『しのゼミ』 -35ページ目

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

久し振りに更新しようとするが,何書いて良いのやら悩む。

最近は年度末の雑事とか人事のゴタゴタに加えて,仕事での人間関係のほつれが起こり殺伐暗澹たる精神状態に陥っていた。

それにしても,いつになっても人間関係の処理には悩む。

人間である以上,これからは逃れることはできない。

まぁとりあえずはどん底からは回復したようだ。

それにしても,継続してきたブログが一時的にでも途絶えると元に戻すのが大変だ。

面倒くさくなる。

勘が鈍る。

そしてどーでも良くなる。

そんなネカティブ・スパイラルな心境。

塞いでいてもしょうがないので,また地道に続けていこうと思っている。



人間関係の話はさておき,人事のゴタゴタについて。

故あって,我が病理部に技師さんが一名増員になった。

この不景気の世に増員かよ・・・とお叱りを受けるかもしれん。

まぁ決して減ることのない病理の仕事量に加えて,ホルマリン管理の仕事も上積みされて,とうとう現場的にはち切れた・・・というようなあらまし。

病院経営会議の場でも,「まぁ病理も大変でしょうから・・・」となり,なんとか増員にこぎ着けたまでは良かったんだが。

じゃあ誰が来るの?という段階になって,こちらとしては新品の新人さんが来るものとばかり思っていたが,その気配がない。

必要ならいつでも面接しますよとスタンバっていた自分。

しかし,それがBさんに決まったと風の噂を耳にする。

Bさんというのは,この大学病院検査部の技師さん。

この春で定年退職が決まっている。

以前に病理技師歴あり。

なんで今更Bさんやねん?

ちょっと待てよ・・・と話が迷走し始める。



定年後のボケ防止を兼ねて, 60歳定年者より集う再雇用を希望したBさん。

このお国の施策であるところの「定年退職者再雇用促進事業」。

高齢化社会を迎えて,働く意欲のある退職者の再雇用を促進することで,高齢者に「働く機会」と「生き甲斐」を提供するという政策。

総論的には素晴らしい。

っで,ヒトが欲しい病理部と,もっと働きたい元病理技師と,お国の推進事業があって,これらをごちゃ混ぜにしてシェイクしたら,誰もが想像できるようにBさん→病理へという結論になる。

これはベスト・マッチング!

模範的なケースにも見える。

しかしそれはそのなんちゅーかそれ,やはりいいことばかりではないワケであって。

そもそも検査部幹部として取り仕切って来たヒトを,ぺーぺーの平(ヒラ)技師として再雇用しようというんだからちょっとムリがある。

やりにくくってしょうがない,お互いに。

そこから更に話がもつれることになる。



Bさん本人から「病理で(働け)と言うのなら,もう少し考えさせてくれ」と間接的な断り?とも取れる発言があり,すると現場では「Bさんが病理に来たら,正直,仕事しにくいです」と本音トークが相次ぐ。

話が拗れてどーもならんので「こんな状態でもこの人事でいくんですか?」と事務長さんに直訴に出向くも,「今から新人技師一人採用はムリなので,何とか次年度はこれで我慢してくれ」と何ともつれないご返事。

迷走してもつれて,紛糾しかかって,結局は妥協して・・・・・

っということで,Bさんを仲間に加えることになった病理部。

「Bさんとともにがんばろー」という自分のペップトークも心なしか空しく響く。

どうなることやら・・・・・




ちょっと前まで外勤としてお世話になっていた某市中病院。

事情があってまたお世話になることになった。

仕事としては,以前と同じでこの病院の病理検体の診断業務。

昨年の3月の時点では,忙しすぎてとてもやってられないと思って辞めさせてもらった仕事。

それがちょうど一年後には「まぁ何とかしましょうか・・・」となっている。

たった一年で変われば変わるもんだが,確かに最近は自分に精神的な余裕が出てきているようだ。

これは,自分が成長したのか?

はたまた,一緒に仕事する後輩のアミ先生の成長と見るべきか?

