ゲームを制限する前に考えてみてほしいこと(そもそも、子どもには何を望んでいるの?) | 家庭を子どものBASEに 佐伯和也公式ブログ

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子どもが思う存分遊ぶ(ゲーム含む)ことで、知的好奇心が育ち、それが勉強にも繋がっていく

ゲームを制限する目的って何でしょうか。

 

勉強をしてほしい。

 

ゲーム以外の遊びもしてほしい。

 

早く寝てほしい。

 

とかかなぁ。

 

 

 

子どもがゲームをやる時、子どもが親の思い通りにならないと、

 

・ゲームを制限する

 

・ゲームが取り上げられる

 

んだよね。

 

 

 

なんか、事あるごとに、ゲームが悪者にされる。

 

学校で問題が起こると、そのたびに先生からの評判が良くない奴のせいにされる、みたいな。。。笑

 

 

 

でも、そいつが問題を起こしたわけじゃないから、何の解決にもならないんだよね~。

 

「ゲームは悪いものだ」

 

っていう思い込みが親の中にあるから、

 

「子どもに起こった問題は、全てゲームが原因だ!!」

 

って思っちゃう。

 

 

 

そんなわけあるかいな、って思うんだけど、どうもそう思っちゃうみたいで。

 

「お肌がカサカサなのはコラーゲンが足りていないからだ!」

 

って思い込んで、

 

「コラーゲン入りの食品を食べまくる」

 

みたいなのと同じだよね。

 

 

 

実際、コラーゲンは経口摂取しても、体内ではアミノ酸に分解され、もはやコラーゲンとしてではなく、アミノ酸として吸収されるそうな。

 

「髪の毛を食べても、髪の毛は生えない」

 

っていう考え方とも通じるらしい。。。

 

 

 

だから、ゲームを制限したり、取り上げたりしても、子どもの行動が改善されるわけがない。

 

って僕は思うんだけどね。

 

 

 

 

 

例えば、親から見たら、

 

「ゲームのやり過ぎで、夜寝るのが遅い」

 

っていう子どもがいたとするよね。

 

 

 

だから、ゲームを制限しよう、取り上げよう、っていうのはあんまり意味ないよ、って話です。

 

取り上げたら、たしかにゲームはしない、というかできないと思う。

 

 

 

それで、夜寝るのが早くなる子もいるでしょう。

 

でも、実際、取り上げてみたら分かると思うけれど、多くの子どもは、

 

「ゲームを取り上げても、結局、夜寝るのは遅い」

 

んだよね。

 

 

 

なんででしょうか。

 

 

 

答えは簡単で、

 

「夜寝るのが遅いのは、ゲームのせいではなく、

 

『就寝時間の習慣』

 

が原因だから」

 

です。

 

 

 

子どもが

 

「ゲームをしたい!!」

 

って思うのは、夕方とか、夜とか、深夜だけじゃない。

 

 

 

ゲームが大好きな子は、朝起きた時、学校に行っている間、学校に帰ってきてから、夜寝る前、どの瞬間を切り取っても、

 

「ゲームをしたい!!」

 

って思っているはず。

 

 

 

ってことは、よ。

 

 

 

四六時中、ゲームをしたいと思っている子に対して、

 

「夜寝るのが遅いから」

 

っていう理由で、ゲームの制限をかけても、ゲームをやりたい理由とは異なるから、あんまり効果はないんです。

 

 

 

じゃあ、夜寝るのが遅い子に、

 

「夜、早く寝よう」

 

って思ってもらうためにはどうしたらいいか?っていうと、

 

「夜、早く寝たい」

 

「夜、早く寝なきゃ!」

 

って思えるような関わりをする、です。

 

 

 

ゲームの制限をかけても、ゲームをやらなくなる(やれなくなる)だけで、夜早く寝るようになるわけではない。

 

ほんとに、夜早く寝てほしいなら、

 

「夜早く寝ること」

 

にフォーカスを当てて関わった方がいい。

 

 

 

ゲームをやっているからと言って、ゲームの話を持ち出すのは論点がズレてるから、子どもからしたら、

 

・夜遅くてごちゃごちゃ言われる

 

・挙句の果てにゲームを取り上げられる

 

っていう2倍損をしちゃう。

 

理不尽だ、って思っちゃう。

 

 

 

論点がブレてるから、親の気持ちはあんまり伝わらんのです。

 

夜、早く寝てほしいなら、夜早く寝てもらうための関わりをする。

 

ゲームをしないでほしいなら、ゲームをしなくなるような関わりをする。

 

 

 

この2つの論点をごっちゃにしちゃうと、子どもからしたら、

 

「???」

 

ってなりながらも、なんか自分にとって不利益なことが起こる、っていう理不尽な事態に混乱をするわけですね。

 

 

 

だから、考えたいのは、

 

1.自分は、子どもに何を求めているのかを明確にする(=なんでもかんでもゲームのせいにしない)

 

2.そのために何をするべきなのか、取れる行動パターンを洗い出す

 

3.その中で、最も有効なこと(=自分も、子どもも納得できるもの)を選択して、実行する

 

ってことです。

 

 

 

子どもの納得感を得ずに、親の強権を行使しちゃうと、いくらそれが正論であっても、子どもは傷つくし、親に反抗的な態度も取りやすくなります。

 

しかも、

 

「親が正論で、強権を行使する」

 

そして、

 

「子どもは反抗する」

 

のであれば、その時に子どもが取る行動は、

 

「親の言う正論とは、真逆なことを取る」

 

つまり、

 

「親からしたら、あり得ない行動を選択する」

 

ってこと。

 

 

 

これは『価値観の押し付け』の文脈で、

 

「警察官の子どもは、警察官(=親の価値観に同意)か、犯罪者(=親の価値観に反対)になる」

 

「教師の子どもは、教師(=親の価値観に同意)か、不良(=親の価値観に反対)になる」

 

ってことと同じ。

 

 

 

親が正論を言うなら、親の価値観に同意するなら、その正論に納得して、子どもはその通りに行動する。

 

親の価値観に同意しなかった場合、その正論とは真逆な行動を選択する、すなわち、親にとってあり得ない、絶対にやってほしくないことをやり始めます。

 

 

 

だから、親が子どもに何かを望む時には、

 

「子どもの納得(説得ではなく)を得ていること」

 

はめちゃくちゃ大事なんです。

 

 

 

「価値観を押し付けない」

 

ってことも大事なんだけど、そうは言っても、ついつい押し付けちゃうもんだから、

 

「子どもの納得感を得る」

 

っていうことも大事なんです。

 

 

 

『子どもの納得感』

 

っていうのは、子ども自身が、

 

「あ!ほんとだ!たしかにその通りだね!」

 

ってなることです。

 

 

 

「親がそこまで言うなら仕方が無い・・・」

 

ってしぶしぶオッケーしている状態は、納得とは言わない。

 

 

 

 

 

勉強をしてほしいなら、勉強をしたくなるような関わりをする。

 

早く寝てほしいなら、早く寝たくなるような関わりをする。

 

外で遊んでほしいなら、外で遊びたくなるような関わりをする。

 

 

 

親の要求を子どもに叶えてもらうのに、わざわざ『ゲーム』を持ち出さない。

 

ゲームを持ち出すから、話がややこしくなるし、こじれるし、子どもは理不尽さを感じて、混乱する。

 

なんでもかんでも、ゲームのせいにしていると、論点がぐちゃぐちゃになります。

 

 

 

論点、大事です。

 

 

 

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