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▼iOS「ドラガリアロスト」任天堂とコロプラの新たな火種となるか
任天堂とCygamesの共同開発による
新作スマホゲーム「ドラガリアロスト」が昨日よりサービス開始した。
基本無料＋課金制のスマホゲームに否定的であったかつての方針を反古にして
「ファイアーエムブレム」や「どうぶつの森」でガチャを解禁してきた任天堂が
「グランブルーファンタジー」のサイゲームスと組んで送るアクションRPG。
もちろん基本無料＋課金制。
「白猫プロジェクト」を長く遊んでいる私（本日開始のイベントでも
最初の10連でキアラを5★で引き当ててニッコリ）としては
任天堂とコロプラの裁判の行方と同じぐらい気になっていたタイトルなので
昨日落してから本日まで数時間ほど遊んでみた。
マルチプレイも含めた大方のモード・要素がアンロックされている。
おぼろげながら全体像が掴めたあたりまで遊んだ感想としては、
『白猫を訴えておいてこれはあんまりではないか』
と思うほど「白猫プロジェクト」に酷似している。
スマホゲーはシステム面において似たり寄ったりのものが多く
3マッチパズルが流行れば猫も杓子も3マッチを作る。
パズルもアクションもカードゲームも
1本遊べば大体その知識と経験が他のゲームにも流用できるので
便利と言えば便利だが、お世辞にも志は高くない。
パターン化された中身を誤魔化し、より効率的に集金するには
資金が潤沢で人気作の版権を持っている大手メーカーが強くなり、
黎明期に比べて中小メーカーが一発を当てるのが難しくなってきた。
「ドラガリアロスト」は、まさに大メーカーならではの強者の理論を駆使して
飽和状態の草刈り場に乱入してきた新規のアクションRPGと言える。
本作の基本操作は、任天堂がコロプラを訴えるきっかけなった
”ぷにコン”とほぼ同一のシステムを採用している。
画面のどこでも好きな場所をタッチするだけでそこがバーチャルパッドになり
感度も本家同様かなり良い。
ただ、ぷにコンを使い溜めや押しっぱなしなどを使って
多彩な攻撃のバリエーションを生み出している「白猫」に対し
こちらの戦闘システムは（今のところは）ポチポチと叩くだけで
「白猫」に慣れていると単調に思える。
また「白猫」はぷにコンの長押しで「聖剣伝説」のようなリングが出て
スキル選択まで可能だが、本作ではドラゴン化もスキル発動も
全て画面上に別のパネルが用意されており、そこをタッチしなければ発動しない。
片手プレイを想定して作られているようで、
実は片手プレイはやり辛くなってしまっている。
ダッシュや急ブレーキといった細かな動きにも対応したおかげで
キャラ操作自体にはほとんどストレスを感じない。
木陰にキャラが入ってしまった場合にシルエットで表示されたり、
分岐点のどちらがボスかがひと目で分かるようになっていたり、
画面が煩雑にならない程度に吹き出しが挿入されたりと、
「白猫」を遊んでいて不満に思った箇所がことごとく解消されているのは凄い。
スタッフはかなり「白猫」を遊び込んだ上で作ったのではないか。
ドラゴンに変身できる主人公は「白猫」で言うヴァリアントなので
言ってみればヴァリアントを主人公にした「白猫」のスピンオフのよう。
ストーリーをスキップしてしまうと話が全く分からない「白猫」を改良し、
ムービー中にスキップするとダイジェストがテキストにまとめて表示される。
キャラクター能力の底上げや資金調達を行う聖城はまんま「白猫」のタウン、
キャラクターの強化に使うマナサークルは「白猫」のソウルボード、
マルチプレイ時のひと言スタンプによる会話や募集スタイルまで、
ありとあらゆる要素が「白猫」とコンパチになっている。
ただ一点、スタミナ制の廃止という大英断で成功した「白猫」に対し、
こちらは旧態依然としたスタミナ制を残していて、いわゆる周回プレイがやり辛い。
ここまで酷似していると、任天堂がコロプラを訴えたのは
「ドラガリアロスト」が配信された後に「パクった」と言われないため
先手を打ったのではないかとすら思える。
「コロプラにぷにコンをパクられた」と主張する任天堂に対し、
「それ以外のほとんどが任天堂（とサイゲームスに）パクられてますけど」と
コロプラが反論するレベルである。
ゲームジジィ向けに例えるならば「白猫」と「ドラガリア」は
「ゼルダの伝説」と「ニュートピア」のようなものだ。
そして「ニュートピア」がそうであったように
後発で良く研究されてはいるものの、やはり「ゼルダ」は超えていない。
今回の場合、超えていないのが任天堂の側というところが
ファミコン時代からリアルタイムに任天堂の作品を遊んできたジジィゲーマーとして残念。
任天堂は「従来とは違うこと、他とは違うことにこそ価値がある」という
「独創」の精神を最も大切にしてきました。
それは、社員の一人ひとりに息づいており、
将来にわたって引き継いでいく任天堂のDNAでもあります。
コロプラは現在「白猫プロジェクト」のSwitch版を制作中なので
裁判の行方も含めて両社の関係は任天堂主導で動いているのは間違いない。
本作に対してコロプラが何らかの声をあげることも無いだろう。
勝負ありと確信した上で、格下のメーカーがコツコツと築き上げたモノを
堂々と拝借して我がものにしているのだとしたら、なかなかにエゲつない。
スマホゲー界隈で最近良く見掛ける弱肉強食のシェア争いを、
まさか任天堂がやるとはな。
私としては、ユーザーレベル365、最高レアのキャラをクラスチェンジして
インゴッド交換した武器を持たせる
（要するに向かうところ敵無しの強さのはず）まで育てても
瞬殺されることが増えてきた「白猫」の難易度上昇に辟易していることもあり、
しばらくは2作を並行して遊んでいくつもりにしている。
「パズドラ」同様、古参の方だけを向いた難易度調整に走り始めると
そのゲームの終焉は近いので、コロプラは今こそ逆に「ドラガリアロスト」を研究し、
見習うべきところは見習ってもう少し気軽に楽しめるバランスを考えて欲しい。
どちらも遊んでいない方が今から始めるなら
今ならまだユーザーが横並びなので「ドラガリアロスト」がお薦め。
iOS「ドラガリアロスト」は現在配信中。
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