2017/3/30 7:58 FISCO 【日経新聞1面】英国のEU離脱通知で当面は英国進出企業の動向など焦点に
英国のEU離脱通知で当面は英国進出企業の動向など焦点に~英、EU離脱通知、2年の交渉始動英国のメイ首相はEUに離脱を通知したと報じられている。これにより、離脱条件などを決める原則2年間の交渉が始まることになる。英国は2019年3月にも離脱、EU加盟国の離脱は初めてのこととなる。欧州統合には打撃となり、交渉の行方は世界の政治・経済にも大きな影響を与えることになる。 英国の国内生産はEU全体の16%を占め、ドイツに続く2番目の規模となっている。国連安保理事会の常任理事国やNATO加盟国として安全保障面でも存在感は大きい。EUとしては反EUの動きが広がることを警戒する形となる。一方、英国でも離脱交渉の長期化で経済への不透明感が強まる恐れがあるほか、英国への投資鈍化といった影響も警戒されることになる。 離脱交渉においては、英国はこれまで加盟国として受けてきた恩恵をなすべく温存したいと考えるが、EUとしては「いいとこ取りは許さない」構えであろう。足元で英国はポンド安の恩恵を受けてきたが、今後は交渉次第で関税によるマイナスの影響を避けられなくなる。また、EUと英国の輸出入では、EUの輸出増加となっており、EUのマイナス影響はより大きくなる可能性もある。 別の観点では、足元では世界的にポピュリズムの勢いはやや後退している印象であり、英国の離脱通知が反EU勢力の拡大につながる状況ではなかろう。一方、スコットランドや北アイルランドではEU残留派の勢いが増していることで、英国解体への懸念は強まる方向となっているもよう。 当面は英国進出企業の動向が焦点となる。現在は総じて様子見となっていようが、英国撤退の動きが今後どのタイミングで広がっていくのか、それに対応するための大幅な法人税減税が実施されるのかなど。なお、今回の流れは想定線と考えられ、株式市場における新たなインパクトにはならないとみられる。
関連銘柄 3件
・三井不動産(8801)東証1部
英国で不動産開発
オフィスビル事業、住宅事業、商業施設事業など不動産事業を展開。分譲事業や投資家向け物件が好調。空室率の改善やオフィス賃料引き上げで、17.3期はオフィス稼働率、商業施設とも堅調で最高益へ。売却益計上。 記:2017/02/28
英国で不動産開発
オフィスビル事業、住宅事業、商業施設事業など不動産事業を展開。分譲事業や投資家向け物件が好調。空室率の改善やオフィス賃料引き上げで、17.3期はオフィス稼働率、商業施設とも堅調で最高益へ。売却益計上。 記:2017/02/28
・日産自動車(7201)東証1部
英国で自動車工場
自動車大手で仏ルノーと資本業務提携。昨年10月に三菱自動車に出資で筆頭株主に。17.3期3Qは国内販売の不振を米国、中国、西欧の伸びで補う。円高が逆風も継続的なコスト管理徹底などで通期計画達成目指す。 記:2017/02/28
英国で自動車工場
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・日立製作所(6501)東証1部
鉄道車両工場保有
情報・通信・電力システムなど手掛ける総合電機メーカー。情報・通信、インフラシステムが堅調。中国の景気減速で建設機械が落ち込んだが、情報通信や産業システムは堅調。ウラン開発等から撤退。構造改革が進む。 記:2017/02/28
鉄道車両工場保有
情報・通信・電力システムなど手掛ける総合電機メーカー。情報・通信、インフラシステムが堅調。中国の景気減速で建設機械が落ち込んだが、情報通信や産業システムは堅調。ウラン開発等から撤退。構造改革が進む。 記:2017/02/28