依存症や中毒に対して、罰を与えるとより深みにハマっていく | 家庭を子どものBASEに 佐伯和也公式ブログ

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子どもが思う存分遊ぶ(ゲーム含む)ことで、知的好奇心が育ち、それが勉強にも繋がっていく

昨日、公式LINEアカウントの方に発信したら、

 

「配信できない内容があります」

 

って言われて、配信できなかった内容です。

 

 

 

NGワードが入っていたみたいで、取り除いたら配信できた。

 

けど、よく考えたら、公式LINEアカウントは一度に配信できる文字数は、

 

1500文字

 

やから、ブログに書いた方がより詳しく書けたわ(笑)

 

 

 

ってことで、改めてブログに書きます。

 

 

 

「ゲーム依存症」

 

の話です。

 

 

 

ゲーム依存症についてよく誤解されるのが、

 

「ゲームをなるべくさせない方がいい」

 

「ゲームにハマることを厳しく咎めた方がいい」

 

「ゲームをする約束を破ったら、子どもを叱った方がいい」

 

っていう考え方。

 

 

 

これらの関わり方は、実は間違いです。

 

間違いっていうか、

 

「逆効果で、よりゲームの深みにハマらせていくよ」

 

ってことです。

 

 

 

やっちゃダメなわけじゃない。

 

逆効果だけど、やりたいならどうぞどうぞ、です。

 

 

 

子どもとの約束なんて、その80%は、

 

「親が、子どもに無理やり口約束で合意させた不平等条約」

 

です(佐伯統計=数字は適当)。

 

 

 

そりゃ、守るわけないって。

 

 

 

この関わり方は、

 

「子どもが求めている以上にハマらせていく」

 

ので、子どもにとっても自制心が働き切らず、自滅的な遊び方すら選択するようになっていきます。

 

 

 

親が介入しなかったら、子どもは自分である程度、制御できるので自滅的な遊び方はしません。

 

でも、親が介入したことによって、子どもが元々持っているストッパーを突破させてしまう。

 

 

 

その関わり方が、

 

「子どもを叱ったり、罰を与えたりする」

 

っていうもの。

 

 

 

 

 

依存症の事例を1つ紹介します。

 

 

 

2000年にポルトガルでは、薬物問題が深刻な社会問題となっていました。

 

なんと、人口の1%(=100万人くらい)が薬物中毒というヨーロッパで最悪レベルでした。

 

かなりエグイです。

 

 

 

ポルトガル政府は、薬物中毒者に対して刑罰を科し、中毒に対して「恥だ」というようなネガティブキャンペーンも行いました。

 

しかし、それでも薬物中毒は一向に解決せず、増えるばかりでした。

 

 

 

そこで、ポルトガル政府は、科学者や医者を集めて委員会を作り、真の解決法を見つけようと決めました。

 

新しい証拠の数々を検証して下した結論は、

 

「マリファナから覚せい剤まで、あらゆる薬物を非犯罪化する」

 

でした。

 

 

 

あらゆる薬物を使用しても、罪に問われなくなった。

 

もちろん、それだけではありません。

 

 

 

非犯罪化したことに加えて、

 

「今まで薬物依存症患者を社会から切り離し疎外するために費やしてきたお金を、患者を再び社会に迎え入れるために使うことにする」

 

という結論を下したのです。

 

 

 

依存症を刑罰で取り締まるのではなく、社会全体で回復し、社会復帰できるように支援しよう

 

というわけです。

 

依存症の人に、雇用機会を与える超大規模のプログラムを実施し、起業したい依存症患者には少額融資を行えるようにしました。



目標は、国中の依存症患者がもれなく全員、朝起きてベッドから出る理由を持つことです。

人生の目的を再発見し、広い社会での人間関係や繋がりも再構築しようというわけです。



この実験を始めてから、15年経った後、どうなったか。

 



英国犯罪学会の発表によると、ポルトガルでの注射器系の薬物使用は、なんと50%も減少し、薬物の過剰摂取は大幅減、患者のHIVも大幅に減りました。

あらゆる調査結果において、薬物依存が大幅減少したのです。




この大規模な社会実験は、

 

「依存症は、薬物自体が引き起こすものではなく、強い社会不安から目を背けるためになるものだ」

 

と言えます。

 



ゲームも同じで、

 

「ゲームに高い中毒性があるから、子どもがゲーム依存症になっていく」

 

というよりも、

 

「強い社会不安を感じた子どもが、ゲームに依存することによって、何とか精神を保っている」

 

と見る方が実際に近い。

 

 

そして、この不安の対象である「社会」には、「家庭」も含まれます。

つまり、親子の関係であり、家庭の環境や雰囲気です。

 



「子どもがゲームをしている」

 

ってのは健全なはずなのに、

 

「親が、子どもがゲームをしていることに罰を与える」

 

っていうのをやった瞬間から、ゲームをすることが

 

「不健全」

 

に早変わりです。

 

 

 

変わったのは印象だけ。

 

ですが、その印象の変化は、親子関係から、家庭全体へと広がり、子どもを強い社会不安を感じさせることがあります。

 

 

 

その社会不安が、子どもをよりゲームにハマらせ、自滅的なところまで連れていってしまう。

 

それが、

 

「ゲーム依存症の正体」

 

だと思っています。

 

 

 

もし、子どもがゲームにハマっていて、それが異常な、自滅的なハマり方をしていたとします。

 

そこから子どもを救う唯一の手立ては、

 

「親がゲームを問題視するのをやめる」

 

「親がゲームを認めて、許すこと」

 

に他なりません。

 

 

 

ゲームは、薬物とは違って、エンターテインメントです。

 

なので、ゲームは健全な範囲で遊ぶ分には問題ないはずです。

 

 

 

「健全な範囲」

 

っていうのは、

 

「親が子どもに言うことを聞かせられる範囲」

 

ではなく、

 

「子どもが自分が辛くなったり、苦しくなったら、やめられる範囲」

 

です。

 

 

 

子どもが自分の危機を感じたら、ちゃんと自分でやめられる範囲です。

 

ゲームの制限をかけると、

 

「今しかできないから、今のうちにやっておこう!」

 

って思って、子どもが疲れて、ボロボロになっても続ける理由が生まれてしまいます。

 

 

 

ゲームの制限をやめれば、

 

「また後でもできるし、明日もできるから、今はこれくらいでいっか」

 

ってなりやすい。

 

 

 

いつでも好きなだけできるんなら、

 

「今のうちに!!」

 

なんて思わないじゃない。

 

 

 

だから、子どもが自滅的な遊び方をすることは激減します。

 

する理由が無くなるからね。

 

 

 

子どものゲームに罰や、否定、批判を加えることで、子どもを過剰で自滅的なハマらせ方をしていっちゃうわけですね。

 

 

 

 

良かったら、この記事も読んでみて!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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