助講会という組織がある。
助教授(今は准教授と言う)と講師という身分の人達の集う会。
実際には集まって何するわけでもない。
教授会のような政治的パワーもない。
せいぜい情報交換や実務円滑化に益がある程度か?
なので,そんなに盛り上がっているとは言えないというか,はっきり言えば形骸化している。
しかし,特に大学病院においては実質的に診療・実務の大半をこなしている層とも言える。
この会の人脈は,毎日の仕事のしやすさにつながる。
なので,実務的には重要だ。
その助講会の忘年会があって参加した。
ここ数年は,忘年会はおろか毎月の定例会にも顔を出したことはない。
久し振りに気が向いて参加してみたが,出席者は30人程度。
会は総勢100名ほどと思われるので,出席率は3割程度か?
まぁこんなもんだろう。
出席者は臨床系(病院主体)の先生が大半で,基礎系(研究主体)の先生は少ない。
やはり臨床系の先生は,この会の実務的な意義を感じているのだろう。
中には,見たことも聞いたこともないヒトが居る。
同じ大学という一つ屋根の下で生活しているわけだが,皆が皆しょっちゅう顔を会わすワケではない。
あんなに狭い場所で仕事しているのに,やっぱ閉鎖的なんやと実感する。
来賓として医学部長先生も参加されている。
一番の上座で挨拶されたのもつかの間,ビール片手に一人ずつ順番にお酌をして廻っている。
「最近どうですか?」とか「あの件ではお世話になりました」とか,感謝と激励の言葉をかけている。
順番になったヒトは,正座し直してかしこまって聞いている。
こんな政治家のような役回りも,学部長の仕事ではある。
いよいよ自分の番。
「いつも病理診断,ありがとうございます」と声をかけて頂く。
「エエ加減な診断ばかりで申し訳ありません」と自分。
医学部長先生の診療領域の病理が特に苦手なのは自覚している。
それを「育てよう」として,大きな視点で見て頂いているのを感じる。
ありがたいなと感謝する。
それにしても,乾杯してほんの少しカニを食べてから,すぐにお酌の旅に出かけた学部長先生。
主の居なくなった席に次々に運ばれ続けるカニ料理が気になる。
食べられずにそのまま残っているカニ料理。
多分もう食べられないですよねとも言えんし・・・
代わりに平らげておきましょうかとも言えんし・・・
学部長先生の直後には,某外科M先生が巡回してくる。
このM先生のキャラは豪快だ。
ヒトを食ったような行きすぎたおおらかさがあるが,憎めない愛らしさもある。
学生時代に宴会隊長だったのは,皆のよく知るところだ。
そう言えば今年は,このM先生の術中迅速でミスしてしまったっけ。
「M先生,その節はすいませんでした」
「いやいや,あれな,論文にしよかて思ってんねん」
「あれは教育的ですよね」
「まぁ,その時はまた写真頼むわ」
まぁ,大事に至らずよかったか。
M先生の「両手ビール」はおもしろい。
二本のビール瓶を両手に持って,注ぎ廻っている。
コップを差し出すと,その二本のビール瓶から同時にビールが注がれる。
こんな注がれ方をされたことはないので,ちょっとおどろく。
考えてみれば,注いでまわっているのでビールがたくさん要る。
ので,できるだけ多くのビールを持っていた方が良い。
そうすれば,ビールが足りなくなって中座したりする回数が減る。
それに,自分のコップは持たないので,注がれることはない。
なので,飲まされてへべれけになってしまうこともない。
さすが宴会隊長だ。
妙に感心してしまう。
なんやかんやでM先生一派に同行し,3次会まで延々とおつき合いする。
この会をもっと盛り上げなきゃな・・・と思った次第。