課題と問題の違い | 家庭を子どものBASEに 佐伯和也公式ブログ

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子どもが思う存分遊ぶ(ゲーム含む)ことで、知的好奇心が育ち、それが勉強にも繋がっていく

アドラー心理学では、

 

「課題の分離」

 

とか、

 

「子どもの課題」

 

とか、

 

「親の課題」

 

とかっていうように、

 

「課題」

 

っていう言葉がよく登場します。

 

 

 

一方で、こっちはアドラー心理学に限らずやけど、

 

「子どもには問題がある」

 

「子どもの問題行動」

 

「問題視するから問題が生まれる」

 

なんていうように、

 

「問題」

 

っていう言葉もよく使われます。

 

 

 

今日は、

 

「『課題』と『問題』の違い」

 

について話したいと思います。

 

 

 

アドラー心理学でよく使われる「課題の分離」って、元々のアドラー心理学には存在しない言葉なんですって。

 

アドラー心理学では元々は、

 

「自然の結末」

 

っていう言葉が使われていました。

 

 

 

その人が誰からの介入も受けず、特に何も対策をせずに体験する結末です。

 

自然な状態のまま過ごしていると、訪れる結末。

 

 

 

自然の結末を体験することで、

 

「この選択をしたら、この結末に辿り着くんだな」

 

っていうことを学習します。

 

 

 

この学習によって、

 

「だったら、もっとこの選択をたくさんしよう」

 

「だったら、違う選択をしよう」

 

って自分にとってより良い選択を取れるようになっていく。

 

 

 

自分にとってより良い選択をした後の結末のことを

 

「論理的結末」

 

って言います。

 

 

 

自分が体験している結末(=現状)に対して、

 

「問題だ」

 

って思うことができます。

 

 

 

例えば、子どもがゲームで負けて暴言吐いたり、暴力を振るってるとします。

 

「仲間が弱いのが許せない!!」

 

「なんで勝てないんだ!!」

 

みたいな感じでストレスを感じて、ストレスが発散し切れずに、壁に穴を開けたりします。

 

 

 

こういう子どもの姿を見たら、

 

「問題だ」

 

って思ったりすると思うのね。

 

 

 

「うちの子には、問題がある」

 

みたいな。

 

 

 

そしたら、親が次に取る選択は、

 

「子どもを変えようとすること」

 

だと思うのよ。

 

 

 

子どもを叱ったり。

 

子どもを説得したり。

 

子どもを諭したり。

 

子どもにさらなる暴力で抑えつけようとしたり。

 

子どもを病院に連れていったり。

 

子どもに薬を飲ませたり。

 

 

 

「子どもを変えると問題が収まるはずだ」

 

って思ってるから、色々な手段を使って、子どもを変えようとする。

 

 

 

でも、コミュニケーションの原則は、

 

「相手は変えられない。変えられるのは自分だけ」

 

なんです。

 

 

 

だから、

 

子どもを叱ったり。

 

子どもを説得したり。

 

子どもを諭したり。

 

この辺りのことは、やっても大体効果が無いか、あってもまた再発する。

 

 

 

子どもにさらなる暴力で抑えつけようとしたり。

 

子どもを病院に連れていったり。

 

子どもに薬を飲ませたり。

 

この辺りのことは、たしかに効果があるけど、副作用として、

 

「子どもを無気力にする」

 

「子どもに恐怖心を植え付ける」

 

みたいなことが起こります。

 

 

 

子どもに効果が無い説得などを試みるか。

 

それとも、効果は絶大だけど、子どもの心身を壊して物理的に暴れなくさせるのか。

 

 

 

どっちに転んでも、特に子どもにとってはキツイ。

 

問題をそのまま解決しようとすると、効果が無いか、解決しすぎて元の状態を壊してしまかのどっちかになりやすい。

 

 

 

 

 

で、こういう時に僕らが考えたいのは、

 

「子どもの気持ちを考えてみよう」

 

っていうことと、

 

「子どもがその気持ちになる直前にしていた親の行動はなんだろう?」

 

です。

 

 

 

子どもが暴れることで、親が困り果ててるじゃん?

