映画「スター・ウォーズ最後のジェダイ」キャリー・フィッシャーの勇姿を刻み込め

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▼映画「スター・ウォーズ最後のジェダイ」
〜キャリー・フィッシャーの勇姿を刻み込め〜

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昨日18時頃、前夜祭会場（東宝シネマズ）は異様な熱気に包まれていた。
右にトルーパーの格好のままでジュースを飲む若者がいれば
左には髭までつけて老ルークになりきった方がセーバーを構える。
優れたコスプレにはマスコミのフラッシュやマイクが向けられ、
私のような非コスプレ派はコンセッションに並び
特製ボトルキャップ付きのドリンクとBB-8型のポップコーンバケツを手にした。
監督やマーク・ハミルらによる前夜祭参加者に向けた限定映像が流れ、
いよいよ本編上映開始。
馴染みのテーマ音楽に合わせてあがる歓声と拍手。
みんな「スター・ウォーズ」が大好きなのだ。

存続の危ぶまれた「スター・ウォーズ」サーガの完結だが
ディズニー傘下になったことによりトントン拍子に話が進み
2015年に「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が公開。
翌年にはスピンオフの「ローグ・ワン」が公開になり、
さらに今年「最後のジェダイ」と、まるで止まりかけていた時計が
遅れた時間を取り戻すかのように倍速で進んでいる感覚である。
フォースを覚醒させたレイと響き合うカイロ・レンとの関係は、
そして、ファースト・オーダーとレジスタンスの戦いの行方は。
出演はデイジー・リドリー、アダム・ドライヴァー、ジョン・ボイエガ、
オスカー・アイザック、ドーナル・グリーソン、マーク・ハミル、
そして本作が遺作となってしまったキャリー．フィッシャー。
本作からの新規組はローラ・ダーン、ベニチオ・デル・トロなど。
監督は2012年公開の「LOOPER／ルーパー」が
話題を集めたライアン・ジョンソンが大抜擢され、
「ローグ・ワン」のギャレス・エドワーズに続き若き人才を
どんどん採用する柔軟さでシリーズの若返りも目指している。

ストーリーは「フォースの覚醒」と地続きの
『完全初心者お断り』の大胆さ。
「分からなければ勉強して出直せ」のスパルタ方式は
初心者が入り易いようにと配慮されていた「I」〜「III」に比べると
敷居は高いが、初代三部作に近い骨太なストーリーになっている。
Ｊ・Ｊ・エイブラムスが監督を務めた「フォースの覚醒」は
スピルバーグやルーカス作品を観て育ったＪ・Ｊからの
公開ラブレターのような内容だったが、
本作のライアン・ジョンソンはオマージュはやや後ろに引っ込めて、
Ｊ・Ｊが植えた新しい苗を充分に育て、もう一度Ｊ・Ｊに戻すため
（次回作は再びＪ・Ｊがメガホンをとることが発表済み）の
最高の中継ぎを目指しているように見受けられる。

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あまり詳しくは書きたくないのだが、
一点だけ私が特に好きな部分を挙げるならば
人には与えられた使命があり、
役割を受け入れるための器も決まっている、ということ。
リーダーとしての資質、サブリーダーとしての資質、
自分に見合うポジションはどこなのかを知り、
覚悟を決めた者が最高の力を発揮するのだ。
本作ではアミリン・ホルドー中将の生き様に特に心惹かれた。

BB-8の活躍がそれほど多くなかったことは残念だったし、
戦闘シーンが「ローグ・ワン」に比べてやや淡白なこと、
（おそらく）シリーズ中一番お笑いの要素が強いことなどは賛否あろう。
だが、そういった諸々の小さな不満は
マーク・ハミル演じるルークの深い愛情と、
まるで自身の死を悟っていたかのように全編に渡って活躍した
キャリー・フィッシャー演じるレイアの勇姿で全てチャラ。
初代三部作も含めて本作のレイアが一番印象に残ったし、カッコ良かった。
エンドロールでキャリーの名前が出た時に
会場で拍手が起こったのも納得。私もそこで思わず涙腺が緩んでしまった。
レイアの存在はレジスタンスにとって希望の旗標そのものだっただけに、
どういった形でレイアを物語から外すのか
（外さなかったとすればどういう形で登場させるのか）は
「エピソード9」の最大の関心事となりそう。

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まだ1回観ただけなので今後どう変化するかは未定だが
今のところ「ローグ・ワン」にはあと一歩届かずといったところか。
今後の展開を考えるに、本作では重要な分岐点がいくつもあるので
「スター・ウォーズ」ファンは見逃し厳禁。
私もマンスリーパスを使ってあと数回は劇場で観る予定。

映画「スター・ウォーズ最後のジェダイ」は本日より公開。