耳の聴こえない絵描き
ソルト/Shiori Ueda
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一見すると寂れている
祀りも手入れもされていない崩れかかったやしろでも
“いまだそこにおわす”
これを感じることもある。
綺麗に整えられているやしろでも何も存在しないことはあるし、見たままにはっきりと「居ない」と分かる風化して崩れたやしろもある。
神のおわすやしろであるのか
神の去られたやしろであるのか
別の存在が後から宿りましているのか
どんなひとでも、五感の感覚を開けばなんとなく分かってくると思う。
神は眼には見えずとも
光、風、香、音、あらゆるしるしを示してくださる。文字通りに「神」、示し申す存在であるので。
よく「見て」
よく「聴いて」
よく「感じて」
神の存在を知る。
聴覚のないわたしでも
神の示す音は静かに伝わる。
木々のざわめき、木漏れ日の降りしきる光、舞い散る木の葉のきらめき、眼に見える音として。
なによりも己の感覚を信じればいい。
(文/ソルト)