しるそばのうそ日記 -5ページ目

きんこん。

  子どもの頃、自転車というのは、様々なこだわりが現れるものであった。 スタンドを一本足にしたり、スポークに珍しい色のカラーボールを挟み込んでみたりと、実用性とは関係ない方向に、こだわりを爆発させていた。
 

 

 

 

 

 

 


キンコーン
 

 

 

 

 

 


キンコーン
 

 

 

 

 

 


  自転車のベルの音である。 ぼくが子どもの頃も、これはこだわりのポイントであった。 元から付いている、チリンチリンなるヤツは、軽蔑の対象ですらあって、一発ずつ、チーンとなるヤツに変えるのが基本、バカデカくて、キンコンとなるヤツを付けていると、「こいつは違うな」と思われたものである。
 
  実際、近所の公園でも、キンコンなるベルを付けた子供が、まわりの子供たちに自転車を自慢していた。
 
「なにこれ?!」
「付け替えた。」
「かっけぇ!!」
「いいでしょ?」
 
  よ~く考えれば、別に格好良くないことに気が付くはずなのだが、脳をほとんど使っていない彼らには、気が付くことができない。
 

 

 

 

 

 


「なぁなぁ! 見て見て!」
 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

キンコーン
 

 

 

 

 

 

 

キンコーン
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キンコーン

 

 

 

 

 

 

 

キンコーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラマン。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  なるほど。 ベルの音をカラータイマーに見立てたわけか。 このベルに変えれば、ウルトラマンになれるという特典が付くと。 まったく必要のない思い付きである。 思い付きではあるのだが……
 
「すげー!!」
「かっけぇー!!」
「いいなぁ!!」
 
  子供たちは盛り上がっている。 絶対に良くないぞ子供たち。 とはいえ、自転車のベルを買い替えただけで、ここまで盛り上がれるのならば、買い替えた甲斐があるというものであろう。 あるというものではあるのだが、少年。 カラータイマーがキンコンキンコンなっているということは
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウルトラマン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死にかけてないか?
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  ……とだけはいっておこう。
 

 

 

 

 

 


ぼくの人生につづく。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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しゃー。

  ぼくは犬派を公言しているが、猫も大好きである。 しかし、猫はそうじゃないらしい。 なんでも猫は、おっさんの野太い声が嫌いらしいのだ。 なんたる理不尽。 そうなると、さかなクン以外のすべての成人男性が、猫に嫌われていることになる。 ぎょぎょぎょ。
 
  そんなぼくの耳に、猫の鳴き声が届いている。 そちらの方に目をやると、ゴミ捨て場のカゴの中に、子猫が放り込まれていた。 ゴミ捨て場には、普段、ネットがかけてあるのだが、ネットは取り去られていて、カゴをよじ登って脱出できない子猫が、中で右往左往しながら、ミーミーと切ない声で鳴いている。
 
  別に猫が嫌いでもよい。 しかし、カゴから出ることすらできない子猫が、自らまわりになんの支えもないなかで、カゴに飛び込んだとは思えない。 ついついイタズラ心で、猫をカゴの中に放り込んだのだとしても、最後は出してあげるのがルールというものであろう。 今の時期、野良猫は、雨風に必死で耐えなら、懸命に生きているのである。
 
  ぼくは、子猫を刺激しないように、ゆっくりとゴミ捨て場のカゴに近づいた。 そして、そのまま子猫を

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


シャーされた。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


シャーされた。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  子猫は、驚くべき身体能力で、カゴから飛び出した。 前言を撤回する。 この身体能力であれば、網のかかっていないゴミ捨て場のカゴに、興味を持った子猫が、自ら飛び込んだのだとしても、何ら不思議ではない。
 
  子猫は、全身全霊で、ぼくに敵意を向けていた。 「よくも、我をこのようなところに閉じ込めたな!!」と、数百年前に、陰陽師だか、仙人だかに、石塚に封じ込められた大魔王のような風情で、ぼくを見つめていた。 おまえが閉じ込められたのは、せいぜい数十分前だし、その気になれば、飛び出すこともできたはずなのに、助けようとした人間にこの仕打ちである。 だが、このような仕打ちを受けてなお、あぁ、子猫はもふもふだなぁ、と、目を細める程度には、猫が好きなぼくなのであった。
 
  あ、ネットは戻しておきました。
 

 

 

 

 

 

 


ぼくの人生につづく。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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たったひとつのさえたやりかた。

  レトルト食品。 正確には、レトルトパウチ食品といったほうが良いようなのだが、まぁ、レトルト食品。 スープやら、シチューやらが、アルミやら、なんやらで出来た袋に入っていて、温めるだけで、美味しく頂ける、便利なヤツ。
 
  気力と時間があれば、玉ねぎとひき肉を炒めて、レトルトのミートソースで、なんてやってもいいのだが、気力と時間がなくて、ごはんが余っているので、レトルトのカレーをかけて、おしまい。
 
  レトルトの袋には、開けやすいように、切込みが付いている。 保存のために、頑丈に作られている袋だが、ここから切れば、簡単に中身を取り出せるわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


簡単に。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


開けられなくても大丈夫
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


切込みは逆側にもある。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


簡単に。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


にぎーー!!!!
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじっこが固くて

切れねぇじゃねーか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ぶっちーーん!!
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大惨事。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  誰しもが経験をしているはずだ。 レトルトの袋を、片側から開けても端っこが切れず、それならと逆から切ってら、切込みがずれて、現代アートの完成。 なんでこんなに開けづらいのだと思うでしょう? 思うよね? 実はこれ
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


正しい開け方があるのよ?
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


知ってた?
 

 

 

 

 

 

 


まず
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


レトルトの袋とふたつに折りたたむ。
 

 

 

 

 

 

 


そして
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


両方の切込みをきちんと合わせたら
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


両側を一緒に切る。
 

 

 

 

 

 

 


チョット 力 がいるけど
 

 

 

 

 

 

 


この方法だと
 

 

 

 

 

 

 


綺麗に切れま~す。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


どばー
 

 

 

 

 

 

 


  そうなのである。 レトルトパウチの袋は、片側ずつ、切って、切込みをつなぐのではなく、折りたたんで両方一緒に切るのが正しい方法なのだ。 マジでこれなら、スパッと綺麗に切れる。 レトルト食品を食べる機会が、どれほどあるのかはわからないが、ぜひ、一度試していただきたい。 「今までの苦労はなんだったんだ?!」となること請け合いである。
 
  と、いうわけで、カレーを美味しく頂こう。
 

 

 

 

 

 


ぼくの人生につづく。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

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