▼今週発売の新作ダイジェスト
11月04日発売■CD+Blu-ray：「日出処 初回限定盤A / 椎名林檎」
11月04日発売■CD+DVD：「日出処 初回限定盤B / 椎名林檎」
11月05日発売■Blu-ray：「X-MEN：フューチャー & パスト 3枚組コレクターズ・エディション」
11月05日発売■Blu-ray+DVD：「X-MEN：フューチャー & パスト」
11月05日発売■Blu-ray：「エイリアン H.R.ギーガー・トリビュート」
11月05日発売■Blu-ray：「エイリアン 日本語吹替完全版 コレクターズBOX」
11月05日発売■Blu-ray：「ゴールドフィンガー 製作50周年記念版」
11月05日発売■Blu-ray：「ミッキーのクリスマス・キャロル 30th Anniversary Edition MovieNEX」
11月05日発売■Blu-ray：「ミッキーのクリスマス・キャロル 30th MovieNEX ギフトバッグ付き」
11月08日発売■3DS：「Newニンテンドー3DS LL 大乱闘スマッシュブラザーズ エディション」
▼ちょっといい噺。映画「トワイライト ささらさや」
悔いを残したままこの世を去った人達の想いを描いたドラマが増えている。
このところ 相次いでいる自然災害や事故とも関係しているのかも知れないが、
不意に目の前から居なくなってしまった大切な人と
夢でもいいから会いたいと願うのは誰しもが抱く感情だろう。
明日より公開される映画「トワイライト ささらさや」もそんな1本。
原作は加納朋子のベストセラー小説「ささら さや」。
主演の夫婦には大泉洋と新垣結衣。
共演は中村蒼、福島リラ、つるの剛士、小松政夫、石橋凌、富司純子。
監督は「60歳のラブレター」「神様のカルテ」「洋菓子店コアンドル」
「くじけないで」など、心温まるドラマを得意とする深川栄洋。
身重の新妻を残し事故で亡くなった落語家が
妻の周辺の人々に憑依しながらサポートする人情劇。
腕も上がらず、現世では最期まで陽の目を見ることのなかった落語家が
唯一手に入れた幸福が、美人の若妻。
待望の子も授かり、これからという時に事故で亡くなってしまったのだから
灰になったところで素直に成仏するはずもなく
霊体である自分を見えている人間の身体を借りて、あれこれと妻のサポートをする。
ただし、同じ人間の身体は二度は借りられない。
この縛りがミソになっている。
主演にクレジットされている大泉洋は出番がそれほど多くない。
主人公は間違いなく大泉演じるユウタロウなのだが
物語の重要な部分はユウタロウが憑依した人間であり
小松政夫であったり、富司純子であったり、中村蒼であったりといった
『憑依される側』の芝居が重要なウエイトを占めている。
ターゲットが皆達者なおかげで、観客は劇中に登場しないユウタロウ（大泉）を
仮の肉体の向こうに見ることができるのである。
ストーリーは夫婦愛と親子愛を織り交ぜて進行するベタな展開で
松竹の人情劇を見ているような安心感がある。（本作の配給はワーナー）
波乃久里子や藤田弓子を 脇に置いているあたりが、いかにも深川監督らしい。
「ウルヴァリン:SAMURAI」でいきなりハリウッドデビューを飾った福島リラも
はすっぱな女を好演していて、ささら町の住人達が
傷心のヒロインを優しく包み込んでいる。
「ALWAYS 三丁目の夕日」を意識してか、
タイトルに「トワイライト」を付け足してしまったことや
大泉洋の役柄が「青天の霹靂」と被り過ぎな点は気になるものの
どんな世代がどんな組み合わせで見ても楽しめる作品は貴重と言えるかもしれない。
ただ一点。
落語のように軽妙な語りで始まった物語を
「お後がよろしいようで」と〆るのであれば
エンドロールで流れるコブクロの「Twilight」はクド過ぎ。
せっかくの「ちょっといい噺」が、
最後で「さぁ泣け！まだ泣かないのか！」と押し付けられているようで勿体なかった。
もっとあっさりした曲で終わってくれた方が余韻が深まったのでは。
映画「トライライト ささらさや」は11月8日より公開。
