映画「ボヘミアン・ラプソディ」”らしさ”を貫いたロックスター | 忍之閻魔帳

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▼映画「ボヘミアン・ラプソディ」”らしさ”を貫いたロックスター

 

公開中■映画:ボヘミアン・ラプソディ

 

日本でも何度となくCMに使用されるほど愛されている
世界最大のロックグループ・クイーン。
そのボーカルであるフレディ・マーキュリーの栄光と苦悩を

名曲に乗せて描く「ボヘミアン・ラプソディ」が公開中。

メンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーの全面協力により

バンド誕生から絶頂期、そして「ライヴ・エイド」での奇跡の復活劇まで

クイーンの活動を表と裏の両面から描いている。

主演はラミ・マレック。共演にルーシー・ボーイントン、グウィリム・リー、

ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ。

監督は「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガーとクレジットされているが

ブライアンは撮影の最終段階で降板(主演と揉めた、健康上の理由など諸説あり)し、

製作総指揮であるデクスター・フレッチャー引き継いで完成まで漕ぎ着けた。

 

 

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先日もコメント欄でご指摘をいただいたばかりでお恥ずかしい話なのだが

私が洋楽にかぶれ始めた時期とクイーンの黄金期はけっこう被っていて、

しかも私はどちらかと言えばポップス寄りだったのでロックはそれほど詳しくなかった。

ヴァン・ヘイレンとブルース・スプリングスティーンとクイーンの楽曲が

ごっちゃになったことも何度もある。

ロックに関しては歌詞の意味はあまり気にせず、

和訳された歌詞をさらっと流し見だけしてあとはメロディの好みだけで

どのアルバムをカセットに残すか決めていた(当時はレンタルレコードの全盛期)。

そんな私ですら、映画を観てほとんどの曲は知っていたし

何よりも驚ろかされたのが、その繊細な歌詞世界だった。

拳を振り上げるパフォーマンスやハードゲイ丸出しのルックスからは想像もつかない

思春期の少女のような清廉さ、失われない少年性こそが彼の魅力だったのだと、

だからこそこれほどまでに愛されたのだと数十年の時を経てようやく気付かされた。

映画で描かれているのは世界中に愛されたロックスターのサクセスストーリーではなく

秘密を抱え、孤独と闘い、愛と安らぎを求めながら

45年の生涯を駆け抜けたひとりの男性の姿であり、

しばしば顔を出す独善的な振る舞いやエキセントリックな言動は

男性アーティストの伝記映画ではなく

マリア・カラスやエディット・ピアフの映画を観ているようだった。

 

  

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コアなファンの中には微妙に時系列を組み替えていることに

違和感を感じている方もいるようで、その理由について読んでみると

なるほどと納得する部分はある。

ただ、伝記映画は基本的には偉人伝であり

最終的にはその功績を称えるように作られているので

HIV感染をメンバーに告げる時期がどうであっても

そこは「映画的な嘘」として私は許容できる。

ただ、本当に最低な人格であることを包み隠さず描いた

「恋するリベラーチェ」という快作もあったりはするのだが。

 

21分にも及ぶ圧巻のパフォーマンスが披露されたライヴエイドは

当時私も中継で見たことをおぼろげに覚えている。

確か逸見政孝が司会をしていたのではなかったか。

(と思いつつ調べたらウィキに書いてあった。当たっていた)

正直な話、あの頃の私はクイーンよりもフィル・コリンズやハワード・ジョーンズ、

デヴィッド・ボウイ、ジョージ・マイケルなどの名前に惹かれていた。

あの日のあのステージにこんな想いが込められていたことを

33年も経ってから知ることになろうとは。

 

33年越しで知るクイーンの素晴らしさと、フレディの愛すべき人間性。

フレディを愛する多くのスタッフとキャストの手よって

多少綺麗事にし過ぎた感はあるのだろうが、私はそれでもこの映画を観て良かった。

ただ欲を言えば、主演のラミ・マレックに「Ray」のジェイミー・フォックスや

「ウォーク・ザ・ライン」のホアキン・フェニックス、

「クレイジー・ハート」のジェフ・ブリッジスに匹敵するカリスマ性があれば

この映画はさらにもう一段階上にいったのではないかと思う。

 

