マジすか学園外伝・Sの遺恨 第百十話 | ガツキーブログ

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主にマジすか学園の二次創作を更新しています。48G・坂道Gが大好きで、よかったら気軽に読んでください。

 






マジ女は放課後を迎え、生徒たちは各々帰宅する。警察の巡回が入っているのか、ガンタ連合の襲撃もなかった。






絢音は体調回復を機にマジ女に復帰したが、同時にリサイクルショップ・ドル箱のバイトも復帰することになっていた。






足を進ませドル箱にたどり着くと、従業員用出入り口のドアを開け中に入る。






絢音「お疲れ様です。」






そう言いながら頭を下げる絢音の方へ顔を向けたのは店長である悠雅だった。






悠雅「お疲れ様絢音ちゃん。エプロン着けたら始めましょ。」






絢音「はい。」






悠雅の言葉に返事をしながら店の奥へと向かう。






絢音「お疲れ様です雪菜さん。」






奥に行くときに店内で商品の整理をしている雪菜に挨拶をする。






雪菜「お疲れー。」






グレーのつなぎに黒のエプロンというアンバランスな格好をして気だるそうに返事をする雪菜はしゃがんでいる状態から立ち上がると、悠雅の方へ近づく。






雪菜「じゃぁ絢音が来たんで私は作業室で修理の続きやってますね。」






悠雅「ええ、お願いね。」






雪菜がそう言うと悠雅は笑顔を向けながら返事をする。雪菜はレジカウンターの一番端にあるスイングドアを開けてレジカウンター裏へ行きそのまま店の奥の作業室に向かう。






絢音はロッカールームで自分の名前が貼ってあるロッカーを開け、中にカバンを置き名札がついている黒のエプロンを取り出し着ける。






スイングドアを開け店内で品の陳列整理や品出し、棚の掃除などの雑務をこなす。






悠雅はレジカウンターで書類整理や書き仕事をこなす。また売りに来たお客さんから預かった多数の品を点検し値段を紙に書いている。






お客さんがやって来るのはまばらで、大体これがいつも通りの感じである。






売りに来るお客さんがほとんどだが、買いに来るお客さんも多くはないがいる。修理も受け付けていて雪菜はその修理担当これが好評で、出張修理も行なっている。






表向きとはいえしっかりとリサイクルショップの業務を終え閉店作業へと移る。店内清掃を終えると、絢音と悠雅、そして雪菜はロッカールームに集まる。






悠雅「絢音ちゃん、今日は復帰初日だけど体は大丈夫?」






絢音「まだ体の痛みはありますが、激しい運動をしなければ大丈夫です。」






絢音の体を心配する悠雅に今の状態を説明する絢音。それ見て雪菜は口を開く。






雪菜「まぁあんだけボロボロにされたら具合も悪くなるわな。」






悠雅「ちょっと、まるで私があそこまでボコボコにしたみたいじゃない。」






雪菜がからかうように言うと悠雅がツッコミを入れる。少し和やかな空気が場に流れると、ロッカールームのドアが開く。






「楽しげな空気に入るのはなんだか気まずいな。」






「ちょっとお邪魔だったっスかねぇ?」






中に入ってきた二人を見て絢音を目を見開く。






絢音「…センターさん、…ネズミさん。」






やってきたのはセンターとネズミで、絢音の顔を見たセンターはフッと笑う。






センター「久しぶりだな絢音。お前が戻ってきたことは悠雅さんから聞いてる。見つけられたんだな…お前のマジを。」






センターは絢音がマジを見つけられたことを内心喜んでいた。






絢音「はい、ご心配をおかけしました。」






センター「謝らなくていい、それにお前はきっとこれからもっと強くなる。マジを見つけたのなら今度はそれを貫く強い意志が大事だ。」






絢音「はい、頑張ります。」






絢音とセンターは真っ直ぐな目でお互いを見つめ合う。センターのアドバイスを受け、絢音は自分のマジを貫くため強くなると誓う。






ネズミ「さて、喜ばしい再開はその辺にして本題に入りやしょうよ。」






両手の平を合わせるようにパンッと叩いたネズミがそう言うと、他の四人も本来の話題に入ろうとする。






センター「設楽に関しては会社に通勤していますが、護衛がいるせいで車を停めている居場所は引き続きこちらで調べています。」






絢音「……すみませんでした。私が勝手な行動をしたばっかりに……。」






改めてセンターの口から設楽のことを聞く絢音は自分のしたことを頭を下げ謝る。






悠雅「終わったことはもう切り替えなさい。大事なのは次にどう動くかってことよ。」






絢音「……はい。」






謝る絢音を悠雅はなだめると、センターは話を続ける。






センター「悠雅さんの言う通り、もう起きてしまったんだからその対処をするだけだ。


設楽の件は一旦置いといて、次に話すのは街に現れたバイカー集団のことです。」






センターの口から街に現れたバイカー集団、GOLD・SCORPIONのことが出た。






センター「警察の巡回で今は派手に動いていませんが、また街で暴れる可能性は高いです。


今回は派手にやってましたが、次は目を盗むように動くでしょう。」






ネズミ「巡回が手薄な所が出始めたらいつどこで事件が起こってもおかしくないんで、早くても明日から動くかもしれませんね。」






センター「奴らのことはこちらで調べます。だからそれまで街のこと、お願いできますか?」






センターは真っ直ぐな目で悠雅、雪菜、そして絢音を見る。






悠雅「任せなさい。大きく動くまでこっちも隠密にやるわ。だから絢音ちゃん、」






悠雅絢音の方を見ると、絢音は悠雅が何を言いたいのか察する。






悠雅「夜の実践訓練再開よ。雪菜、絢音ちゃんの体の具合が万全になるまでサポートしなさい。」






絢音「はい。」






雪菜「わかりました。」






悠雅の言葉に二人は頷き返事をする。






街の治安の悪化を予感した時、センターたちは更に動きを見せ始める。






絢音がドル箱でバイトをしている夕方の時間帯、場面は変わる。






















その場所では黒のモッズコートを羽織る帰る巣のない血染めの羽の鳥が降り立った。






「………」






物陰から標的となる人物のいるマンションを見つめる高柳明音はポケットに入っている折り畳みナイフを触りながら不気味に笑っていた。










GOLD・SCORPIONが街に現れたことにより、センターたちも動き出すことになる。これを機に絢音の実践訓練も再開されることになった。



それぞれがそれぞれの動きを見せる中、高柳がまた動き出す。



次回の更新は水曜日です。