発売中■DVD：「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」
発売中■DVD：「椿山課長の七日間」
「黄泉がえり」の大ヒット以降、「天国の本屋」「この胸いっぱいの愛を」
「いま、会いにゆきます」「神はサイコロを振らない」など、
死者の甦りを扱ったファンタジーがすっかり定着した。
「花田少年史」や「椿山課長の七日間」もそんな時期に制作された2本。
「椿山課長」は西田敏行が伊東美咲になって甦るコメディで
物語の大半を伊東美咲が引っ張っていくにも関わらず、
観客が見ているのは伊東美咲の背後に潜む西田敏行の影という点まで
「トワイライト ささらさや」に似ている。
発売中■Blu-ray：「ステキな金縛り」
冤罪で逮捕されてしまった男の唯一のアリバイ証言
「事件発生当時に金縛りにあって動けなかった」を立証するため、
男に取り憑いていた落ち武者の霊を証人台に立たせる法廷コメディ。
主演の新米弁護士には深津絵里。
共演は阿部寛、竹内結子、市村正親、中井貴一、西田敏行。
霊を使った作品は数あれど、無罪を勝ち獲るために
落ち武者から証言を取ろうとするあたりがいかにも三谷幸喜らしい着眼点。
速射砲のように繰り出される小ネタの数は過去最高峰。
阿部寛がタップを披露し、中井貴一は犬と戯れ、市村正親は宙を舞い、
生瀬勝久は定番のヅラネタで仕掛けて来る。
制限時間内にどれだけネタを詰め込めるかという
「M-1」スタイルの脚本に力を注ぎ過ぎて、裁判の焦点となっている
「幽霊の証言を認めるか否か」からはやや脱線してしまったような気も。
名人芸の域に達した西田敏行と中井貴一の芝居合戦を楽しむ作品。
発売中■Blu-ray：「ツナグ」
直木賞作家・辻村深月の吉川英治文学新人賞受賞作である同名小説を
「ROOKIES」「JIN」「とんび」の平川雄一朗監督が映画化したのが「ツナグ」。
「死者と一度だけ再会できるとしたら」をキーワードに
この世を去った者の想いと、残された者の想いを両面から描いたファンタジー・ドラマ。
主演は松坂桃李。共演は樹木希林、橋下愛、佐藤隆太、遠藤憲一、八千草薫、仲代達矢。
最大公約数を狙った感動作を作らせたら右に出る者のいない
平川監督の直球演出は本作でも健在。
誰しもが経験する「もし今、あの人が生きていたらどうしただろうか」を
叶えることの出来る「ツナグ」によって、母と息子、クラスメート、恋人達が
伝え損なった想いを届けてゆく一話完結のスタイル。
特殊能力はドラマを構成する上でのエッセンスに過ぎず
土台は親子愛や友情といった普遍的なもの。
このバランス配分の上手さが、ファンタジックなドラマにリアリティを与えている。
特に橋本愛のエピソードはシナリオ、芝居共に素晴らしかった。
主演の松坂桃李は、樹木希林演じるツナグから能力を受け継ぐ孫の役回り。
時としてルールを破ってしまう未熟さと、人なつっこさが抜群にハマった当たり役だ。
使える能力の違いはあるが、演出法やストーリー構成は
安藤政信主演の映画版「サトラレ」に近い。「サトラレ」で泣いたという方ならお勧め。
▼映画「想いのこし」11月22日公開、「Hulu」試写会も
偶然にも11月22日より、本日紹介した「トライライト ささらさや」と
かなり題材的に被っている作品「想いのこし」が公開される。
監督は「ツナグ」の平川雄一朗。
主演は岡田将生。共演は広末涼子、木南晴夏 、高橋努、佐藤二朗、鹿賀丈史。
突然の交通事故で亡くなった4人の想いを、
岡田将生演じる主人公ガジロウに託すストーリー。
配給元は東宝から東映に変わっているが、扱うテーマの近似性や
平川監督作品であることから「ツナグ」の続編的な香りがする。
なお、「想いのこし」は公開目前の11月18日に
「Hulu」会員のみ無料で全編視聴可能なオンライン試写会が実施予定。
11月18日の19～24時にHuluにログインすることで鑑賞できる。
開始時間が指定されているわけではないが、5時間限定となっているので、
会員の方はお忘れないように。
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