僕がエフィラージュを教えてる時、、、思わず普通に使ってる言葉なんですけど、、、、、
僕にとってもエフィラージュにとっても大切な言葉なんです。。。
でも、質問が多いので、、、

『フォルム』とか『ボリューム』もしくは『ベース』という言葉を良く使います。

もともとは、パリにいる時は『ボリューム』と使っていました。たぶん、パリでトレーニングを受けた事がある人なんかは、「ボリュームの位置は?」とか「ボリュームを上げろ」など何度も耳にしてると思いますが、簡単に言ってしまえば、「形」です。

初めて耳にする人の中には???な方も多いかもしれません。『ボリューム』と聞くと、どうしても「毛量」を想像してしまう人も少なくないと思います。なので、僕は『フォルム』という言葉に置き換えて使っています。。。

で、僕はトレーニングでもお約束のように、、、『フォルム』というキワードを使いまくります。。。
ちなみに「フォルムの位置」というのは、その形(ヘアスタイル)の表す頂点を意味しています。

なぜ、僕が『フォルム』というキーワードを使いまくるかというと、、、
僕は、ヘアスタイルを「ベース」と「デザイン」と分けています。

・ベース=フォルム

・デザイン=アウトライン 

という考え方です。これは最も大きく分解した考え方ですから、実際には、これに個々の表現、質感などもプラスされて考えなければならないです。

エフィラージュは史上最も自由なカットテクニックです。どこから切り出しても良いし、絶対にこの手順というマニュアルも存在しません。仮に同じスタイルだとしても、100人100通りは当たり前で、ここに様々な要素(髪質、骨格、身体バランス、ライフスタイル、個性、、、、、、、、)を加えたら無限です。。。
しかし、エフィラージュの中でも基本としているのが、フォルム構成をした後にデザインというスタイルです。

*ヘアモードで行った技術解説もこの切り進め方です。
*もちろん、厚めのバングなどデザインの主張の度合いによっては、そこから切り始める事もあります。。。

この考え方は、エフィラージュでのカットの優位性を色濃く現してる部分でもあります。
エフィラージュはアウトラインから切って行く事無くカットをしていく事が出来ます。フォルムを作った後、アウトラインを切る、、、、これは、デザインという部分において、大きなアドバンテージとなります。お客様でも、モデルさんでもフォルムを作ってからデザイン出来たら、フォルムが見えてますからベストに近づける事が出来ます。反対に最初にアウトラインから切って行くとしたら、、、、それはあくまで想像上で切っているという事です。つまりはリアルでないんですよね。。。

その上で、僕の考え方として、、、「良いベースの上にこそ良いデザインが活きて来る」

僕は、これをいつも思っています。自分がカットする時はもちろん、トレーニングをする時もです。
基本的にデザインは、個々のモノです。カットする側の個性、カットされる側にも個性がありますから、絶対的なモノではありません、、、それに対しフォルムには絶対性があります。。。
つまり、その絶対的なベースを作り出す事によって、デザインが際立って来るという事です。
反対に、絶対性のないベースでは、デザインはボヤケてしまいます。

トレーニングをしていて、この事を伝えようとすると、どこかで???な人に、、、、
いつも、僕は料理と同じだよ、、、と言います。。。
例えば、カレーです。食材切って、炒めて、煮込みますよね、、、スパイスから拘る人もいるでしょうが、みんなこの煮込みって結構大切だって思ってますよね???僕なんかも昔、コトコト丸1日煮込んだりしました。。。その煮込んだ状態って、それだけで、すでに美味しいスープみたいになってるんです。。。そこに、どんなカレールー入れたって美味しいはずです。もし気変わりしてシチュウにしても美味しいと思います。
反対にどんな美味しいルーを使ったとしても、ちゃんと煮込んでなければ、けして美味しくならないんです。。。

つまり、、、

・煮込んだスープ=ベース

・カレールー  =デザイン

という事です。。。本当はトマトソース編なんかもあるんですが、、、、もう止めておきます。
でも、これはどんな料理の世界にもある事だと思います。そして、クリエイトという世界にも必ず通じる事だと思います。

僕は、エフィラージュは表現する事だよと言っています、、、その表現をより鮮明に伝えるために、、、やっぱり『フォルム』は大事なんです。

今日、来店されたお客様に、、、、

「ブログ読んでますよ!!!」と言われました。。。

ちょっとビックリしました。僕自身、このブログを書いてる事をお客様に伝える事がありません。。。

確かに、このブログを書き始めた頃は、美容師向けでなく、美容室を利用する方達へに情報提供が主な内容でした。。。世の中の人達に、エフィラージュの事をはじめ、こういう美容室があるんです、、、というのを知ってもらいたくて書き始めました。今も思うことですが、なかなか正しい情報を手に入れる事は難しいと思います。特に美容については、とってもグレーです。

これは、まず、美容が人の上で表現する仕事だからです。モノと違って、基準を見いだし、比較したりする事が出来ないですからね。。。
つまり、みなさんは得た情報を基本的に自己解釈することになるんです。。。

