我が大学病院病理部は体育会系。
そもそも病理部には,学生時代に運動部出身の者が多い。
朝は全員朝礼で始まり。
昼は皆で生協弁当を平らげる。
秘書という名のマネージャーが作ってくれる麦茶が冷たくてうまい。
術中迅速が入ると「うっしゃあ~」と一人気合いを入れる。
・・・そんな我が病理部の日常は,体育会系DNAに満ち溢れている。
体育会系DNAその1「年功序列,だけどたまに反発」
アフター5に生きるMさんと,仕事+研究バリバリN君が路線対立。
年輩のMさんは「最近,N君はあいさつをせん!」とご立腹。
それがN君の耳に入るも,「やるべきことをしっかりやらんヒトにはあいさつできません!」と反論。
どうやらお互いに面と向って思っていることを言わないらしい。
間接的言葉の応酬という冷戦状態。
とうとう業を煮やした主任さんが間に入る。
「お互い言いたいことを言ってケンカせえ」と,別室へ二人を呼び出しての話し合い。
「・・・○△×・・・」
「・・・◇×△・・・」
そこで何が行われ,何が話されたかは聞いていないが・・・・・
それからというもの,不協和音は無くなりお互いに普通に接しているようだ(あくまで表面上?)。
体育会系DNAその2「とにかくがんばれ!精神主義」
手術室から「乳腺切除断端」として提出されてくる術中迅速検体であるところの「脂肪」。
脂肪は薄切がしにくいというこちらの都合など関係ない。
たとえそんな「脂肪」の塊がたくさんであろうとも,気合いで切るべし!である。
当番のヒトが「うっわっ,脂肪やん・・・・・」と文句を言っても誰も聞く耳持たず。
「う~ん,切れんわ~」といくら呻吟しようと手助け無用。
たとえ脂肪一切れに1時間かかろうが,しびれを切らした手術室から催促がこようが,関係無し。
とにかく気合いで切れ~!がんばれ~!である。
体育会系DNAその3「あいさつ至上主義」
「挨拶がしっかりできないような仕事場にはしたくない!」という主任さん。
「挨拶重視路線」を徹底している今日この頃。
その矛先は,病理部に出入りする臨床医にも向かう。
たとえば「病理標本を見せて」とか「写真撮らせて」とかで,自分を頼ってきている臨床医達。
そんな勉強熱心なヒトに対して,「好きにしていいよ」などと無責任なことを言ってしまうええカッコしーな自分。
するとそのシワ寄せは現場のみんなに来るワケであって・・・・・
「シノ先生,すいませんが・・・」
「はぁ~何でしたか,主任さん?」
「最近写真撮りに来ている某内科のM先生ですけど・・・」
「Mは同級生ですけど,何か?」
「実はM先生,ここに来ても挨拶がありません」
「アハハ・・・Mはペコペコしてへつらう性格じゃないんで・・・」
「端末を使いたいのに,M先生が我が物顔で使っていてちょっと邪魔です」
「そうっすか,じゃあ業務時間内に端末を使うのはやめるように言いますけど・・・」
「イヤ・・・夕方が一番忙しいので,夕方を特に避けてもらいたいです」
「わかりました,じゃあ業務時間プラス夕方7時くらいまでは避けてくれ・・・でいいですか?」
「え~と,もうちょっと遅めの9時くらいまでにしときましょか」
「・・・・・ってことは,おまえはもう使うな!,と言ったほうが早いですね」
この話をMに伝えると,神妙且つ不自然に病理内を挨拶をして回るMの姿があった。
いつまで続くことやら・・・・・