平出城   鬼怒川氾濫原に築かれた平城   ~栃木県宇都宮市~ | 攻城日記/3rd ~城逢人~

攻城日記/3rd ~城逢人~

中世城館・板碑好きのマニアの日々の記録

平出町は市内北部、鬼怒川左岸の農耕地になります
北組地区の耕作地に囲まれる集落が城跡となります
平出城は鬼怒川の氾濫原の自然堤防上の築かれています
現状は城の中心部に建つ民家に土塁が残ります


この民家は御城という屋号をもつそうです
御城の東300mほどの東門と称される場所の近くにも
外郭の土塁と思われる地形が見られます


しかしすぐ脇には新道が建設されたことからこの地形が
いつまで残されるか微妙なところです
周辺には馬場、中城、立堀などの屋号も残っているそうです

平出城は承元3年(1209)に宇都宮朝綱の
家臣・鈴木八郎重定が築いたといわれます
おそらく鬼怒川西岸の開発拠点としての居館が
構えられたことが城のはじまりなのでしょう
戦国期、鈴木氏がこの地を領していたことが史料から
確認できるのることから鈴木氏が代々の居城と考えたいです
鈴木氏の他に平出氏、平石氏が罪状したとも伝わります
これらの諸氏は同族ではないでしょうか

遺構は確認できないと思っていましたが民家の軒先に
僅かでも土塁が残ることで嬉しくなってしまいました

 

↓平出城の航空写真(電子国土を使用して作図)


参考  鬼怒川流域の中世城館/栃木の城シリーズ7
    栃木の中世城館跡