クイーンのファンなら見逃し厳禁。

CMで数曲知っているだけの方でも問題なし。

私のように洋楽は聴いていてもクイーンはそれほど聴いていなかった方も

きっとこれから好きになる最高の音楽映画。

IMAXやドルビーアトモスなど、できるだけ良い環境のシアターでご覧いただきたい。

小さな箱で観ると、面白さは半減すると断言しておこう。

 

映画「ボヘミアン・ラプソディ」は現在公開中。

 

   

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発売時に当BLOGでも紹介しや「クイーン フレディ・マーキュリー神話~華麗なる生涯」は
生前のインタビュー映像とメンバーや関係者の談話を使用して

フレディの人生を辿るドキュメンタリー。
PV、ライブ映像、バックステージの模様と非常に盛り沢山な内容。
マイケル・ジャクソンと二人で吹き込んだ幻の音源
「ゼア・マスト・ビー・モア・ザン・ライフ・ザン・ディス」の一部が
世界で初めて収録されるとのことで、当時はかなり話題になった。


▼紅白歌合戦の出場者が決定

 

「もう若者は誰も見ていない」と言われ始めて早何年。

毎年40%前後の視聴率を叩きだすのだから、

結局年越しに合わせて出かけていない層の多くは見ているのだろう。

近年の紅白は目玉となるアーティストをギリギリで発表する傾向があり、

現在交渉中、または決定しているものの温存しているアーティストがいると見る。

 

初出場を決めたのは白組がKing & Prince、Suchmos、純烈、YOSHIKI feat. HYDE、

紅組はあいみょん、DAOKO。SuchmosやDAOKOは出すのが一年遅かった気がする。

米津玄師は最初から出ないと思っていたので予想通り。

擁護派と否定派で連日論戦が繰り広げられているBTSはやはり落選。

TWICEは出場するので、NHKもさすがに空気を読んだものと思われる。

AI、高橋真梨子、平井堅も落選した。

復帰の目玉はDA PUMP。

今年で20周年を迎え、DA PUMPとのコラボも盛り上がっていたモーニング娘。は

吉澤ひとみの事件のイメージもあってか復帰とならなかった。

女性ではaikoが5年振り、松任谷由実も7年振り3度目の出演が決定。

 

ユーミンについては、先日ある音楽関係者から気になる話しを聞いた。

今年のユーミンは自選ベストを発売し、定額配信サービスに全楽曲の配信を発表、

現在行われているツアーは過去のライブを振り返るベスト盤的な内容と

アーティスト活動の総括に入っているような活動をしていたのだが、

普段は宣伝など滅多にしない夫の松任谷正隆氏が

「今年のツアーは見ておいたほうがいい」と知人に言っているらしい。

さらに正隆氏は別荘に住まわせていた両親を介護施設に入れ

自身で住むためか大規模なリフォームを始めたのだとか。

一線を退いてセミリタイアするのか、それとも引退するのか。

恒例の苗場は既にスケジュールが決まっているのでやるとして

春頃に何らかの発表があるのかも知れない。

と、そんな噂話をしていたところに紅白復帰である。

うーむ、気になる。


▼iOS「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド SP」

 

配信中■iOS:ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP

 

気がつけば配信開始になっていた。

2,400円と高価だが、落し切り追加課金無しの明朗会計。

そろそろアプリ市場も買い切り型に回帰する時期が来ているような気がする。


▼【訃報】佐山雅弘、64歳

 

 

発売中■CD:PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO

発売中■CD:GOSH PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO

 

先日ライブイベントを開催した村上"PONTA"秀一率いる

PONTA BOXのメンバーであり、ジャズピアニストの佐山雅弘氏が亡くなった。

数年前に胃癌を患い手術されたまでは知っていたのだが

その後お元気になったものとばかり思っていた。

 

 

吉田美奈子をボーカルに向かえ、新旧の名曲群をカバーした

「PONTA BOX meets YOSHIDA MINAKO」シリーズ2作は

邦楽の範疇には収まらない名盤で、私もライブに足を運んだ。

今夜は佐山氏が弾く「星の海」を繰り返し聴こうと思う。

ご冥福をお祈りいたします。