ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (辻村深月著)読了


"30歳"という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。
都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、
地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。
少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。
あの"殺人事件"が起こるまでは……。
何かに突き動かされるように、警察の手を逃れ今なお失踪を続けるチエミと、
彼女の居所をつきとめようと奔走するみずほ。
行方を追う中、不可解な事件とその真相が明らかに……!!

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)/辻村 深月
¥780
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『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』って、不思議なタイトル。
著者とほぼ同年代の女性2人が主人公。
私は辻村さんの作品を初めて読んだけれど、構成がとてもうまい。
あれ?あれってどうなったっけな、って思うところはあるのです。
でも、それ以上に読ませる本に仕上がってます。

主人公みずほがかつての親友チエミを探す過程で、
彼女たちを取り巻く「ジョシ」達との20代の他愛無い青春の日々を振り返る。


女性というほど成熟していない、ジョシ達の友情という見せかけの付き合いの中にある
微妙なさまざまな気持ちを書き表している。
自分自身への焦りもあってか、他者への憤りになったり。
そう、友情と一口に言ったって、純粋に情だけじゃなかったりするんだ。
女にとらわれた女と過ごすのってめんどくさい。
そんなことを思い出したりした。


気になっていた、タイトル。
ず~っと取り上げられません。
最後にようやく分かるの。
でも、その意味が分かると、「あぁ、なるほど」って思う。
オススメです。


☆4/5

出口のない部屋 (岸田るり子著)読了


私に差し出されたのは「出口のない部屋」という題名の原稿。
「読ませていただいてよろしいですか?」
彼女はロボットのように無表情のまま頷いた。
それは、一つの部屋に閉じ込められた二人の女と一人の男の物語だった。
なぜ、見ず知らずの三人は、この部屋に一緒に閉じ込められたのか?
免疫学専門の大学講師、開業医の妻、そして売れっ子作家。
いったいこの三人の接点はなんなのか?
三人とも気がつくと赤い扉の前にいて、
その扉に誘われるようにしてこの部屋に入ったのだった。
そして閉じ込められた。『
『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞受賞の岸田るり子が鮮やかな手法で贈る、受賞第一作。

出口のない部屋 (角川文庫)/岸田 るり子
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後味の悪い書き方がうまいわ。
おもしろい。でも、舌がざらつくようないやぁな感じ。
パッと見、普通の人が、喋るごとに嫌な奴に変わっていく。
そんな印象を持たせながら、実際のエピソードでいかにイヤな人間かを顕す。
ミステリとしては、それほどのものではなく、
接点だったりと言ったものはうっすら透けて見えるから、
読んでいる途中で、「あぁ、この人は、きっとここに出てくる・・・」と、
何となくわかるんじゃないかな。
それが分かっていたとしても、読み進めたくなるのは、
ミステリというより、人のどろどろしている部分をもう少し読みたいと思わせるからかな。
代わる代わる語られる三人三様の過去。
それが最後に1つに収束していく。


この人の作品、ミステリって言うよりホラー。
人って、怖いね。


岸田さんの作品で以前読んだものは、「天使の眠り」
この時も、読んでいる途中で展開が見えた。
しかも、あれあれ?って思ったので、物足りなかったのだけれど、
本作品は前回よりも好み。


☆3/5


無防備都市 禿鷹の夜Ⅱ (逢坂剛著)読了


史上最悪の掲示が帰ってきた。
警視庁神宮署の札つき者 禿富鷹秋--通称・禿鷹。
警察組織を食い荒らし、南米マフィアを敵に廻して、
今日も、ひとり、非常の街をいく。

無防備都市―禿鷹の夜 2/逢坂 剛
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ハードボイルドは苦手だけれど、この人の作品は読める。
前回読んだのは百舌シリーズ。今回は、禿鷹で、シリーズ化されているよう。

破天荒な刑事が主人公。
一般的な刑事モノを想像していると度肝を抜かれる。
帯に書いてある、「史上最悪のデカ」って言葉も納得。


警察組織にいながら、常識を完全に無視し、
自分の都合で動く主人公。巻き込まれる脇役たち。
主人公の荒々しさに魅力を感じる色気のある女たち。
ワタシの想像する、「ザ・ハードボイルド」


強引に感じる部分もあるけれど、
展開のうまさに筆力を感じます。
軽々っと読み終えた。
組織の中で埋没しそうなアナタに。
(読んだところで変わるものではないけれど、さ))


☆3/5