「自分を売る」保険のおばちゃん | 『しのゼミ』

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日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

病院内を歩いているといろんなヒトに会う。

患者さん・看護士さん・その他コメディカルのヒト・若手医師・薬屋さん・・・・・

知り合いにばったり会う可能性もあるが,自分の場合は偶然に親戚のおばちゃんに会ったくらい。

考えてみれば病院で会うということは,相手がワケありということ。

あまり知り合いに会わないのは「幸いなことに」と言うべきか。



先日に病院の階段を歩いていると,

「アレ?先生・・・」

「アレまぁ,ニッ○イのおばちゃんやん・・・」

ニッ○イの保険屋のおばちゃんに偶然出会した。

おばちゃんは病院内で営業活動中。

営業の対象である保険勧誘の相手は患者さんではない。

医療従事者がおばちゃんの勧誘相手。

考えてみると,医療従事者ほど保険屋さんにとって上顧客はいない。

疾患全般に対する知識がある程度あり,保険の大切を身を持って知っている。

医者の無養生という言葉もあるように,自分の健康には意外に無頓着。

しかも一般に身持ちは堅く安定志向。

こんな人種なので,くすぐる所がうまければ勧誘はしやすい。



このおばちゃんとのつきあいは古い。

と言っても,自分はニッ○イの保険にお世話になっているわけではない。

家族持ちなのでそれなりの保険には入っているが,ニッ○イではない。

言ってみれば,自分はおばちゃんの営業対象外。

なのに,なぜこのおばちゃんとは古いつき合いなのか?

話が合うのか,相性なのか,ヒマ同士なのか,会うタイミングがいいだけなのか?

自分には理由はわからない。



実はこのおばちゃんと話をするのは超久しぶり。

医学部講座から病院病理に異動して以来,ず~っと顔を見ていない。

病院病理の部屋は「関係者以外立ち入り禁止」なので,おばちゃんが入ってくることはない。

なので,おばちゃんとはかれこれ4~5年ぶりに再会したことになる。

久しぶりに出会したにも関わらず顔を覚えてくれたのはうれしいが,顔だけでなく細かい個人情報まで忘れないのはさすがと言うかすごい職業魂を感じる。

「そう言えばあの時の・・・はどうなったの?」と,よくもまあそんな古いこと覚えとるなあ~と感心するような質問をされる。

それからしゃべったことと言えば相変わらずで,

「この前に見かけた時より太った(自分が)」とか,

「△△先生が・・・へ転勤になって淋しい」とか,

「最近腰が痛くって,どの先生に診てもらったらええやろ」とか,

「最近の大学病院ではドクターを見かけないのはどうして」などの愚痴混じりの世間話。

そして一通り話が終わると,営業用のアメ玉をもらう。



こんなたわいない「袖振り合う」縁を大事にし続けるおばちゃん。

「営業とは自分を売る」ことらしいが,それを実践するヒト。