Root Film (ルートフィルム PS4)感想 | 僕とPSな日々

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ゲームなどの感想
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大まかな感想

大作ではないけれど、まとまっていて、

よく練られた仕掛けもあって、最後にホロリと泣ける、

非常に良いミステリーADVだった。

ミステリーADV好きな方にはオススメだ。

ボリューム的には週末に集中してやればクリアできるような分量だった。

 

※ 以下、ネタバレはしてませんが、未プレイの方で、先入観なしの状態からプレイしたいのであれば、読まずにプレイすることをおすすめします。

 

ゲームシステム

システムはマップを移動して誰かと話することでフラグを立てて話を進めて行く、という意味では昔ながらのオーソドックスなADVだ。

とは言っても、各地点での選択肢は少ないので、効率を考えなければフラグが立ったかどうかはほとんど気にせずに進めることができる。

 

推理パート

特徴的なのは、途中で「共感覚」なる能力でキーワードを拾っていって、推理パートで犯人などとの議論の応酬で突きつける、というシステムだ。

 

このゲームのディレクターは、「御神楽少女探偵団」と同じらしいのだけど、プレイしていて、最初に連想したのが「推理トリガー」だったので、ああ確かに似ているなあと思った。

ちなみに共感覚を拾うこと自体が話を進めるフラグになっているので取り逃がしの心配はない。

 

推理の難易度

難易度はあまり高くない。

討論相手にむしろ負けるのが難しいくらい、というレベル。

もうちょっと難しくても良かったかなと思う反面、この手のゲームで難しくしようとすると、「なぜあの選択肢が正解で、この選択肢は駄目なのか」というような理不尽さが目につくようになりがちなので、このくらいでちょうどいいのかもしれない。

 

推理すること自体が結構楽しい

「共感覚」で、キーワードが拾われていくので(といっても誤答用のフェイクも混じっているのだけど)、それを見て、自分なりに推理しながら進めていく方が楽しいと思う。

 

推理しきれなくても、主人公たちの推理と合わせて、キーワードを埋めて、足りなかった部分を答え合わせしていくのも楽しい。

 

ビジュアル

立ち絵の大きさ、向き、体勢などのビジュアルの種類が豊富で、各シーンでそのシーンにふさわしい距離感やアングルなどが表現されていて、非常に素晴らしいと思った。

特にキャラクターが場面に応じて、正面だけでなく、横や後ろや斜め後ろを向いているのが自然で、とても好印象を受けた。

バストアップが少ないのも良い。

 

テキストアドベンチャーゲームにありがちな、2人くらいの人物がどのシーンでも正面か斜めくらいの角度でいつも同じ距離感で画面に向かって話している、あの不自然さを解消しようとしているのが何より良いと思った。

 

そのおかげで、毎シーンが、きちんと工夫された構図になっていて、それを見ることがまた、楽しかった。多分、絵を描く人は大変なんだろうけど、この手法がスタンダードになってくれたら嬉しい。

 

キャラクター

一番のお気に入りは曲(まがり)愛音だ。

ビジュアルも可愛いし、話し方も可愛いし、

とにかくかわいい。

キャラクターも良い。

元ヤン(多分)でありながら、仕事がデキる女である。

しっかりしていて実務能力が高く、交渉力もあり、その上

情に厚いところがとても気に入ってしまった。

4話で炸裂する曲パンチは、笑ってしまった。

まさに愛情のこもったパンチだと思う。あれは。

 

「曲メモ」を書き留めるシーンもかわいい。

あと、車の中で脚を組んでPC作業している姿がとてもセクシーだった。

 

このゲームは「曲がかわいいゲームだった」といっても言い過ぎではない。

 

 

主人公・八雲凛太朗も良い。

クライマックスシーンの熱さが良かった。

気持ちのこもった良いセリフだったと思う。

主人公はこうでなくては、という感じだった。

 

あとは、終盤に好感度が急上昇したのが毛井篠だ。

そこに出てくるのか!という活躍も良かったけど、

彼のような人がいたこと自体が、後で振り返ると非常に良かった。

エンディングで一番左端にいるシーン、あれがすごくいいと思った。

 

他にも好きなキャラクターは沢山いるけど、後は何をいってもネタバレになるのでやめておく。

 

ストーリー

ストーリーについては、ミステリーものなので、あまり突っ込んでは書かないが、

ミステリー好きなら、楽しめると思う。

序盤からしっかり仕掛けられていて、自分はその仕掛けにはすぐに気づいてしまったけど、

どういう風に本筋が進むのか、わくわくして楽しめた。

 

ラストは、ちゃんと伏線は貼ってあった

(敢えて同じ境遇の人間を選んだのかと思うと、黒幕の人物は本当に許しがたい。)

のだけど、思わぬ急展開で、目が離せなかった。

エンディングは、感動して、涙無くしては見られなかった。

 

最後のカットが出会いのあのシーンに繋がってくるわけで、

ああそういう意味だったのかと理解すると同時に、また、泣けてしまった。

 

島根県の観光に興味が湧く。

また、今はこんなご時世で、すぐにGO TOするのは控えざるを得ないけど、すこし落ち着いたら紹介されたスポットを巡りたいと思った。特に津和野とかのんびり歩き回って写真など撮りたい。

それまでに島根の観光業界が持ってくれたらいいんだけど。

 

まとめ

推理ゲームとしては手堅い内容で、

ストーリー全体に仕掛けもあって

ビジュアルも工夫が凝らされていて

満足度でいえば、満点だった。

 

続編希望

綺麗に終わっているけど、続編を希望したい。

一回限りの物語構成だと言われたらまあそうなんだろうけど、すっかり気に入ってしまったので、また、同じキャラクターで、新しい話が見たい。

素材やシステムを一回で使い切るというのもコスト的に勿体ないし、その意味で一作くらいは続編が出る可能性もないではないかな、と期待しないではない。

 

プレイ記録・トロフィー

一周目で推理パートはパーフェクト寸前までいったが、一問だけミスしてしまった。

ただ、答えは選びやすく、誘導が良いと思う。

しまねっこは一周目で全部会えた。

 

少しつらいと思ったのが、全ての推理パートで負ける、というトロフィー。

二周目をチャプターセレクトからやってスキップしまくりでも2時間くらいかかる。

好きなシーンだけ拾い読みしたので、実際には3時間近くかかった。

ここで、フラグだけ踏んでささっと進めようとすると、思わぬところでゲームオーバーが連続して、笑ってしまった(八雲の第4話)。

ここは、「してやられた」という感じがして、また、ゲームらしくて良いと思った。

 

ちなみにトロフィー「不思議な出会い」は、第四話のチャプター4で、曲が稲佐の浜に二回行けば条件達成できる。(電話ボックス発見前)

 

ネゴシックスのクイズは、二周目のついでに回収した。答えはさっぱりわからないので、出会ったらセーブ、で対処した。

 

これで35個目のプラチナトロフィーが獲得できた。