本書で豊富に取り上げられている実例としては,雪印,美浜原発,チェルノブイリ,JR西日本福知山線,三菱重工客船火災,スペースシャトルコロンビア号,JCO臨界などである.
それぞれが「ヒューマンエラー」「危機意識不在」「過剰な効率化」「緊急時の対応のまずさ」「リスク管理のまずさ」に割り振られ,その問題点の本質について語られている.
特に心に残ったことと言えば,「グループシンク」という考え方である.これは,凝集性が高いつまり集団のメンバーがその集団に強く引きつけられた状態において,集団内の合意を得ようと意識するあまり,意思決定が非合理な方向へ歪められてしまう現象をさす.
言われてみれば,こんなことは確かによく経験する.会議などで,ある提案に少々問題点がはらむことに気づいているものの,ここで異を唱えるよりもすんなり通してもいいかな・・・というようなことはよくある.
きっと「和を尊ぶ」日本という文化の中ではこの「グループシンク」がしょっちゅう行われているだろうし,これは日本人として自覚すべきだと思う.
共感するのは,それぞれの実例およびその解釈が,冷静かつ客観的に述べてあること.「日本ダメ,欧米万歳」というような自虐に陥っていないのもいい.
しの的読後感:いや~,勉強になるなぁ~
こんなヒトにお薦め:なんらかの「組織」に属しているヒトなら,この本の重要性が分かるはず
組織行動の「まずい!!」学―どうして失敗が繰り返されるのか (祥伝社新書)/樋口 晴彦

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