていない。

◯加えて、「香久山」がどういう意味の山であるかも、皆目不明である。つまり、天香山神社では、そういう最も大事なことが遺失している。それでは、香久山を語ることはできない。

◯本来、神社であれば、そういう起源説話が最も大事にされる。それがまるで無いのが何とも寂しい。奈良県橿原市に存在する香具山で、枕詞「天降り付く」を説明することは、誰にもできない。何故なら、奈良県橿原市に存在する香久山はレプリカであって、本物ではない。本物の香久山は、日向国に存在する。

◯詳しくは、次のブログを参照されたい。

  ・テーマ「竹島・硫黄島・黒島」:ブログ『天降付く天の香具山』

  天降付く天の香具山 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

  ・テーマ「竹島・硫黄島・黒島」:ブログ『枕詞「天降り付く」の真実』

  枕詞「天降り付く」の真実 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)

  ・テーマ「日向国の万葉学」:ブログ『山頂に沈む夕日 「ダイヤモンド桜島」』

  山頂に沈む夕日 「ダイヤモンド桜島」 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)