子どもたちを見ていると、
「家庭って、母親を中心に回っているんだなぁ」
って思う。
僕は、今の家族に途中から合流した形で、一緒にいた時間が違うんだけどもさ。
それもあるのか、関係ないのか分からんけど、子どもらは何かあってもなくても真っ先に母親のところに行くし、頻繁に母親と絡んでる。
今は、もう大きいから子どもらをほっといても大丈夫やから、妻も自分一人だけの時間も楽しんでるように見える。
でも、これがもし、もっと小さい子どもやったら、ほっとかれへんやんか。
下の子が生まれるくらいのタイミングで、妻はシングルマザーになったんやが、ほんとにきつかったやろうなぁ、って思う。
両親たちにも頼りながら、何とか乗り越えてきたんやろな、って思う。
僕は、今まで子育てせずに生きてきたけれども、それでも、
「自分一人の時間」
っていうのを意識的に作ってきてた。
小さい子どもがいると、
たとえ傍で寝てるだけであっても、
たとえベビーカーの中で寝ているだけであっても、
たとえ遊んでいるだけであっても、
完全に気を抜くことはできひんと思うのよな。
ってことは、
子どもが寝ている = 親の自由時間
"ではない"はず。
そして、母親の一人の時間が無くなっていき、母親の心の余裕が無くなるとどうなるかと言えば、
母親のストレスが
母親の怒りが
母親の寂しさが
全力で子どもに向かう。
ここでの問題は、
「母親の弱さで、子どもにきつく当たっている」
ってわけじゃなくて、
「母親が一人の時間を作れないシステムが出来上がっていること」
にあるはず。
人は、常に悪いわけじゃない。
常に、人に問題があるわけじゃない。
問題は、常に、システムにあり、環境の中にある。
子育ては、
「母親がするもの」
ってのは完全に誤りで、今も、昔も、母親がたった一人でやる子育ては、無理ゲーです。
ほんまにきつい。
男性目線で言えば、もし、母親よりも自分の方が子どもと接する時間が短くて、母親が子どもに辛く当たっているなら、それは、
「父親の不徳の致すところ」
です。
父親としての役割を果たせていない。
「父親は、働くもの」
っていうのはおかしいはずよ。
「父親」
っていう言葉、役割は、
「子どもとの関係の中で使われる言葉」
でしょう?
仕事している最中は、子どもと関わらないよね。
だったら、仕事をするのは、
「父親としての役割を果たしている」
とは言わないはず。
「父親」としての役割は、
「子どもとの関係おいて」"のみ"
において語られるはず。
仕事は、男性がしても、女性がしてもいいやんか。
どっちでもできるんやから、やりたい方、得意な方がやればいいよね。
「父親」の役割を全うするためには、子どもと関わる時間を増やすしかない。
仕事ばっかりで、子どもと関わる時間が少ないなら、
「父親の役割を全うしている」
とは言えん。
仕事をするのがどうでもいいとか、仕事をしなくてもいい、って意味じゃないよ。
仕事は、子どもと関わる時間が少なくてもいい理由にはならない。
仕事は、子どもを母親だけに任せてもいい理由にはならない。
ってこと。
どういうことかと言うと、父親の役割で最も重要なものの1つは、
「母親を子どもから離す時間を作ること」
だから。
言い換えれば、
「母親が一人になれる時間を作るために、子どもの世話を一手に引き受ける機会を作る」
っていうこと。
ほんで、母親に一人の時間を作ってもらい、母親業をお休みしてもらう。
女性として、一人の人間としての尊厳をちゃんと大切にしてもらう。
母親を子どもの奴隷にしない。
それが父親の最大の役割。
母親を母親たらしめてくれるのは、
「自分一人の時間を持てているから」
だと思う。
この話は、日本の子育ては、長らく、
「母親がするもの」
っていう固定観念のものに行われてきたから、
「母親の一人の時間を作るのが大事」
って話になってくる。
だから、もちろん、逆の話もあり得る。
父親が子どもから離れる時間も大事。
やけど、父親だけが子どもにかかりっきりで、一人の時間を作れていない、っていうケースは少ないかなぁ、って思う。
子育ては、どうしても母親中心になっちゃう。
子どもは、真っ先に母親のところに駆け寄っていく。
父親は、そこに甘んじて、
「子どもはどうせ母親が好きなんだろ」
なんていじけてちゃダメなのだ。
子どもと関わる時間を増やせば、子どもと楽しい時間を増やしていくと、子どもは父親のことも大好きになる。
時には、母親以上に仲良くなることだってある。
「子どもが、真っ先に母親の元にいく」
っていうのは、
「母親が、子どもを産んだから」
じゃなくて、単純に、
「子どもが、父親よりも、母親と一緒に過ごす時間の方が長いから」
に過ぎないんじゃないかな、って思う。
だから、父親が母親以上に、子どもと一緒に過ごす時間を作れば、父親に飛びついていくことも全然あり得ると思う。
もちろん、父親と子どもの関係が良い場合の話ね。
勘違いしないでほしいのが、
「父親は、母親以上に子どもに関わるべき」
って言っているんじゃない。
子育ては、夫婦二人でしていくもんやと思うから、
「子どもと関わる時間が夫婦のどっちかにだけ偏ってて、もう片方が一人の時間を作れていない」
ってなったら、子育ては一気に辛くなるよ
って話です。
もし、父親が子育てにあんまり介入していないなら、母親のストレスが子どもに移っていくから、子どもの精神が乱れ、いわゆる「問題行動」が増えていきます。
その時に、
「母親がしっかりしていないからだ」
っていうのは誤解もいいところで、その場合は、
「父親があんまり機能していない」
のよ。
父親の子育てにおける重要な役割は、
「母親に一人の時間を作ってもらうこと」
そして、
「その一人の時間に、ご機嫌を取り戻してもらうこと」
です。
あと、ついでに、
「夫婦の対話で、妻に笑顔になってもらう」
っていうのもあるけど、これは女性側にも課題があることもあるので、夫だけの課題じゃない。
2人で何とかしていくこと。
また別の話やから、今度詳しく書きます。
子育ては、夫婦2人で協力していくもの。
夫婦2人で、一緒に子どもの世話をするのもそうやし、
「どちらかの一人時間を作ってもらうために、子育てを一手に引き受ける」
っていうのも大事。
子育ては、母親中心になりがちやけど、母親だけで回させてはいけないのだ。
母親だけで回させてしまっている時、子どもの精神は不安定になるから、それがサイン。
父親も、子どもに関わっていこう~。