では、発されてる情報は正しい真の情報なんでしょうか???
情報の発信としては、メディア、雑誌の影響力がかなりあります。メディア、雑誌などが出す情報をみなさん信じてしまいます。当たり前な事だと思いますが、、、、でも、メディア、雑誌もビジネスですから、売れて利益が出る事が1番ですから、真の情報を発信してるかというと???です。もっと突っ込むと、メディア、雑誌を作っている側も真の情報を知らないという事でもあります。

僕からすると、間違えた情報や個の利益の為に操作された情報ばかりです。。。

つまり、みなさんが真の情報を手に入れる事は、ほぼ不可能な状態なのです。。。

僕は、常にみなさんが、多くの選択肢を持つ事が良い事だと思ってきました。。。
だから、このブログを通じて、少しでもみなさんの選択肢が広がれば良いと思ってブログを書き始めました。。。その意思は今でも変わってないんですが、、、いつの間にか、、、

美容師さん向けになっていました。。。
今、自分1人の力で本当にみなさんにとって情報を発信出来るかといえば、、、無理です。。。
だから、まず世の中の美容師に向けての発信なんです。。。
それが、いつかより多くの方に届くようになると思っています。。。

僕の頭の中に、美容の矛盾やみなさんにとっての有益な情報があれば、またアップします。。。

また、たまに覗いてくれたらと思います。。。



Parfaitでのトレーニングの終了後、終電までの短い間、スタッフと飲みに行きました。

この時間、、、僕にとってはとても大事な時間なんです。

トレーニングは、どうしても複数のスタッフを担当していますから、伝えなくてはならない事やテクニック、実際のカット修正などがメインですから、自分の感じている事、思っている事、全てを伝える事がなかなか出来ないでいますし、仮に伝えたとしても、理解に及ぶまで行けないんですよね。。。
トレーニング終了後の飲み行く時間は、スタッフとのコミニケーションは当たり前ですが、そういったトレーニング中伝えきれなかった事の補足をする事が出来るんです。
やっぱり、トレーニングだけして終わりとなると、何か薄い気がしますし、残っていかない気がします。。

だから、、、年数回のトレーニングでいかにお互いが発展出来るか、、、、この答えを僕はたとえ短い時間でも飲みに行く事だと思っています。。。

僕自身もパリ時代は、営業終わっても、トレーニング終わっても良く飲みに行っていました。そして、そこで多くの事を得たと思っています。。。

この日もあるスタッフに、、、

スタッフ:「今日、どうも上手く切れませんでした。。。何でですかね???」

僕   :「だから、途中で言ったでしょ、、、まずちゃんとフォルム作りなってね、、、」

スタッフ:「分かってはいるんですけど、、、でも、、、思うように出来ませんでした。。。」

僕   :「◯◯のカットはね、いつか丁度良くなるのを待ってカットしているんだよ。」

    :「それ出来上がり待ちカットって言うんだよ。。。探す事と迷う事は違うよ。」

スタッフ:「でも、、、、、探してます、、、、」

僕   :「カットは狙ってするんだよ。じゃ、自分の描いていたデザインになった???」

スタッフ:「思ったより短くなりました、、、、」

僕   :「だろ???イメージも甘いし、やっぱりフォルムをしっかり作ってからじゃないとね。」

スタッフ:「何でダメなんですかね???」

僕   :「◯◯は、自分の才能に溺れてるんだよ、、、器用貧乏になるよ、、、、」

スタッフ:「そんな事ありません、、、頑張っています。。。。」

僕   :「いやいや、溺れてるよ、、、それにどこかで自分に満足してるね。」

スタッフ:「そりゃ、お客さんやっているんですから、少しは自信はあるかもしれませんけど、、、」

僕   :「そうだよ、けして悪いとは言ってないよ、、、でも上手くなりたいんでしょ???」

    :「いままで、環境もあってチャンスもいっぱいあったから駆け足できたんだろ???」

    :「自分のステップを上げるためには、自分の壁を乗り越えなくちゃダメなんだよ。」

スタッフ:「じゃ、私はどこかで、損して来てるんですか???」

僕   :「違うよ、、、別に損はしてないでしょ?だから、自分が何を求めるか?だよ、、、」

    :「今だって、喜んでくれるお客様いるだろ???」

スタッフ:「はい。」

僕   :「だったら、それで良いじゃない、、、美容師としてそれでも良いんだよ。」

    :「何も俺が言ってる美容師像が全てじゃないんだから、、、別に無理する必要は無いよ。」

スタッフ:「。。。。。」


僕自身、彼女がデビューした頃から見てきました。。。今もカットしに来たり、イベントに進んで参加したりと頑張っているスタッフです。。。そして、本来もっともっと出来るだろうと思っています。。。頑張って欲しいと思います。。。でも、この時話した事は本当の事でもあります。
だって、どこまでやるか、やりたいかは自分次第ですからね。。。
どこで、満足するか、、、なんて人それぞれだし、誰の為でもなく自分の為に、、、ですから。

だけど、こんな話、やっぱりあのような場だから出来るんですよね、、、、、