▼今週発売の新作ダイジェスト
10月18日発売■Blu-ray：「メッセージ」
10月18日発売■Blu-ray：「メッセージ 4K ULTRA HD」
10月18日発売■Blu-ray：「未知との遭遇 40周年アニバーサリー・エディション」
10月18日発売■Blu-ray：「未知との遭遇 40周年 4K ULTRA HD」
10月18日発売■Blu-ray：「夜明け告げるルーのうた 限定版」
10月18日発売■Blu-ray：「夜は短し歩けよ乙女 特装版」
10月19日発売■PS4：「グランツーリスモSPORT」
10月19日発売■PS4：「いただきストリートDQ & FF 30th ANNIVERSARY」
10月19日発売■PSV：「いただきストリートDQ & FF 30th ANNIVERSARY」
10月19日発売■PS4：「巨影都市」
▼映画「アトミック・ブロンド」流行に背を向けたスパイ映画の佳作
今年公開された「ベイビー・ドライバー」や
来年1月公開予定の「キングスマン：ゴールデン・サークル」など
アメコミ全盛の時代を反映してか、
近年のエージェントモノやスパイ映画のスーパーヒーロー化が進んでいる。
派手なアクションとオシャレ演出でオタク心をくすぐる流れに
真っ向からNOを突きつけるのが、今週末より公開の「アトミック・ブロンド」。
イギリスの秘密情報部・MI6でスパイをしているロレーン・ブロートン。
彼女に与えられた任務は、厳しい冷戦中のベルリンで消えた最高機密リストの奪還。
しかしリストの存在を知るスパイが世界中から集結しており
一筋縄ではいきそうにない。
主演は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のシャーリーズ・セロン。
共演には「スプリット」の怪演も記憶に新しいジェームズ・マカヴォイ、
「キングスマン」「ザ・マミー／呪われた砂漠の王女」のソフィア・ブテラ。
監督はキアヌ・リーブスの再ブレイクのきっかけとなった
「ジョン・ウィック」で共同監督を務めていたデヴィッド・リーチ。
「ジョン・ウィック：チャプター2」の監督から降りて
手掛けたのが本作である。
ちなみに監督の次回作は、マーベルいちの問題児が主人公の「デッドプール2」。
ストーリーとアクションは旧態依然とした作りで
シーンごとに表情を変えるセロンの七変化と相まって懐かしい雰囲気。
「ジョン・ウィック」ほどアクション主体ではないが
ワイヤーや特撮に頼らない「鈍い痛さ」をしっかり感じる格闘シーンが多く、
殴ったセロンが痛かったのではと思うほど効果音も痛々しい。
階段を何段も一気に飛び降りたり、飛行機の上で闘ったりもしない。
この辺の生身を感じさせる演出は、さすがスタント出身の監督だけのことはある。
ストーリーは誰が誰を騙しているのか、腹の探り合いに力点が置かれていて
マガヴォイの狸っぷりも楽しい。
アクションとストーリーで古き良きスパイ映画を踏襲した分、
ファッションや音楽面では遊び心もあり、思わずサントラが欲しくなる。
冷戦下のベルリンの社会情勢や歴史的な背景に詳しくないと
話に乗り切れない部分もあり、登場人物の多さも相まって
さらっと観て楽しめる映画ではない。
例えば、「キングスマン」や「コードネーム U.N.C.L.E.」、
スパイ映画の最高峰の「007」シリーズも、
歴史に詳しくなくてもちゃんと楽しめるように作られているが
本作はそういった救済策はとっていない、ガチのスパイ映画である。
発売中■Blu-ray：「モンスター」
発売中■Blu-ray：「スタンドアップ」
「マッドマックス」の流れでこの役が舞い込んできたのかは知らないが
セロンは「モンスター」「スタンドアップ」以来の線の太い人物を演じている。
コメディの「ヤング≒アダルト」や
自身の生い立ちを想起させる「ダーク・プレイス」といった良作で
コツコツ積み上げてきたイメージを、結局こういった役で
全部塗り替えてしまうのは少し残念。
私的には「ヤング≒アダルト」のような作品がまた観たい。
軽く楽しめるスパイ映画を期待しているなら、素直に「キングスマン」まで待つべし。
「ジョン・ウィック」が楽しめた方ならば、劇場で観る価値はある。
映画「アトミック・ブロンド」は10月20日より公開。
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【紹介記事】映画「ヤング≒アダルト」どうしようもないのに憎めないオンナ、37歳。
【紹介記事】映画「ダーク・プレイス」過去と決別するために
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