でも、ここからが本当のスタートでした。。。



つづく、、、

良い意味でも、とりあえず大きなカットスタイルを切りましたし、ブローからしっかりやって行くという目標が出来ました、、、

そして、パリでの生活にも大分慣れてきました。フランス語に関しては正直喋れるようになっていたワケでは無いですが、、、何だかんだ、毎日フランス人と嫌でも接してましたから、、、実際、Kenzoも日本語でない事がほとんどでしたから、、、

目標がハッキリしてくると、何だか午前中にフランス語学校に行っているのが???になってきました。。

どこかで、研修生みたいな立場からちゃんとしたスタッフになりたかったんだと思います。

そんな事を思っている、ある日、、、学校で、、、

先生 :「命令形の動詞の活用は、、、、を使います。」

 僕 :「この場合は、、、、こうですよね???」

先生 :「それは違います。。。」

 僕 :「でも、仲間達はこうやって言ってましたよ、、、」

先生 :「そんなはずはありません!」

 僕 :「、、、、、、、、、」

もしかしたら、僕が間違えていたのかも知れません。。。でも、その時は、、、、
「自分の仲間は、フランス人。。。その仲間が話している言葉が間違えてるって、、、、僕はみんなとコミニケーションを取れるようになるためにフランス語を勉強してる、、、それが違うって言うなら、ここに来る必要は無い」と思いました。。。

その翌日からフルタイムでサロンに出るようにしました。。。
僕にとってフランス語は、あくまでコミニケーションのツールでしかありません。。。
フランス語を喋れるようになる為にパリに来たワケではありませんから、、、
だから、サロンで働き、多くの時間を過ごせば、何とかなると思っていたんだと思います。。。
それからも、特にフランス語の勉強はしませんでした。。。(辞書とかホント真っ白です)
寝る時、ワザとTVをつけていた事位です、、、睡眠学習です。。。
後は、とにかくサロン内で、聞いて試してです。そして、当時Kenzo達は、とにかく飲みに行く事が多かったので、とにかくついて行きました、、、ここでフィリップから悪い言葉のほとんどは習いました。。。

とにかく楽しかった。。。必死にでしたけど。。。
仲間達と営業をし、その後呑みに行く。。。営業も、自分の勉強も、コミニケーションもどれも必死だったけど、、、苦じゃなかったです。。。
昔話をすると、Kenzoとこの話になると、、、「良く一緒に来てたよね?!」と言われますが、、、話が分からなくても、楽しかったし、冗談で言われていた「呑めば呑む程上手くなる、、、」っていうのを信じてましたから。。。

Kenzo,フィリップ、イオネル、ソンドリーヌ、モルガン、ジェロームというメンバーの1員になれる事が楽しかった、、、、

そんな日々を過ごしている中、後に大きな影響を与える大きな変化がありました。。。


つづく、、、、

こうやってマニアティスのトレーニングの考え方が少しづつ理解してきました。。。

つづく、、、

パリについて間もない頃、Kenzoと話してると、、、

Kenzo :「Keigoも早く上手くなって、早く帰ってね、、、俺もさ、やりたい事あるから、、、」

僕  :「、、、???」

Kenzo :「まあ、ちゃんと教えるから大丈夫だよ。。。」

この時は、何いってるんだろう?確かに僕が来て迷惑かかるのは分かるけど、そんな簡単に出来るワケないじゃないか、、、と内心思っていました。。。
そして、この時はKenzoのやりたい事は教えてくれませんでした。。。

モデルカットを衝撃的に始めて以来、、、ショート3人、ロング2人、ミディアム2人とトレーニングをしていき、ふとさっきの話を思い出しました、、、、
「この人、本気で早く進めようとしている。。。。」と分かりました。だって、この間わずか3週間でしたから。。。

