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『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

院内感染対策・医療安全職員研修に参加。

今回の研修テーマは,身だしなみ。

学部での研究生活が長かった身にとって,こんなテーマは新鮮に感じる。

患者さんに好まれる身だしなみとは?と,講演者から具体的なポイントが提示される。

かいつまめば,それは清潔・品格・控えめなんだそうだ。

そう言われても,???だ。

清潔は分かるが,「品格」と「控えめ」が分かりにくい。

品格 = 上品なブランド物 ?

控えめ = でしゃばらない ?



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講演で具体例が示されていく中で,看護士さんの服装に話が及ぶ。

看護士さんが冬に羽織るカーディガンは,ライトブルーとピンクのみ。

これは「内規で決まっている」のだそうだ。

それに,ソックスにまで規定がある。

なんか高校卒業以来,久し振りに聞いたなぁ的なる内規だ(が,これって目にしたことは無いってことは看護部の内規?)。

それから身だしなみの話に移るが,その注文は女性スタッフに対してのものが多い。

してはいけないことが多く挙げてあり,たとえばイヤリング,ネックレス,ブレスレット,香水,コロンなどはダメ。

指輪は,感染対策上の理由で,してはいけないコトになっている。

していいことにも,様々な制限がかかっている。

たとえば,化粧(自然な感じか?)とか,髪の色(派手に染めていないか?)とか,ピアス(目立たないか?)とか,マニキュア(濃くないか?)とか,口紅(はみ出していないか?)とか,ヘアクリップ(目立たないか?)とか。

これらがこと細かに列記されている。

へぇ~大変やなこれってでもなんかちょっとどーなの・・・って思う。



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研修後にたまたま逢った後期研修医Sさん(某臨床外科所属)としゃべっていると,先日に自分がカンファにお邪魔した某D科のことに話が及ぶ。

ちなみにD科は3:1ほどで女医が多い。

しかも,気のせいか若手が多い。

なので,自然に雰囲気も華やいだ感じになる。

「それに比べてSさんの科って,D科に比べて華やかさが足らんな」

Sさんの所属科も女性は多めなんだが,D科には敵わないし,ちょっと地味な子が多い。

「そりゃD科には負けますって,あそこは若い子多いしキャピキャピですもん」

Sさんのモノ言いに,対抗意識の芽生えを感じる。

「それにあそこって,み~んな白衣短いって知ってました?」

「そーかな・・・短かったっけ?」

「みんなお尻くらいまでのサイズの白衣,ドクターコートのハーフって言うヤツを着てるんです,あれって1万円もするんですよ」

「高いなぁ」

「それに,その白衣の肩には,自分の名前を刺繍してもらっちゃったりして・・・まぁうちらからすると,ケッて感じですかね」

まぁ確かにケッかなぁ・・・・・



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それでは,病院における身だしなみのポイントとは?

それはつまりは以下の如く。

清潔 → (一部の汚らしい)男性医師の身なりをしっかりするように

品格 → (おしゃれに制限をかけている)内規をしっかり守るように

控えめ → (化粧や白衣の刺繍など)制限が難しいコトは程々に

たぶん,斯くの如く考えればわかりやすいかもしれん。

いっ君の迎えのため,最寄駅にてクルマで待っている。

予定の時間が来たが,電車は来ない。

おそらく雪のために遅れているのだろう。

それにしてもよく降ったなぁ,この雪。

・・・雪は降る・・・あなたは来ない

突然,昔,懐かしい歌が,頭の奥からよみがえる。

・・・雪は降る・・・重い心に

おそらく数年(イヤ,十数年?)来,聴いていないこの歌詞を覚えているのは不思議だ。

・・・雪は降る・・・あなたは来ない

あーこりゃあかん!

・・・雪は降る・・・重い心に

このままやと,「頭の中,リフレイン状態」になってしまう。



いつのまにやら頭の中は,南米・ブエノスアイレスに舞台が移っている。

そして,なぜか知らんが曲調はタンゴ風に変わっている。

 ゆーきーわー ふっるっ!

(っじゃっじゃっ じゃじゃー っじゃっじゃっ じゃじゃー・・・)

 あなたわっ 来ないっ

(っじゃっじゃっ じゃーじゃー じゃっじゃっ じゃじゃー・・・)

 ゆっきっわっ ふるっ 

(っじゃっじゃっ じゃーじゃー じゃっじゃっ・・・)

 おもい こっこーろにっ

 ・・・・・



しばらくすると何の脈絡も無く突然マルコが割り込んできて,「母をたずねて三千里」とクロスしてくる。

 雪は降る さあ 出発だ

 雪は降る 今 陽が昇る

 雪は降る 希望の光

 雪は降る 両手につかみ

 雪は降る ポンチョに夜明け

 雪は降る 風 はらませて

 ・・・・・



突然,「おとーさん,ただいま!」

いっ君が到着し,現実の世界に引き戻される。

「・・・遅かったな,電車,遅れたみたいやな」

と言いながら,実はまだ頭の中にはタンゴのリズムが続いている。

「徐行やねん,アッホみたいに電車ゆっくりやったし」

「まぁしゃーないなぁ・・・ゆーきーわー ふるっ!やからなぁ」



・・・・・久しぶりにこのままマルコと過ごすのもいいかもしれん。


自分の中では年中行事化している,大学入試センター試験の監督業務。

今回は,最後に「あの」リスニングがある第一日目の担当。

ただでさえ気を使いまくって消耗する作業なのに加えて,その中でもっとも緊張する英語のリスニング試験を,問題なる受験生を抱えた状態で監督するということは,まったくもってどーもならん。

