コロナでリスク拡大
2020/7/21 19:00
政府は21日のサイバーセキュリティ戦略本部で、行政機関や企業がとるべきサイバー対策の年次計画を決めた。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が進み、サイバー攻撃を受けるリスクが高まった。クラウドサービスを利用する際は安全対策を徹底し、情報流出を防ぐよう求めた。
新型コロナを機にデジタル技術の活用が広がり、在宅勤務など新しい生活様式への移行が進む。新計画「サイバーセキュリティ2020」はインターネット利用が増え、サイバー攻撃の脅威が高まったと指摘した。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とサイバー対策を一体的に進めるよう促した。
官民に浸透するクラウドサービスは「自組織の管理の範囲外のネットワーク利用が前提となる」と情報流出のリスクに懸念を示した。「通信データ自体の暗号化による保護などの利用実態を踏まえた対策も重要になる」と記した。
通信機器から情報が漏れたり、システムが止まったりする「サプライチェーン・リスク」を警告した。「実空間や経済社会にこれまで以上に広く波及し、甚大な悪影響を及ぼす恐れがある」と提起。自社だけでなく調達先や取引先の安全対策も徹底させるよう求めた。
政府は18年12月、安全保障上のリスクがある通信機器を調達しないと全省庁が申し合わせた。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が今年3月までに各府省庁にリスクに関して助言した回数は1952件。このうち83件で「懸念が払拭できない」として機器の交換などを要請した。
国境を越えるサイバー攻撃に備え、政府は米国や欧州、東南アジア諸国連合(ASEAN)に情報共有を広げる。菅義偉官房長官は「サイバー攻撃に迅速、的確に対応するには諸外国との緊密な連携が不可欠」と話す。
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出典:日経新聞電子版
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