『ひどい民話を語る会』 | 胡晴の記憶の本棚

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読んだ本やその日あったあれこれ

2022年10月に出版された、

京極夏彦 さん、多田克己 さん 他の、

『ひどい民話を語る会』 を読み終わりました

 

ひどい内容の民話を、座談会形式で紹介した本です。

民話の登場人物がひどい目にあわされるのかと思っていたのですが、

話の内容が残念過ぎる民話が紹介されていました。

 

ほぼ下ネタ。

ホント下品極まりない内容(笑)

 

自分の大便を食べて犬になったり(どうしてそんなものを食べるの!)、

おじいさんの家に知らない男が突然やってきて、

「あなたのう〇〇を食べさせて」

と懇願。

おじいさんは「これでいいかい」と、

その場でしたやつを差し出す(なんでそんな反応なんだとツッコみどころがありすぎ)

そのうえ食べ終わった男が言うんです。

「今度は僕の如何ですか」と。

現代語訳されているせいもあるとは思うのですが、こんなにあっさりな感じなの?

あまりにも予想のつかないシュールすぎる展開にのけぞっちゃいます。

 

結局男は林檎の精か何かのようなので、

人間の思考の範疇を超えていても仕方がないとは思うのですが、

それをさしひいても内容が変態じみすぎ。

それにおじいさんは人間だし。(人間だから途中で我に返って、こんなことしている場合じゃないと目が覚めるのか)

 

座談会の人たちももちろん、その変態ぶりにツッコミまくっています。

 

乳飲む爺さなんて変態も登場。

乳をのませてくれという行為より、それを飲ませる人がいることがえーっ!! です。

 

桃太郎の話も面白かったです。

桃太郎の内容もいろいろのバージョンがあって、

働かず、鬼退治にも行かず、

怠けもので、おじいさんとおばあさんまで殺しちゃう。

半グレ桃太郎というワードにもはまりました。

 

あまりの半グレぶりに桃太郎が家を追い出されるバージョンもあるらしい。

 

おばあさんがなぜ洗濯に行くのかという点も書かれていて、

おじいさんが厠の屋根をふきなおしていて中に落ち、

肥溜めにダイブ状態に。

それで、おじいさんの衣を洗いに行く。

やっぱり、徹底して下の話なわけです。

 

あと、吸い込むバージョンの屁っぴり嫁の話。

よく考えてみたら、いい爺さんは社会的に危ない奴だと主張する、

黒史郎さんのコラムが説得力ありすぎで面白かったです。