「酒は穀気の精なり.微しく飲めば以て生を養う可し.過飲して狂酗に至るは,是れ薬に因って病を発するなり.人じん,附子,巴豆,大黄の類の如きも,多く之を服すれば,必ず瞑眩を致す.酒を飲んで発狂するも亦猶お此くのごとし.」
『酒は穀物の気の精である.これを少し飲めば養生によい.飲み過ぎると気違い沙汰を呈するようになるのは,薬によって発病するようなものだ.人参,附子,巴豆,大黄の類も,多く服用すると,必ずめまいを生じる.酒を飲んで発狂するのもこのたぐいである.』
「酒の用には二つあり.鬼神は気有りて形無し.故に気の精なるものを以て之を聚む.老人は気衰う.故に亦気の精なる者を以て之を養う.少壮気盛なる人の若きは,秖に以て病を致すに足るのみ.」
『酒の用い方には二つある.一つは神は気があって形体のないものであるから,酒を供えてお招きをする.二つは老人は元気が衰えるから,酒によって元気を養うがよい.元気壮んな若者は,酒を飲むと病気を引きおこすだけだから飲まないがよい.』
「勤の反を惰と為し,倹の反を奢と為す.余思うに,酒能く人をして惰を生ぜしめ,又人をして奢を長ぜしむ.勤倹以て家を興す可ければ,則ち惰奢以て家を亡すに足る.蓋し酒之れが媒を為すなり.」
『勤勉の反対が怠惰であり,倹約の反対が奢侈(ぜいたく)である.私は思うに,酒は人を怠惰にし,またおごりの心を長ぜしめるものであると.勤勉,節約が家運を興こさせることができ,怠惰,ぜいたくは家を亡ぼすもとである.この後の場合,酒がこの仲介をするものである.』
(「言志四録」佐藤一斎著/川上正光訳 講談社学術文庫)
<しの訳>
お酒は若いうちはあんまり飲まない方がいい・・・・・・・・・・・・・・って言われてもなぁ・・・
一斎先生はalcohol dehydrogenaseが遺伝的に低活性であったに違いない,イヤきっとそうに決まってる・・・