コトの詳細は言えないが,監督業務をいつもより慎重かつゆっくりと行ったため,試験室での最終確認が済んだときには,周囲の試験室はすでにモヌケの殻だった。

人影まばらなる廊下を試験場本部に向かってトボトボ歩きながら,ツライ仕事だなって思う。

上手く出来て当り前。

ヘタすれば責められる。

誰に感謝されるワケでもない・・・・・



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試験場本部へ戻った時,すでに集まった関係者一同は皆,諦め顔だった。

「お疲れ様・・・どーでしたか?」
「イヤ心配してましたよ,大変でしたね」
「再開テスト者,出ました?」
「シノ先生たちの教室が一番大変だったらしいですね」

本部に戻るや否や,入試委員あるいは別室担当の先生方からの矢継ぎ早の質問に見舞われる。

自分(=シノ)たちの教室の受験生は某問題を抱えているうえ,何かとお騒がせなるリスニングの試験後に,解答用紙を回収して本部に戻ってくるのが一番遅かった・・・・・とくれば,誰しもが「何か起きたんだな」と思うだろう。

あれこれ訊かれた上,あまりに消耗していて最初はワケが分からなかったが,どうやらみんな,リスニングでトラブって数名の再開テスト対象者でも出たのだろう・・・・・と,自分たちの事を心配してくれてたらしい。

そもそも問題なのは,英語リスニング試験のあり方だ。

それは,会場でICプレーヤーを受験者個人個人に配り,イヤホンでもって英語を聞きとらせて問題を解答させるという,日本ならではの先進的なる試験法・・・と言えば聞こえは良いが,監督者側から見てみれば,日本以外では上手くいくワケがなかろう・・・という見えない地雷を避けるような試験法であり,これが日本全国津々浦々ミスなく執り行われたとしたら,真っ裸で逆立ちして阪神競馬場を一周してやっても良い・・・と言いたくなるほどに薄氷を踏むような試験法なのだ。

考えてもみれば,緊張のあまり落としてICプレーヤーが壊れたり,押すボタンを誤ったり,メモリーを誤って抜いてしまったり・・・・・とトラブルの原因は無数に挙げられる。

それに対する救済のため(ある条件下における)再開テストが認められているし,試験時間の確保のため試験室単位での開始時間の繰り下げも認められているが,その救済措置は時々あたかも誰かが悪かったかのようにマスコミ報道されている。



