紀里谷監督のナルシシズムは健在。映画「ラスト・ナイツ」 | 忍之閻魔帳

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ラスト・ナイツ 映画 紀里谷和明


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▼紀里谷監督のナルシシズムは健在。映画「ラスト・ナイツ」

*「ナルティシズムが気になる」とのご指摘をいただいたので
 「ナルシシズム」に修正しました。(11月11日)


少なくとも日本国内に関しては
未だに「映画監督」よりも「宇多田ヒカルの元亭主」として
認知されていそうな紀里谷和明監督の3作目は何とハリウッド映画。
赤穂浪士の仇討ち(赤穂事件)を描いた忠臣蔵をベースに
キャラクターや世界観を置き換えた脚本を、クライヴ・オーウェン、伊原剛志、
モーガン・フリーマン、アン・ソンギ、といったキャストで描くアクション大作。



「CASSHERN」「GOEMON」ときて「LAST KNIGHTS」。
ハリウッドに進出するからには何か和テイストのものをと思って
この作品を選んだのかも知れないが、そもそもこのストーリー(脚本)は
忠臣蔵のオマージュだと言いながら
武士道や忠義というものを全く理解していないように思える。
そして紀里谷監督はこの本に対して何の疑問も持たずに
制作を進めたのかだろうかと首を傾げてしまうのだ。

ここで忠臣蔵の簡単なおさらいを。
江戸城松之大廊下で赤穂藩藩主・浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかり、
浅野は即日切腹を命じられ、赤穂藩もお取り潰しとなってしまう。
しかし、家臣からも慕われる人格者であった浅野が
刃傷に至るまでの経緯は明かされず、一方の吉良は全くのお咎無しであったことから
大石内蔵助を始めとする家臣47人が吉良を討つために立ち上がる。

「ラスト・ナイツ」で置き換えるならば、クライヴ・オーウェンが大石内蔵助で
モーガン・フリーマンが浅野内匠頭に該当するはずなのだが
クライヴ内蔵助はどう見ても騎士(武士)道精神に欠けているし
モーガン内匠頭も家臣に慕われるような人格者にはとても見えない。
吉良ポジションにあたるアクセル・ヘニーに賄賂を要求されたモーガン内匠頭が
きっぱりと断る流れはまぁ良いとして、問題は断りかたである。
何がそんなに腹が立ったのか、モーガン内匠頭は最初から喧嘩口調で
吉良ヘニーを小馬鹿にし、口汚く罵ったために処罰を受けることになる。
清廉さ故の毅然とした態度ではなく、単なる罵声を浴びせるモーガン内匠頭を見ていると
これだけ悪態をつけば怒りを買って当然としか思わない。
おまけに、斬首刑の執行人を命じられたクライヴ内蔵助は
あっさりとこれを受けて大恩あるモーガン内匠頭を手にかけてしまうのだ。

なんなんだそれは、ふざけるのもいい加減にしろ。

大筋が忠臣蔵なのでストーリーが予想の範囲内なのは仕方ないとしても
アレンジの仕方が原作レイプにも等しい酷いもので
こんな脚本を文句も言わず引き受けたのだろうかと思うと
観ていて段々腹立たしくなってくる。

聞いた話、本作の字幕制作にあたり
紀里谷監督は字幕翻訳家の戸田奈津子にひとつひとつ場面の説明をし
細かな言い回しなどについても細心の注意をはらったとのこと。
つまり本作の字幕は監督のお墨付きなのだ。
監督のお墨付きでこの本とは恐れ入る。

忠臣蔵と完全に切り離したオリジナルストーリーだとしても人物描写が三流で、
クライマックスでクライヴ内蔵助とタイマンを張る伊原剛志など
最初から最後まで「何故かそこに居た」レベルの木偶の坊ぶり。
ハリウッドで活躍する日本人俳優など他にいくらでもいたろうに。

赤穂浪士を原案にしたハリウッド作品としては
あのトンデモ映画「47 RONIN」の足元にも及ばない。


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赤穂浪士の討ち入りをモチーフに、四十七士の中でも謎の多い47番目の浪士を
天狗に育てられた外人にしてしまった「47 RONIN」は、
ハリウッド版「里見八犬伝」といった感じで
ファンタジー色を強めたアレンジは、別物としての割り切った楽しさがあった。
「くだらねー」と言いながら、「くだらねー」と口にする
私の表情は軽く笑んでいたのである。

「ラスト・ナイツ」は忠臣蔵へのオマージュとしては許し難いし
騎士道精神を描いたアクション映画としても見所がない。
ビジュアル面だけがウリだった紀里谷作品なのに
今作では自然光を重視した撮影をしたらしく、
終始画面が暗くて何が起こっているのか分からない場面が多々ある。
見せ場であるはずの後半の討ち入りのシーンも、
画面が暗いせいで大勢がごちゃごちゃしていることしか分からず消化不良気味。

貧弱な脚本はそのままに、映像にも見所がないとすれば
これは一体「誰に」「何を」見せるために作られた映画なのだろうか。
5年もの歳月を費やした紀里谷監督の狙いが全く見えない。

洋画の買い付けに関しては目利きであるはずのギャガが
なぜこんな映画を配給しようと思ったのだろう。
ストレート扱いでもレンタル屋ですぐに埋没するレベルだろうに。
あまりこの手のことは書きたくないが
Yahoo!映画の満点連発は何かしらの組織が動いているとしか思えない。


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「CASSHERN」「GOEMON」が楽しめた方にも
歴史モノ+アクションの組み合わせがお好きな方にも薦め辛い。
紀里谷監督のナルシシズムだけは充分過ぎるほど伝わってくるので
前2作でもそこに色気を感じていたファンなら、か。

映画「ラスト・ナイツ」は11月14日より公開。



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