長文失礼致します。 | 森永の小部屋 

森永の小部屋 

主に教室受講生に対して書いているブログです。このブログに掲載していることは、TACの公式見解ではなく、森永個人の主観に基づくものです。また、記事は万全を期しておりますが、万が一不利益を被られたとしても責任は負わない旨ご了承ください。

受講生の皆様、お疲れ様です。


今朝合格発表がありました。細かな数値等はこちらを参照してください。


合格された方へ

合格おめでとうございます。これまでの努力が実を結び、望んでいた結果を勝ち獲られたことを自信とし、今後のさらなるご活躍を期待しています。


合格率が上がったとはいえ、実際のところは司法試験受験者等の上位資格受験経験者が相当割合を占めているでしょう。仕事や家の事などをこなしつつ、このレベルの試験に合格することは経験者でなければわからぬほど過酷なものだったはずです。


しばらくゆっくりしても、他資格を志しても、実務家になってもいいです。しかし、合格したときが一番良かったなどと思うことのないように過ごしてください。数々の壁を乗り越えて手にしたこの資格を、ただの紙切れで終わらせることなく人生を謳歌してください。皆さんは能力もあり努力も出来るので。


さて、ここから耳の痛い話を。こんなこと今言ってくれる人そんなにいないと思うので。


何かを得ることよりも、得たもので何が出来るかということが大切であり難しいものだと思います。


受かるだけなら毎年何千人も増えていきます。正直、珍しいものではありません。


その中で依頼者や周囲の人に対し、特別な存在になることが出来るかどうか。皆さんが持っている能力はまだまだこんなものではないと思います。受験生間の競争は終わりました。これからは、これまでの、そして来年以降の合格者の方の中で実力を発揮し、自分のためや人のためにも法律や知識や知恵を使えるようになり、是非合格者の中でも特別な存在になって下さい。期待しています。


不合格だった方へ

試験はどこまでいっても一発勝負であり、時の運もあります。発揮出来なかった実力もあるでしょうし、向き不向きもあります。


今回結果が出なかったことは残念ですが、今後、あらゆる方向性で挽回できます。


次の試験でやり返しても


他資格の取得でやり返しても


その他の分野に進んでも


自分の人生を良い方向に持っていくことはもちろん可能です。どうしても上手くいかなかったときは視野が狭くなりがちですが、色々な可能性がありまだまだその途中です。反省すべき点があれば反省し、前を向いていきましょう。




最後に、不合格だった方の中でも今年の試験合格を目指す方へ厳しいことを。無理そうならここから先は読まないでください。



なんとなく、ですがあと数点で駄目だったという方が多いように思います。今回は特に。


あと2点だった


というときの悔しさは、経験した人にしかわからないものです。


あと2点だったと。たった2点だったから


などという姿勢で臨んでは、今年の試験も結果は出ません。経験上これはハッキリしています。


受験経験者が数年にわたり受講しても、思った以上には科目別答練等の点数が上がらないということは珍しくありません。


既にある程度出来上がっている


という状況からさらに向上させることは、案外難しく、学習期間が長くなっても実力維持のための勉強となってしまい、本当の意味での実力を1段も2段も上げることは並大抵のことではありません。


去年と同じように勉強しても、勉強の実力というものは、あるところから単純な足し算で階段を上がるようには上がらなくなります。


今まで以上に正確に


今まで以上にミスを少なく


今まで以上に理解を深め


先に進まないといけません。「地方自治法苦手やわ」とか言ってる場合じゃないんです。「法定地上権わからんわ」とか言ってる場合じゃないんです。今までと同じようにやっても、いつまでも同じこと言ってるまま本試験が来るのです。


去年必死にやって、埋められなかったものを埋めていかないと。同じようにやっていても、同じように残るもんなんです。去年も必死にやってたのだから。


去年の自分を超える。あと2点とかではなく、去年なりたかった自分と本試験時の自分との距離感。埋めるのはそこなんです。もう一度この試験と向き合うのなら、やられっぱなしでは絶対に終わってほしくないので、敢えて厳しいこと書いてます。


世の中普通に生きてたら、良いことも悪いこともありますし、清も濁も色々とありますよ。今回辛酸を舐めた経験を、今年受かって生かせばいいんです。試験に受かったくらいで満足せず、この気持ちを忘れずに、培った知識や知恵や経験で、人に寄り添える法律家になればいいじゃないですか。


開業して思うのですが、健康でいれば開業1年くらい遅れても大したことではありません。そのかわり、今の気持ちを忘れずに、去年の自分を乗り越えて必ず今年勝つんです。せっかくこんなに悔しい思いをしたんですから、この経験を徹底的に生かして試験の合格、そして、その後の人生にも役立てましょう。



長くなってすみません。今日はここまでとしときます。受験された皆様、令和5年度の行政書士試験、本当にお疲れ様でした。