『spring(スプリング)』 | 胡晴の記憶の本棚

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読んだ本やその日あったあれこれ

2024年4月に出版された、恩田陸さんの

『spring(スプリング)』

を読み終わりました。

 

バレエダンサー兼振付師の萬春(よろず はる)が主人公のバレエ小説です。

いちお主人公とはしてみましたが、

本の大部分は、彼の周りの人たちの視点から書かれた春像がつづられています。

取材を受けたらこんな感じな雰囲気で、全体的に重たい感じがしました(本を読んだときに

かなり体調が悪かったので、読み返してみたら違う感想になっちゃうかもしれませんが)

 

読み終わって一番の感想は、

バレエは音楽よりも、文字で表現するのが難しいってことかな。

音楽と違ってバレエは形があるから、

今どんなポーズをとっているのかなと、つい考えちゃう。

他の人は違うかもしれませんが、私にはハードルが高すぎたように思います。

 

一番印象に残ったのは、気に宿っている神様を擬人化したのが仏像ってエピソード。

そんな風に考えたことがなかったので新鮮でした。

 

あと、今風にBL要素も少々あり(と言っていいのか?)

 

春をアルファベットで書くと、HALって設定が面白かったです。

『2001年宇宙の旅』好きなので、なんだか懐かしかったし。

あと、IBMに関する噂が面白かったです。

確かにHALを一つずつずらしていくとIBMになる。

真相のほどはいかに! ですね。

 

パラパラ漫画付きだったので、思わず何度も遊んでしまった。

面白いけれど、本の痛み具合が心配。