どっちにしろ,ヒトは置かれた状況に何とか適応しようとするもんだ。



この病院には病理技師のノコさんがいる。

病理検査室の仕事全般を一人で切り盛りする彼女。

薄切好きの頑張り屋。

手術後に休憩がてら立ち寄る外科医を癒やすのも彼女の仕事。

さしずめ,外科医の休憩サロン「ノコの部屋」チーママ。

そんな彼女は,昨年の細胞診スクリーナー試験の一次を突破するも,二次の壁に跳ね返された。

今年こそは合格をとメッチャ張り切っている。

また一緒に働くことになり,試験対策などの面でもサポートできるかもしれん。

楽しみだ。



さて約1年ぶりに訪れたこの某病院は,見た目なにも変わっていない。

しかしノコさん曰く,複数の科のドクターが少なくなったそうだ。

増員なんて景気のいい科などナッシング。

たとえば5人常勤のいた某科は,今や3人常勤・1人非常勤に変わっている。

肝心の外科も,昨年に比べて1人減。

どこもほとんど余裕がない状態だ。



しかしこんな状況でも,何とか穴を埋めようと頑張ってしまうのもヒトの性だ。

つまりは置かれた状況に無理やり適応しようとするもんだが,こうなるとやっぱ良くない面もある。

まずは,このムリな適応によって,精神的なストレスが蓄積される。

それに,数字の上では減員分が補てんされているので,現場を知らない一部のヒトによって,「な~んや,やればできるやん」と判断されてしまう。

それらの積み重なりが,いま当に地方の中小規模病院で起こっているように思う。

一体どれくらい減らされたら潰れてしまうのか・・・・・

こんなまるで人体実験のような状況が繰り広げられている。

生身の田舎のドクターを使っての,どこまで耐えられるかという耐久実験。

大きく見れば,この過渡期に中小規模病院が篩にかけられている,つまりは適応を迫られているとも言えるかもしれん。

いろいろ適応していかないと,生き残れない時代。

しかしここまで余裕を絞り取って,ホントにいいんだろうか・・・・・?





ザ外科医のW先生の手術日。

当たり前のように術中迅速の予約が入っている。

しかも提出予定時間は12:30。

まるで昼ごはんなんてのんびりと食ってんじゃねえよと言わんばかりの時間設定。

おまけに出てくる予定の組織は,何だかわからない腫瘍の一部。

けっこう難しそうだ。



ところでW先生の使う手術室は,いつもB室と決まっている。

なぜかと言われても・・・・・これはわからない。

全部で手術室は10室以上あるので,そこじゃないとやりにくい理由があるかもしれん。

しかしえーとそれはそれとしてそもそもそのなんだそれ・・・・・

なんでBやねん?

発音してみたらわかるが,BってDやEやGに似ていてそっくりだ。

「びぃー」と「でぃー」って,気抜いてたら絶対に聞き間違えるやん?

だいたい,なんでアルファベットやねん?

わざわざ使う必要性無いっちゅーねん!

単純に数字で,第一手術室・第二手術室・第三手術室・・・で十分やん。

それが嫌なら,手術室「桜の間」「梅の間」「竹の間」・・・とか,手術室「山」「川」「空」・・・ってのもなかなかジャパネスクでええと思うし。

根本はネーミングに問題アリだ。

間違えやすい!



この「びぃー室」を電話などで伝えあうのはとても危険だ。

少なくない確率で聞き間違える可能性がある,人間だもの。

今までにも実際に聞き間違えミスがおきたことがある。

それもこの肝心な対W先生の術中迅速という場面において。

術中迅速の提出を知らせる電話を受けた秘書さん。

「手術室はB」を「手術室はE」と初歩的な聞き間違えをした。

術中迅速の結果を知らせる段階になって,あれ?今日は何でE室なんやろ・・・と思いつつ,そのままE室に連絡をした自分。

すると,「えっ・・・?うちじゃないですけど・・・どちらへおかけです?」って看護師さんに冷たくあしらわれる始末。

もちろん,連絡時に部屋名とともに患者名なども確認するため大事には至らないが。

なんとかならんもんか・・・・・



結局は「第一手術室」「第二手術室」・・・っていうのが一番ありきたりで,一番笑えなくって,一番間違いが少なくって,一番無難なんだろう。

思い切って部屋名変更といきたいが,そうするには電話帳から掲示物・案内表示の類ぜんぶの書き換えという手間がいるらしい。

じゃあ,こうしたらどうか?

この手術室「A・B・C・・・」をドイツ語読みする。

手術室「あー」「べー」「つぇー」「でー」「えー」「えふ」「げー」「はー」「いー」「よっと」・・・

こうすれば聞き間違いはけっこう防止できそうだ。ナルホド!