 

この時って、親は

 

「自分のことを考えるので精一杯」

 

だから、ほとんどの場合、子どもの姿が見えていないし、子どもの気持ちなんて頭の中に無かったりするのよ。

 

 

 

だから、まず最初にやることは、

 

「落ち着こう」

 

です。

 

 

 

壁に穴が開いたっていいじゃないか。

 

暴力を振るわれるなら、ちょっと距離を取ろう。

 

まずは落ち着いて、今、

 

自分

 

子ども

 

に何が起こっているのかを冷静に観察してみる。

 

 

 

「壁に穴が開いてることが問題だ」

 

「子どもが暴力を振るうのが問題だ」

 

「子どもがゲームに負けて精神が不安定になっているのが問題だ」

 

みたいな感じで、頭の中が問題意識でいっぱいだと思うんだけど、落ち着いてから問題視をやめてみる。

 

 

 

「問題視」っていうのは、「問題だと思うこと」ね。

 

 

 

「いやいや、これは明らかに問題だろ!」

 

って思うかもしれへんけど、

 

問題かどうかは自分が勝手に決めつけてるレッテルに過ぎない

 

です。

 

 

 

だってさ、よく考えてみてほしいんやけど、

 

「壁に穴が開いていることが問題だ」

 

って思っても、

 

「壁に穴が開いてるなぁ」

 

って思っても、壁には穴が開いたままやろ??

 

 

 

「子どもが暴力を振るうのが問題だ」

 

って思っても、

 

「子どもが暴力を振るってるなぁ」

 

って思っても、子どもは荒れ狂ったまんまやろ??

 

 

 

「子どもがゲームに負けて荒れ狂ってるのが問題だ」

 

って思っても、

 

「子どもがゲームに負けて荒れ狂ってるなぁ」

 

って思っても、子どもは荒れ狂ったまんまやろ??

 

 

 

つまり、

 

「親が、子どもやその周辺のことを問題視しても、しなくても、現状は何も変わらない」

 

っていうこと。

 

 

 

それに加えて、

 

「親が、子どもやその周辺のことを問題視すると、視野が狭くなり、感情が乱れ、思考が止まる」

 

っていう副作用があるのね。

 

 

 

だから、これはぜひとも覚えておいてほしいんやけど、

 

「目の前に起こっていることを問題視しているうちは、現状を変えることができない」

 

っていことね。

 

 

 

つまり、

 

「子どもが暴力を振るうのが問題だ」

 

って思っているうちは、親には子どもの暴力を何とかすることはできません。

 

 

 

むしろ、子どもの暴力が激化するか、薬とか、監禁したりして、強制終了させるしかなくなる。

 

薬で落ち着かせたり、監禁したりすると、子どもの心身に重大な障害をもたらす可能性があるから、再起するのにめちゃくちゃ時間がかかるから、僕はあんまりオススメしません。

 

 

 

で、まず最初にやることは、

 

「親が落ち着くこと」

 

そして、

 

「親が子どもやその周辺で起こっていることの問題視をやめる」

 

そしたら、

 

「親が、今目の前で起こっていることを受け容れられるようになる」

 

から、

 

「親の思考回路が動き始める」

 

んです。

 

 

 

心を落ち着け、問題視をやめて、視野を広げる。

 

 

 

 

視野を広げたら、何が起こるのかと言えば、

 

「できていること」

 

「良いところ」

 

が見えるようになります。

 

 

 

「子どもがゲームに負けたら荒れ狂う」

 

としたら、裏を返せば、

 

「子どもがゲームに勝ったり、ゲームをしていない時は、穏やかに過ごしている」

 

ってこと。

 

 

 

子ども自身に生まれ持った何らかの問題があるわけじゃないことが分かるよね。

 

子ども自身に何らかの問題があるなら、

 

「ゲームに勝った時も、ゲームをしていない時も、荒れ狂ってる」

 

じゃないとおかしいでしょ?