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「イエ・・・,リスニング再開者はゼロでした」

そう本部の先生たちに伝えたところ,それまでの沈んだ心配顔が一気にヒマワリのように明るくなる。

「えっ?,そーでしたか」
「いやーよかったよかった」
「はーこれですぐに帰れるな」
「何遍やっても,疲れるワ」

そして,最終確認が取れた本部長先生が,マイクで皆に公式発表する。

「お疲れ様でした,今回は我々の担当会場におけるリスニング試験再開者はゼロでした。これも,監督者のみなさんの御尽力のおかげです。どうもありがとうございました」

すると,オーっと言う安堵の声とともに,自然発生的に拍手が起こる。

ちょうど,劣勢が伝えられた選挙戦で,意外なる善戦が選挙事務所に伝えられた直後のように。

ちょっとトラブルを抱えて空港上空を旋回していた飛行機が,ようやく空港へ着陸できた直後のように。

単純な話,皆,試験監督という与えられた仕事を懸命にこなそうとした。

それが首尾よく良い仕事ができた。

疲れたけれど充実していた。

それだけのことだ。

それ以上でも以下でもない。



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そうして解散になり,家路に急ぐ。

消耗してるハズなのに,なぜかその足取りは軽やかだ。

「はぁ~何も無くってよかったっすね」

「今年はなんか起こるような気がしてましたけどね」

「再開テストなんかで,さらに拘束されるなんて,かなわんっすからね」

自然と本音も漏れ出てくる。

そんな開放され満ち足りた雰囲気の中,さっきまで自分を悩ませた自問自答は,いつの間にか消えうせている。

それらに取って代わって,少しずつ元気が自分にも戻っている。

さぁ,明日からもがんばろうか。


▼ 「ちょっと,スミマセン!」

朝の大学病院駐車場。

急ぎ足な自分を引き止めるような,少し硬質な声が背後からかかる。

「オレかな?」とその声に振り向くが,自分に用では無いらしい。

自分の前を歩いている女性職員さんを,とある女性が呼び止めている。

声がかかった前を行く女性職員さんは,あきらめたかのように呼び止めた女性の方へ後戻りしていく。

その声音はトラブルの予感。

たぶん何かが起こったに違いない。



▼ 「さっき,クルマ傷ついたんですけど・・・」

そのようなことを,某女性が女性職員さんにクレームする。

そうして,二人してその傷を確認している。

どうやら,その某女性のクルマと後戻りした女性職員さんのクルマとは隣り同士に駐車してあり,ドアの開閉時にトラブルが発生した模様。

女性職員さんが開けたクルマのドアが,隣りの某女性のクルマにコツンってぶつかってしまい,そのためにクルマに少し傷がついてしまったようだ。



▼ こんなことって,よくあるなぁ~・・・

自分も,「当て逃げ」したことがある。

やはり,ドアの開閉時に隣りのクルマにコツンとやってしまい,あちゃーって思って自分の指できれいに「応急処置」したことがある。

幸い?なことに指で擦ると分からなくなったし,運が良い?ことに隣りのクルマのヒトには見られていないし・・・ってことで,事無きを得ている。

今回のケースは,ぶつけられたクルマのオーナーである某女性が,意図せず犯行を遂げてしまった女性職員さんを現行犯逮捕した・・・・・ということ。

加害者のやり口が悪質だったのか,被害者がtoo sensitiveだったのか,そのディテールはわからないので余計なことは言いたくない。

がしかし,まぁお気の毒に・・・というか,せっかくの気持ちいい朝やのに・・・という気がしないでもない。

ヒトの持ち物を傷つけるのは良くないが,こんな「事故」はある程度を許容範囲にしないとしょーがないんじゃない?という気がしないでもない。

大学病院駐車場のような場においても,「○○月△△日の午前8時ころ,黒い犯行車による白いプリウスへのコツン事故を目撃された方は,内腺○□△Xまでご連絡ください」などという看板が立ちそうな世の中になってしまったのか・・・という気がしないでもない。



▼ サンプル動画です・・・

これが良いってワケじゃないけど,たかがクルマじゃないか,こんなんありかも・・・・・っていう,大らかな気持ちでお楽しみください!






そこに着いたのは,夜の7時過ぎ。

約束の時間から2時間ほどの遅刻だ。

先程の彼女からの電話の折,ちょっと遅れることは伝えてある。

とは言え,その時,彼女はちょっと戸惑ったようだった。

「仕事なんだ・・・・・」

「・・・じゃあ,何時くらいになりそうです?」

そう尋ねる彼女の電話の声は,すぐにいつもの明るさを取り戻していた。

―― これが初めての不義理かな

ふとそんなことを思いつつ,こちらに向かうクルマではいくつかの黄信号を無視し,駐車場では荒々しくクルマを止め,駐車スペースからのクルマのはみ出しにも気付かぬフリをして,駆けつける。

これ以上,彼女を待たすワケにはいかない・・・・・



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部屋に入ると,待ち構えていたように彼女は立ちあがる。

「お待ちしてました・・・」

そう言いながら彼女は笑いかける。

「遅くなって待たせたね,ごめんごめん」

緊急に入った仕事の件を,ちゃんと説明すべきだろうか?

「イエイエ」とかぶりを振る彼女。

そんな彼女を見ていると,良きも悪しきも何もかもが受容されているような気になる。

「先程はお電話してすみません・・・・・お仕事中に」

「ああ・・・いいよ」

何気ない会話の中に,さり気ない彼女の心遣いを感じる。

「いつものでいいですか?」と,彼女は飲み物の準備に向かう。

「うん,ありがとう」

いつものように暖かな気持ちにしてくれる彼女。

そして,いつものアイスミルクティーがやってくる・・・・・



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彼女とは,昨年に知り合ったばかり。

以来,二人はうまくやっていると思う。

たった一週間に一度の逢瀬。

ただ逢って別れ,そしてまた逢って別れる・・・・・

その繰り返し。

たったそれだけのことに,二人して,どれだけ心を砕いただろう。

そんな中,二人の間に会話が生まれてきたのは,ようやく最近のことだ。



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2時間半後。

一仕事を終えた二人は語り合う。

「お疲れ様でした」

「今日はスゴク難しかったね」

「私,なにかうまくできなかったコト,ありませんか?」

「イヤ,よくできてたよ・・・・・もう帰らなきゃ」

そう言って,気だるい疲労感の中,重そうな体を引きずるように立ち上がる。

「あっハイ」

つられて彼女も立ち上がる。

「あの~・・・・・なんでもいいから言ってください,私,改めますから」と心配そうに言い出す彼女。

「今日は良かったよ」・・・何もかも大丈夫だ。

「あーよかった」

心配顔が明るい微笑みに変わる。

「じゃあ,今度はいつも通りで?」と,またもや伏し目がちに尋ねる彼女。

「うん,いつものように水曜に来れると思うよ」

彼女の表情は,まるで初冬の流れる雲間から顔を出したり引っ込めたりする太陽のよう。

「じゃあ,水曜のいつもの時間にお待ちしてます」

「じゃあ,水曜に」



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そう言って自分は,配属になって間もない病理技師♀さんの薄切と染色具合を評価して,超過勤務をさせてしまった失態を詫びつつ,外勤先の病院の病理検査室を後にしたのであった・・・・・ ラ ファン。