寒風城   名前の通り遺構が寒い城    ~千葉県山武郡横芝光町~ | 攻城日記/3rd ~城逢人~

攻城日記/3rd ~城逢人~

中世城館・板碑好きのマニアの日々の記録

寒風城、「さっかぜ」とも読むようですが『かんぷう』が正しい読み方のようです

横芝光町の篠本地区の北東の台地端に構えられた城です

 

↓主郭の倒れかけた標柱


名前の通り寒い城でした
主郭の大部分は酷い竹ヤブに覆われ見るに値しません
主郭南側の複郭には二重堀と土塁が残り虎口も見られます
ヤブも少なく唯一の見どころであります

※城跡は耕作地として使用されていたようですが現在はヤブです

 

↓主郭の現状

ヤブ漕ぎは嫌いではありませんがここのヤブは心が折れました
心が冷え切りました、当日は風が強く日陰の多いこの城では
身体も冷えて心身ともに寒い城でありました

 

↓遠景

 

主郭には標柱が建てられていますがかなり傾いています
南郭の遺構を見るだけで十分だと思います
郭の南、峠道風の公道脇から南郭に直接向かうのが
労力の消費を最小限に抑え遺構を見学できます

 

↓主郭~2郭間の堀

寒風城は千葉一族の名門・椎名氏が拠った居城といわれます
これとは別に鬼沢氏、鬼若氏の城という話も伝わります

城の規模から考えるに椎名氏の居城に相応しいと思えます
広大な主郭の南北に複郭が付属します
南郭の二重堀のある場所が大手口と考えられます

 

↓2郭の土塁

同じ台地の西南にある篠本城は14~15世紀の城で

千葉家臣・竹本(ささもと)氏の城といわれます

寒風城は篠本城が廃された後にこの地に入った椎名氏が16世紀に構えたと考えられています

 

↓寒風城の航空写真(電子国土空中写真1963~69を使用して作図)

 

 

参考  寒風城跡/  光町  財団法人東総文化財センター

           東総の城郭と居館跡/ 椎名幸一、高森良昌
     房総の古城址めぐり/ 府馬清
     八日市場城とその城主/ 八日市場歴史研究会