美郷町の本堂城回地区の舘間に本堂城跡はあります
城回、館間という地名だけで地図上で城跡を探すことは容易です
このような古い地名が多く残る地域って魅力的です
私が求めている中世の景色に近い気がして訪れる前からワクワクします
本堂城は本当に素晴らしい遺構を残しています
堀で囲まれた方形の区画の主郭が残されているのです
主郭を囲む回字型の外郭を設けた構造でした
近代初期に耕地整備により失われています
平城で高低差がなく土塁も一部しか残らず堀も
水田の苗代として使用されていたこともあり
凹凸が少ないものの美しい遺構が見られます
本当に訪れて良かったと思いました
城の脇を流れる矢島川の改修の際に工事による城の破壊を
最小限に留めるよう地元で運動がありその後史跡指定されたそうです
地元でも城跡として大切にされてきたことがわかりますね
承久2年(1220)に奥州和賀郡の和賀氏が所領統治の為に本堂の地に一族を派遣したと伝わります
阿条寺のという寺の本堂を仮陣としたこと、本堂という地名を姓としたと伝わります
本堂氏が当初、元本堂に山城を築いてこの地を支配しました
戦国期には勢力拡大によりに手狭になったのでしょう
天文四年(1535)平野部に本堂城を築きます
東方には城下も整備されました
1601年に本堂氏は常陸志筑に所領換えによって城は廃され
同氏は近世大名となります
※資料不足で本堂氏の長い歴史について把握できていません
そのうち仙北郡を訪れたら地元の図書館で資料を集めて記事に加筆したいと思います
↓本堂城の航空写真(電子国土空中写真1961~69を使用して作図)
参考 中世の秋田/ 塩谷順耳
横手市史/ 資料編考古
秋田県の中世城館跡
現地解説板