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▼Netflix「クローバーフィールド パラドックス」縛りゼロの自由空間
POVを駆使したパニック映画から始まったかと思えば
前作ではキ印男が女性を閉じ込める密室サスペンスへと大胆な路線変更。
そして3作目ではNetflix制作による配信映画、
ジャンルはSFともう好き放題な「クローバーフィールド」シリーズ最新作。
地球の深刻な資源不足を解消するため
新たなエネルギーを確保するため宇宙ステーションで働く乗組員達。
しかし、彼等を待ち受けていたのは想像もしないトラブルだった。。。
出演はダニエル・ブリュール、ググ・ンバータ=ロー、チャン・ツィーなど。
制作はJ・J・エイブラムス。
告知から公開までが早いのは
前作「10 クローバーフィールド・レーン」でもお馴染みであったが
今回は発表後すぐさま配信開始と、Netflixの強みを最大限に活かした形だ。
さて内容はというと、エンディング到達1分前ぐらいまで
何故これが「クローバーフィールド」を名乗っているのだろうと不思議に思っていた。
(もともとは「ゴッド・パーティクル」なる仮タイトルが付けられていた)
しかし、いざ終わってみると若干強引なことは認めるものの、
なるほど確かに「クローバーフィールド」である。
「10 クローバーフィールド・レーン」も終了10分ぐらい前から
ほぼ力技でシリーズの世界へと繋がっていったことを思うと
「クローバーフィールド」のコンセプトが浮かび上がって来る。
世界観もジャンルも何でもあり、ただし最後だけは辻褄を合わせてね、ということなのだろう。
密室劇でのバトルも、宇宙空間でのトラブルも、
全ては「アイツのいる世界での出来事」というたった1点の要素のみで繋がっている。
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ストーリーは「エイリアン」時代から良くあるパニックSF。
近年で言えば演出面では「ライフ」に近く
少しだけ「インターステラー」っぽい要素を含ませている。
もちろん、ノーランほど緻密に構成された世界観ではなくやっつけ感満載ではあるが、
現在劇場公開中の「ジオストーム」っぽさもぶち込んで
グルグル煮込んだら案外イケる闇鍋SFになった、という感じ。
ハリウッドに進出してからどうもパッとしないダニエル・ブリュールや
全く英語を話さないのに他のクルーと会話が成立しているチャン・ツィーも
B級っぽさに拍車をかけていて、ネタ映画好きならば喜ばれる逸品と言えるだろう。
考えてみれば1作目の「クローバーフィールド」からして
POVにパニック映画と特撮(怪獣)映画をミックスさせた闇鍋映画だったのだから
今後も縛りゼロの自由空間で好きな方向に枝葉を伸ばして育っていって欲しい。
Netflix「クローバーフィールド パラドックス」は現在配信中。
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国際宇宙ステーションを舞台にしたSFサスペンス。
火星の土壌より発見された未知の生命体が
宇宙飛行士達を恐怖のどん底に叩き落とす定番の展開。
出演はジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、
レベッカ・ファーガソン、真田広之。
監督は「デンジャラス・ラン」のダニエル・エスピノーサ。
予告編を見るとどうしたって「エイリアン」を思い起こさせるし
実際に観てみてもやはり「エイリアン」の亜種であって、
同じSFで言うならば「パッセンジャー」と同じ
観れば面白いけれど没個性感は否定できない系統の典型的二番手。
ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、
レベッカ・ファーガソンまで揃えてこの程度では
期待値に見合っているとは言い難いか。
ただ、先ほども書いた通り観れば面白い。
この手のジャンルがお好きなら観ても良し。
発売中■Blu-ray:「10 クローバーフィールド・レーン」
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2008年に公開されたパニック映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」で
一躍名を上げたJ・J・エイブラムスが8年振りに仕掛けたのがこちら。
地下シェルターに閉じ込められた男二人と、
彼らとの共同生活を強いられるヒロインとの緊迫感ある生活を描いたサスペンス。
監督は本作が長編デビューとなるダン・トラクテンバーグ。
使い回しの利かない一発芸的な前作でどう続編を作ったのか興味津々だったが、
POVはおろか肝のSF要素すら背景程度にとどめ
ほぼ3名だけで繰り広げられる密室劇をメインに据える大胆なアレンジ。
「クローバー・フィールド」との共通項は舞台となる街と時間軸であり、
『前作の事件が発生していた頃の別の場所の物語』と考えると分かり易い。
とびきりのキ印キャラを演じているのが、
温厚を絵に描いたようなキャラを演じることの多いジョン・グッドマン。
普段の彼のイメージからして悪い人では無さそうだが、
ふとした瞬間に底知れぬダークサイドが垣間見え、
また強面なだけの寂しい男なのかと思わせて、、、と
100分ほどの間に観客を翻弄し続ける怪演を見せてくれている。
制作費を増やしたパニックムービーの第2弾だと思っていたら
鮮やかに裏切られる掘り出し物の快作。