 

 

 

まぁ、そういう状況であっても、僕は

 

「問題視をやめよう」

 

って言うけどね(笑)

 

 

 

子どもが荒れ狂うのは、

 

「ゲームに負けた時」

 

とか、それに準ずるような状況になった時に荒れ狂うわけよ。

 

 

 

言い換えれば、

 

「子どもは、ゲームに負けた時に、その衝撃に耐えられない心の状態になっている」

 

ってこと。

 

 

 

「じゃあ、子どもがそんな状態になったのはいつから?」

 

ってお母さんに聞いてみると、

 

「子どもに対して、ガッチガチに制限をかけてきてる」

 

ってことが分かります。

 

 

 

子どもに怒ることが多く、子どもには基本的に自由を許してない。

 

子どもを否定したり、批判したりすることも多い。

 

子どもの気持ちに関心を向けずに、自分の気持ちにばかり目が向いている。

 

 

 

だから、子どもは、

 

「僕のことを見てよ!!」

 

「僕の話を聞いてよ!」

 

「僕のことを認めてよ!!」

 

って言いたいんだな、ってことが分かる。

 

 

 

つまり、子どもが暴力を振るったり、ゲームに負けて荒れ狂ったりするのが、

 

「親に対する復讐」

 

であることが分かってきたのね。

 

 

 

「親に対する復讐」についてはコチラ。

 

 

 

 

 

「親に対する復讐」

 

っていうことは、復讐なんだから、

 

「子どもが荒れ狂う前に、親が子どもが荒れ狂う原因を作ってる」

 

っていうことです。

 

 

 

親のコミュニケーションの取り方に、

 

「子どもを傷つける何か」

 

があって、それに対抗するために子どもは荒れ狂ってたわけ。

 

 

 

ってことは、よ?

 

 

 

「親が子どもを傷つけることをやめれば、子どもが荒れ狂うのは減っていく」

 

っていうことが分かってくる。

 

 

 

んで、

 

「親が子どもを傷つけることをやめる」

 

っていうことが、

 

「親の課題」

 

になってくるわけだ。

 

 

 

この「親の課題」をクリアして、子どもを傷つけないコミュニケーションを身に付けることができたら、子どもが荒れ狂うのが収まる。

 

そして、子どもと普通に色んな話ができるような関係が築ける。

 

 

 

実際、このお母さんが子どもがやってるゲームに関心を向けたり、お母さん自身が学んだことや考えていることを話し始めたら、子どもが荒れ狂うことが減ってきたのよね。

 

そして、何より、

 

「お母さんが色々と話してくれるようになって、お母さんとの時間が楽しくなった」

 

って言ってくれたらしいのよね。

 

めちゃくちゃ嬉しいよね!!

 

 

 

まだゲームに負けて荒れることはあるけれども、3ヶ月前よりは確実に親子の関係が良くなってきてるし、子どもの状態も落ち着いてきてる。

 

「親の課題」に向き合って、課題をクリアすることに取り組み始めると、ちゃんと良い結果が現れてくるのよね。

 

 

 

つまり、

 

「課題をクリアすると、自分にとって良いことが起こる」

 

ってこと。

 

 

 

だから、

 

「課題は、ギフトだよ」

 

って言われる。

 

 

 

「親が子どもを傷つけることをやめる」

 

っていう課題をクリアすると、

 

「親が子どもを傷つけなくなり、むしろ、子どもを認めたり、勇気づけするコミュニケーションが取れるようになる」

 

っていうことで、できることが増えて、親が成長するんです。

 

 

 

一方で、

 

「子どもが荒れ狂うことが問題だ」

 

って問題視していたうちは、解決するなら、

 

「抑えつけるか、薬とか子どもへのカウンセリングなどで、半強制的に終了させる」

 

っていう解決策くらいしか思いつかんかったのよ。

 

 

 

本当は、親の方に「課題(=成長の種)」があるのに、そこから目を背けて、

 

「子どもが悪い!」

 

「子どもに原因がある!!」

 

って思ってた。

 

 

 

やかんでお湯を沸かしててさ、触ったら熱いやんか。

 

触って火傷したことに対して、

 