そして、案の定、次のモデルはボブでした。。。やっぱり、、、と思いました。。。
と言ったって、別に進歩してるワケではないんですが、、、

そして、3人目のボブの時でした、、、、
いつものようにスタートし、何とか自分なりにボブを切りました。。。
営業中だったので、Kenzoに手が空いたら見て欲しいと呼びに行きました。。。
この日は、サロンは普通でしたがKenzoは多くのお客さんを抱えていました。。。
なので、お客さんとお客さんの間に空く限られた時間を使って見に来てくれました。。。
ダメな部分を言われ、Kenzoは仕事に、、、僕はカットをし直しました。。。

これを何回繰り返したんでしょう、、、分かりません。。。自分なりには必死に切っていたんですが、、、途中、フィリップがKenzoに言われ、少し見てくれました。。。
そして、Kenzoを呼びに、、、、、

Kenzo : 「、、、、、、」

何も言わず、切り直しました。。。

モデルが帰ると、フィリップに怒鳴っていました、、、(教えるなら最後までちゃんと教えろ、、、という内容だったみたいです) 厳しさを知りました。。。

そして、営業が終わり、、、

鬼の形相で、、、

Kenzo : 「カットは終わり!!!ブローからな!!!」と言われました。。。

今、思い返しても複雑な気持ちでした、、、悔しい、でも分からない、僕はそんな簡単にやりたいと思っていない、、、

僕はダメだったから怒られたと思っていましたが、、、
後々、知りましたが、この時Kenzoは、「こいつ、どうやら本気でやる気なんだな、、、、なら1からちゃんとやらなきゃダメだ」と思ったらしいです、、、

この日の事は忘れないです、、、ボブに7時間ですから、、、、

でも、ここからが本当のスタートでした。。。



つづく、、、
brutで本格的に働くようになって、もうすぐ4ヶ月です。。。

表参道からの移動でしたので、お客様にもご不便を大分かけてしまっていますが、
本当に多くのお客様に来て頂いて感謝しております。
そして、最近になっていらして頂いたお客様達が、、、

「成城に移動してしまって不便になったので、違う美容室に行ったんです。。。」と申し訳なさそうに言われました、、、
僕の都合で移動したワケですし、みなさん、それぞれ事情、環境がありますから仕方がない事だと思います。。。
そして、それぞれ行かれた美容室の話を、、、、

・髪を濡れたままカットしていた、、、
・カットが5,10分位で終わっちゃった、、、それだけって感じだった、、、
・パーマをかけられて、カットは誤魔化された感じがした、、、
・自分では出来ない仕上げの提案ばかりだった、、、

などなど話されていました。。。それに地域の中でも繁盛店に行ったんです。。。表参道、青山の有名店のトップに頼んだ、、、などとお話してくれました。。。

僕は、、、「それは日本の美容室では普通ですよ」、、、とお答えしました。
と同時に、、、「ウチが変わってるんですよ、、、今は、、、」ともお答えしました。。。

お客様は「そうなんですか???」と疑っていました。
その方達は5年位は表参道に来て頂いていたので、僕達のやり方、エフィラージュに慣れてしまって、それがあたり前になっていたんだと思います。。。

僕としては、また来て頂けたという事だけで、とっても嬉しい事でした。。。
でも、何だか、とっても気になる言葉が心に残りました。。。
それは、お客様達の話に出て来た、、、「不安不安で仕方がなかった。」という言葉です。

新しい美容室に行く事は確かに、希望もある反面、不安もあると思います。
でも、お客様達が発した不安は、そういった不安とは違います。
サロン、美容師の姿勢、そして技術に対してです。

今日もいらっしゃた新規のお客様にも、「そこまで考えてくれるんですか、、、丁寧にカットしてくれて、、、」と言われました。。。良くお客様に言ってもらえる言葉です。
でも、僕としては、「あたり前」の事をしているつもりです。それはエフィラージュだって同じです。。。本当にカットに向き合ったらそうなります。

でも、まだ「あたり前」ではなく特別なんですよね。。。

お客様の安心のためにも、改めて美容師としてのエスプリを、そしてエフィラージュを「あたり前」になるように、頑張って活動して行きたいと思います!!!