出口のない部屋 (岸田るり子著)読了
私に差し出されたのは「出口のない部屋」という題名の原稿。
「読ませていただいてよろしいですか?」
彼女はロボットのように無表情のまま頷いた。
それは、一つの部屋に閉じ込められた二人の女と一人の男の物語だった。
なぜ、見ず知らずの三人は、この部屋に一緒に閉じ込められたのか?
免疫学専門の大学講師、開業医の妻、そして売れっ子作家。
いったいこの三人の接点はなんなのか?
三人とも気がつくと赤い扉の前にいて、
その扉に誘われるようにしてこの部屋に入ったのだった。
そして閉じ込められた。『
『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞受賞の岸田るり子が鮮やかな手法で贈る、受賞第一作。
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後味の悪い書き方がうまいわ。
おもしろい。でも、舌がざらつくようないやぁな感じ。
パッと見、普通の人が、喋るごとに嫌な奴に変わっていく。
そんな印象を持たせながら、実際のエピソードでいかにイヤな人間かを顕す。
ミステリとしては、それほどのものではなく、
接点だったりと言ったものはうっすら透けて見えるから、
読んでいる途中で、「あぁ、この人は、きっとここに出てくる・・・」と、
何となくわかるんじゃないかな。
それが分かっていたとしても、読み進めたくなるのは、
ミステリというより、人のどろどろしている部分をもう少し読みたいと思わせるからかな。
代わる代わる語られる三人三様の過去。
それが最後に1つに収束していく。
この人の作品、ミステリって言うよりホラー。
人って、怖いね。
岸田さんの作品で以前読んだものは、「天使の眠り」
この時も、読んでいる途中で展開が見えた。
しかも、あれあれ?って思ったので、物足りなかったのだけれど、
本作品は前回よりも好み。
☆3/5