認知症を振り返る12 | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

お義母さまは、ご機嫌の良い時が3割、あとは不穏、だった。
認知症患者に、慣れない環境に馴染め、と言うのは無理があるんだろう。

あとは便秘。
お義母さまは、我が家に来て、食生活が変わったので、便秘になったようだ。
便秘をあなどってはいけないようだ。
お腹がスッキリしないと、たぶん不穏の原因になるのではないかと、今にして、アタシは思う。
いろんな介護ブログでも、そんなことを言っていたなぁ。



地域包括支援センターから、ケアマネと、担当者と、
介護用品のサービス業者がやってきた。
腰の痛いお義母さまのために、まずは四点杖なるものをレンタルした。

地域包括支援センターの担当者は若いお兄ちゃん。
30前後の、ひょろっとした男性。
ケアマネ は35くらいかなあ、やり手の女性に見えたよ。

お義母さまは杖の業者には、はいはいと機嫌よく答え、あっさりと契約が済んで、新品の黒い4点杖を置いて帰っていただいた。

ケアマネ と担当者がお義母さまに話しかけた。
あかん。
ケアマネ の女性のこと、嫌ってる。
お義母さまはだんだんと不機嫌になった。
ケアマネ に向かって、
あんた笑ったでしょ、あんたイヤな人やね、
あんたはエエ人(担当者の若いお兄ちゃん)やけど、と絡み出した。
もうこれはお義母さまが暴れ出す前に帰っていただくか。
アタシは自分で家のチャイムを押して、お客様が来たから、と、お義母さまに言って、
このお二人に帰っていただいた。
外でお二人を見送って、また何かありましたら連絡しますね、ありがとうございました、と言っておいた。
認知症って人の好き嫌いだけで、不穏になるものなんだな。

アタシはタバコを吸うお義母さまを1人にするのはちょっと怖かったが、
一緒にいても、不穏になるのだもの、なるべく外出しようと思った。

そして、当座のお金は、奈良へ行って、お義母さまの普通預金から、下ろしてこねばならぬ。
やるか。泥棒まがいだけれど。
旦那は簡単に仕事を休めないんだから。
アタシがするしかないのか。

アタシは何かと耐性がついてきつつあった。
厚かましくなる。
お義母さまの言動に動揺しない。

それでもアタシはドキドキしながら、お義母さまのお金を勝手に引き出した。