なかなかの名案。

けれどもそれは「よっとですか?」とか「いいえ,げーですよ」とか,まるで船酔いの会話になってしまいかねない。

それに「つぇーでよかったでしょうか?」なんて大声で言うのは,慣れないためメッチャ恥ずかしい。



何か妙案はないかなぁ・・・・・



近所のソフトボール・クラブの入会案内が配られている。

シノ家は,長女ちーと次女みーは空手一直線。

長男いっ君は,この4月から中学でバスケをすると言っている。

なので,ちょっと縁が無いかなぁ・・・・・・

昔と違って,今時の子供は皆が皆ソフトボールやら野球をするとは限らない。

自分たちの子供時代,ソフトボール大会などがあると,多くの子らが参加したものだ。

余暇の多様化は,共通体験の喪失につながる。

ちょっと淋しいことかもしれん。



さてその案内には,「当クラブの方針」が示してある。

1.楽しい練習
2.あいさつの指導
3.ハイキングや遠足あり
4.保護者会なし

親や子が喜びそうなことがいろいろ書いてあるのは,まぁよろしい。

無料体験練習実施中!と宣伝してある。

ってことは正規の練習は有料なんだろう。

けれども,その入会料や月謝などお金に関する情報が一切書かれていない。

これってトラブルの元やん・・・って思うが,これも横に置いておく。

その下に,さらにこのクラブのセールスポイントが書いてあるんだが,コーチの紹介欄に・・・・・

〇〇 △△コーチ(45)
市消防局普通救命講習修了
※ 安全対策も万全です

とある。

しかも,講習修了証のコピー付き!

何やねん,それ。



ソフトボールをしていて救命するって,あんまり想像したくはないが・・・・・

しかし考えてみれば,この商魂ってスゴイ。

こんな何が起こっても不思議じゃない時代に,救命することを念頭に置いて準備しています・・・とは恐れ入る。

しかもそれを売り物にしており,それによって親として安心に感じてしまう。

・・・スゴイ時代になったもんだ。





複数の科のヒトが寄り集まっての病院内カンファにて。

参加者の中に,背広姿の見慣れない紳士が一人いる。

風情からは齢50をとうに過ぎているようで,かなりの風格がある。

学究肌とかカリスマとは少し違う。

一つの道を追い求め,それに誇りを持つような職人肌的感じがある。

外科の教授先生をはじめ,外科系のドクターたちはその紳士にペコペコだ。

はは~ん・・・あれがO先生か・・・



ちょっと前に,外科医で開業中・ラン先生との世間話で。

以前ランが勤めていた某国立病院での上司である外科部長先生が,故あって職を辞し生まれ故郷のこちらの方に帰ってきているとのこと。

その外科部長先生,メスを揮った数はその地区の外科医でNo.1.

とにかく手術手術の連続。

ヒマがあったら手術しているような先生らしい。

カレンダーは,予定されている手術でビッシリと埋まっている。

たまに予定が空白になっている日があるが,それは休暇ではありえない。

予定空白日は学会日(もしくは研究会日)と決まっている。

学会に参加したらしたで,その先生の専門分野の発表は必ず聞きに行く。

そして発表後には質問攻め。

手術好き,学会好き,頑固,負けず嫌い・・・

そんな「外科職人」のような先生。

「どうやらこれからは,大学病院のカンファにも参加するって噂らしいやん」とニヤニヤしてランが言う。

「あっそう」と自分。

「病理にも詳しいからなぁ,あの先生」

「ふぅ~ん」

「まぁ厳しい突っ込みがあるかもしれんけど・・・がんばりや」

・・・その外科部長先生というのがO先生。



隣の若手外科医を捕まえて聞いてみる。

「あれって,噂のO先生?」

「えっ?・・・そうっすけど・・・よくご存知で」

「O先生って・・・こわい?」

「えっ?・・・よくご存知で・・・病理の世界でも有名なんですか?O先生って」

「そういうわけじゃないけど・・・」

「とにかく厳しい先生なんで,こんな院内カンファでも油断できません」

「こんなカンファでも?」

「そうです。前もっての予習っていうか予行が大事です」

「予習って・・・大変やなぁ」

「ヘンなことを言ってしまうと,メッチャ厳しく突っ込まれますから・・・」



非常に引きしまった感じの院内カンファが始まる。

普段よりもちょっとばかし積極的な発言や質問が目立つ。

とうのO先生の発言は少ない。

しかし問われれば的確な意見を述べる。

「動かざること,山の如し」という感じだ。

今回は病理所見を提示するチャンスはなし。

ホッとする反面,少し残念でもある。

次回は病理を提示しなければいけないが,どうなることやら。