認知症を振り返る14 | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

お義母さまがとりあえずタクシーに乗っている間に、アタシは携帯で旦那に連絡した。

アタシも怒っていた。
お義母さまに近づかない旦那に。
お金の手配をアタシにさせる旦那に。
なすすべのない、
自分で調べたり計画を立てたりしない、
認知症の親にうまく関われない旦那に、イライラしていた。

早く迎えに来て!と、旦那と一悶着した。

そんなことをしているうちに、タクシーは駅前でお義母さまを降ろしてしまった。

アタシと旦那が駅前に着くと、タクシーの運転手さんが、済まなそうに、
お義母さん、降りてどこかへ行ってしまったんだよ…と。

五分ほど、旦那と手分けして探したら、駅員に絡んでいるお義母さまを発見した。
駅員に、○×△◽︎βθΣ!
またワケがわからない話をして、怒っている。
駅員が呼んだ警察官もやって来た。

警察官の若いお兄ちゃんも、お義母さまをなだめ、家に帰ろう、と言ってくれるのだが、お義母さまは寝転がって手足をバタバタさせて、○×△◽︎βθΣ!
騒いでいる。
はぁ。

アタシはお義姉さんに教えてもらっていた、認知症患者を受け入れてくれる病院に電話した。
今すぐ、緊急入院は出来ますか?
土曜日は休診だそうだ。
あかんわ。

地域包括支援センターにも電話した。
警察は事故、事件ではないと、パトカーで保護はしてくれないんだそうだ。
救急車は、意識のある人は、本人の同意がなければ、乗せてくれないって。
(黄色い救急車、って聞いたことあるんだけどな。精神病院の、救急車。あれは伝説?)

アタシや旦那が近づくと、お義母さまはわーぎゃー騒ぐ。
どうすりゃいいのよ?

そこへ、本当に偶然に、大学から自宅へ帰ってきた息子が通りかかった。

息子はお義母さまに近づき、自販機で今さっき買ったジュースをお義母さまに飲ませながら、ゆっくり話を聞いていた。
20分ほどそうしていたろうか、
息子はお義母さまの手を引いて、我が家へと帰って行った。
アタシと旦那は、疲れきって、30メートルほど離れて、2人の後ろ姿を見ながら、後を追って帰った。

お義母さまがフラフラと出て行ってから、3時間はたっていた。