Blu-ray「10 クローバーフィールド・レーン」10月20日発売、他 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

Blu-ray 10 クローバーフィールド・レーン


▼今週発売の新作ダイジェスト


08月18日発売■PS4:「テイルズ オブ ベルセリア」
08月18日発売■PS3:「テイルズ オブ ベルセリア」
08月20日発売■BOOK:「リンネル 2016年 10月号 [雑誌]」(楽天ブックス)



▼緊張感溢れる密室劇の快作。映画「10 クローバーフィールド・レーン」


10月20日発売■Blu-ray+DVD:「10 クローバーフィールド・レーン」

2008年に公開されたパニック映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」
一躍名を上げたJ・J・エイブラムスも
今や「スタートレック」「スターウォーズ」の2大SFを撮った若き巨匠に。
あれから8年、エイブラムスが新たに仕掛けたのがこちら。
地下シェルターに閉じ込められた男二人と、
彼らとの共同生活を強いられるヒロインとの緊迫感ある生活を描いたミステリー。
監督は本作が長編デビューとなるダン・トラクテンバーグ。
前作の監督を務めたマット・リーヴスは
その後「モールス」「猿の惑星:新世紀」を手掛ける
ヒットメーカーとして急成長したので、この監督も今後要注目である。


10月20日発売■Blu-ray+DVD:「10 クローバーフィールド・レーン」


発売中■Blu-ray:「クローバーフィールド/HAKAISHA」

前作の公開当時は、POVと言えば「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」
「パラノーマル・アクティビティ」に代表される
低予算の少なさを逆手にとったホラー界の救世主だった。
そんな時に、ホラーではなくパニック映画を撮ったエイブラムスはやはり違う。
画面酔いが激しさをものともせず映画は大ヒットし、
現在のエイブラムスを形成した初期の代表作として今も語り継がれている。

使い回しの利かない一発芸的な前作でどう続編を作ったのか興味津々だったが、
POVはおろか肝のSF要素すら背景程度にとどめ
ほぼ3名だけで繰り広げられる密室劇をメインに据える大胆なアレンジ。
「クローバー・フィールド」との共通項は舞台となる街と時間軸であり、
『前作の事件が発生していた頃の別の場所の物語』と考えると分かり易い。
ホラー好きに例えて説明するならば「REC」と「REC 3」のような関係である。

とびきりのキ印キャラを演じているのが、
温厚を絵に描いたようなキャラを演じることの多いジョン・グッドマン。
普段の彼のイメージからして悪い人では無さそうだが、
ふとした瞬間に底知れぬダークサイドが垣間見え、
また強面なだけの寂しい男なのかと思わせて、、、と
100分ほどの間に観客を翻弄し続ける怪演を見せてくれている。

扉の向こうに何が在るのか。
何か「いる」のか。
部屋の中は安全なのか。
目の前の男は信用できるのか。
ヒロインの周囲には不確かな情報しかなく
断片的な情報をいくら掻き集めても確信を得られない不安が
次第に観客と同期してなんとも息苦しい。

制作費を増やしたパニックムービーの第2弾だと思っていたら
鮮やかに裏切られる掘り出し物の快作。

監督のダン・トラクテンバーグは
ゲームを題材にしたムービーをYouTubeで公開し、
それがエイブラムスの目に留まり大抜擢されたとか。
今月末公開のホラー映画「ライト/オフ」で
監督を務めるデヴィッド・F・サンドバーグも
やはりYouTubeでホラー短編をアップしていたところを
「死霊館」のジェームズ・ワンに見出され監督の座を手に入れた。
「アナベル 死霊館の人形」の続編の監督も決定している。
新人監督がYouTubeから出てくるのも凄いが
見つけてくるヒットメーカー達も凄い。
ネタ系動画ばかりが話題になる日本のYouTuberももう少しなんとかならんか。

Blu-ray「10 クローバーフィールド・レーン」は10月20日発売。



▼その他の新作Blu-ray


11月02日発売■Blu-ray:「クリーピー 偽りの隣人」
11月02日発売■Blu-ray:「クリーピー 偽りの隣人 豪華版」

【紹介記事】分類・理解、全て不可能。映画「クリーピー 偽りの隣人」

第15回・日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた前川裕のベストセラー小説を
「岸辺の旅」で新境地を開拓した黒沢清監督が映画化した
ミステリー・サスペンス「クリーピー」のBlu-ray化が決定。

警察を退職し、大学で犯罪心理学を教えている主人公とその妻が
郊外の一軒家へと引っ越してくる。
見晴らしも良く閑静な住宅地での暮らしは、穏やかな新生活を予感させたが
近隣住民は愛想のない人ばかり。
とくに西野と名乗る男は、言動に掴みどころがなく薄気味悪さを感じさせた。
ある日、かつての同僚から6年前に起きた一家失踪事件の分析を依頼される。

隣人の西野は、犯罪心理学で言うところの「混合型」の人間である。
「ハッピーボイスキラー」のジェリー・ヒックファンにも
「ヒメアノ~ル」の森田正一にも、凶行に駆り立てた種は見えていたが
西野には何もない。
分類することも、理解することも不可能な完全体のシリアルキラー。
引っ越してきたらお隣さんが「悪魔のいけにえ」の家族だったぐらいの
オーラをまとった香川照之は、「悪の教典」の伊藤英明を凌駕するキ印全開ぶり。
「黒い家」の大竹しのぶに匹敵する名キャラクターと言っていい。
西野の娘を演じた藤野涼子も「ソロモンの偽証」の次がこれでいいのか本当に。

ミステリーとしては気になる点が多い。
幸一は後手に回り過ぎるし、警察も全くの無能集団。
西野の家の間取りは不可解だし、
そもそもあの家をどうやって改造したのかなどなど
細かく挙げ始めればキリがないほど粗はある。
しかし、現実に存在するとは思えない西野の怪物性が全てを呑み込み
歪さも含めて全てを混合型の恐怖へと昇華させてしまうのだ。
香川照之は名演よりも怪演の俳優なので
今さら狂人を演じたところで大した新味は出ないだろうと思っていたが
いやぁ、これは参った。完敗。




10月05日発売■Blu-ray:「007 / ダニエル・クレイグ コレクション」

粘り強く交渉を続けていたスタジオ側も
ついに降板の意向を受け入れるようで、後任探しが始まっている「007」シリーズ。
ダニエル・クレイグ演じるボンド4作をセットにしたBlu-rayが発売決定。
2作パック、3作パックと新作公開の度にセットが発売されてきたが
「スペクター」が最期になるならこれは良い買い物。
4作入りで4,000円(Amazonの値引き価格)1作あたり1,000円もリーズナブル。


46%OFF(2,345円)■Blu-ray:「007 スペクター」

本編だけならサブスクリプションでいい。
セル版のお目当ては特典映像だという方なら、ちょうど今セール中のこちらを。