「やかんが悪い!」

 

「やかんの中に入ってるお湯が熱いのが悪い!!」

 

ってやってる感じ。

 

 

 

「いやいや、まずはお湯を沸かすのをやめようぜ・・・」

 

とか、

 

「いやいや、やかん熱いかどうか確かめようよ・・・」

 

とか、

 

「いやいや、やかん触らんかったらええやん・・・」

 

って話なわけですよ。

 

 

 

「やかんでお湯を沸かせば熱い」

 

っていうことに気付かなかったり、知らなかったりしたのはしゃーないこと。

 

 

 

でも、それは気付いていない自分や、知らなかった自分に責任があるわけで、

 

「この火傷で気付いたから、今度から気を付けようね」

 

ってことです。

 

 

 

誰かが悪いわけじゃなくて、知らんかった、気付かなかったから、学習して、今度から気を付ける方が建設的。

 

それこそ、

 

「やかんは危険だから、やかんなんて使っちゃいけない!!」

 

なんてやるのは意味不明やんか(笑)

 

 

 

これが多くの親がよくやってる、

 

「ゲームを制限すること」

 

です。

 

 

 

 

 

 

 

目の前に起こっていることを「問題視」していると、本来解決できないことを無理やり解決しちゃうから、壊れたり、無理な状態が出来上がる。

 

「やかんを使っちゃいけない生活」

 

なんて不便でしゃーないよね。

 

カップ麺作るのにも、毎回鍋を出してこないといけなくなる。

 

 

 

でも、問題視をやめて、冷静になってよく考えてみると、

 

「自分にできること」

 

が見えてくる。

 

 

 

これが「親の課題」ね。

 

しかも、「親の課題」をクリアすれば、親は成長して、今起こっていることも良い方向に変化していく。

 

親にとっても、子どもにとっても、良いことが起こる。

 

 

 

もっと簡単にまとめると、

 

問題 ⇒ 解決できない、解決するにしても取り除いたり、壊したりしちゃうから無理な状況になる

 

課題 ⇒ 解決できて、解決したら自分が成長し、周りの状況が良くなる

 

ってこと。

 

 

 

問題は、

 

「問題視をやめて、問題じゃなくする」

 

んです。

 

 

 

このことを

 

「問題を解消する」

 

って言います。

 

 

 

そして、

 

「自分が今できていること」

 

「自分が今できていないこと(=これから取り組むこと)」

 

に分ける。

 

 

 

んで、

 

「自分が今できていること」

 

を使って、

 

「自分が今できていないこと(=これから取り組むこと、課題)」

 

をクリアしていく。

 

 

 

そうやって、自分を成長させ、周りの状況を良くしていくんです。

 

裏を返せば、

 

「今、問題だと思うようなことが起こっている」

 

っていうことは、

 

「そこに自分が成長する鍵(=課題)がある」

 

っていうこと。

 

 

 

だから、子どもが荒れ狂ってたら、

 

「お、これは自分が成長するチャンス!」

 

と思って、ワクワクしよう(笑)

 

 

 

問題を解消して、自分の課題を発見して、成長したい親は、ぜひオープンカウンセリングに参加してみてくださいヽ(´ー`)ノ

※全員がカウンセリングを受けられるとは限りません

 

 

 

 

 

 

 

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◆イベント情報◆

 

〇オープンカウンセリング ~アドラー実践と親の自己受容~

日時:9月1日(水)10時~12時

※終了時間は多少前後します

 

場所:ZOOM

※ZOOM URLはお支払い後のメールでお知らせします

 

参加費:3,000円

 

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〇佐伯和也×みんなの居場所「童」トークイベント

 

日時:9月18日(土)14:00~16:00

 

場所:ZOOM

 

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〇佐伯和也zoom講演会 子どもの声を拾える親であるために

 

日時:9月23日(木・祝)13:30~16:30

 

場所:ZOOM

 

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〇佐伯和也の講演会&座談会

 

日時:11月6日(土)

10時から12時  講演会

14時から16時  オープンカウンセリング

 

場所:奈良県大和高田市

 

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