認知症を振り返る11 | 奥歯にものは挟まずに

奥歯にものは挟まずに

認知症の義母をきっかけに、ふざけたブログを書き出して、
義母を見送りました。
イケてて笑える(笑われる)ババアを目指して、日々の暮らしを綴ります。

月曜の朝、お義母さまには出かけてくるね、と留守番をさせ、アタシは本人不在オッケーの、脳神経外科に行った。
医師は、この人は誰の言うことも聞かないでしょう、とお義母さまのことを評していた。
抑肝散を毎食後飲ませてください、で終わった。

近所の地域包括支援センターでは、相談員の人に、我が家の暮らしぶりからお義姉さんのこと、お義母さまの様子、かなりしゃべった。
成年後見人制度なども相談したが、許可が下りるまで、3ヶ月はかかるし、費用もかかる。
ウチに貯金はない。(大学生二人に、全てのお金をつぎ込みました。旦那は数年前から非正規雇用労働者で、収入減だったのです。)
これはお義母さまの普通預金から、勝手に引き出すしかないか。


まだ介護認定は出ていなかったが、これから紹介してくれるケアマネ と、介護用品の業者(お義母さまはずっと腰を痛がっていた。)と、担当の相談員とで、我が家にお義母さまの様子を見に来て下さることになった。

アタシが自宅に帰ると、お義母さまはまずまず普通。
アタシは昼御飯を出したり、お義母さまにも昼寝を勧めたりした。

お義母さまはこの日は普通だった。
ただ、大事なものポーチを、また取られるんじゃないかと、警戒していた。



次の朝、お義母さまは起きてくるなり不穏だった。
ぶすっとしながら、朝食を食べている。
アタシが洋梨を剥くために出した果物ナイフを見ていた。

よく覚えていないけど、何かがきっかけで、お義母さまはスイッチが入った。
我が家のはきだし窓をあけて、
誰か助けてぇ~、とさけぶ。
息子に、嫁に、命を狙われていますぅ~。

ちょっと可笑しいw
でも笑ってはいられない。
通りかかる人や、隣近所に恥ずかしい。
お義母さま、やめてくれないかなぁ、
アタシは冷静に止めたつもりだが、
お義母さまはだんだんとヒートアップしてしまった。

いやぁ、あんた、この包丁で私を刺す気やろ!
だれかー!
だれかー!

警察や、警察に電話して!
(お義母さまは我が家の電話はかけられない。)

嫁(アタシ)に、杖代わりのクイックルワイパーで殴りかかってくる。

うぇぇん、アタシ意地悪してないのに、このババア、やっぱりキチガイだよぅ。

アタシは仕方なく警察に電話をかけた。
お義母さまは電話口で、刺されそうなんや!と騒いだ。
近所の交番から巡査がすっ飛んで来た。
お義母さまの様子を見て、
アタシがこそっと認知症です、と言ったことで、
巡査はとっとと帰った。
お義母さまは巡査に、
奈良から来た、
嫁が、息子が、○×△◻︎✳︎∞、まあ意味不明なことを、一生懸命しゃべったんだけども。

キィーっとなったお義母さまは、アタシに何度も110番させた。
番号をアタシが押して、受話器をお義母さまに渡すのだが、7回目くらいで、向こうから電話を切ってくれるようになったよ。

アタシは何度もクイックルワイパーで攻撃されたw
除けれるし、真剣白羽取りくらいはできるさw
なんたって83だから、動きは俊敏ではないもんね。

そのような日が何日か続いた。
お義母さまの様子を聞いてくれたお義姉さん、お義母さまの実姉のMおばさん、
みんな施設に入れなさい、と言ってくれた。
が、お金もないし、そんな急にはどうこうできませんでしたねぇ。