濃い笑いより猫の増量を。映画「猫侍」 | 忍之閻魔帳

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▼濃い笑いより猫の増量を。映画「猫侍」

「ねこタクシー」「犬飼さんちの犬」「マメシバ一郎」「くろねこルーシー」と
動物+ゆる~いドラマの組み合わせで続々とヒット作を生み出している
永森裕二プロデュースの新作は、すっかりコミカル路線が定着してきた
北村一輝主演による猫+時代劇の「猫侍」。
タイトルを聞いてヒューマンから出ていた
PS用アドベンチャーゲームを思い浮かべる方もいるかも知れないが無関係。
共演は蓮佛美沙子、浅利陽介、戸次重幸、洞口依子、津田寛治、駒木根隆介、寺脇康文。
ん、駒木根隆介は昨日紹介した「愛の渦」にも出ていたな。
「SR サイタマノラッパー」で出て来た彼も味のあるバイプレーヤーになってきた。
監督は三池崇史監督作品で助監督を務めてきた山口義高。
ドラマ版の演出も同じ三池組の渡辺武と共同で手掛けていた。



もともとこの枠のドラマや映画はゆるさが身上。
どこにでもいる人々が
どこにでもある風景の中で
大切なパートナーである動物達と共に
平々凡々な毎日を送っている。
その合間合間に、くすりと微笑んだり胸がほっこりする出来事が起こる程度で良いのだ。

ガツガツと笑いを取りに来る三池テイストとの相性は
それほど良くないだろうと予告編の段階で覚悟はしていたのだが
本編は予想の斜め上を行く味付けの濃さで
時代劇という設定を外したとしても、
これまでの系統とは明らかに異なるテイストの作品になっている。

添え物扱いのようでいて、実は影の主役である動物の存在。
本作の場合は主人公のところに居着く猫の玉之丞だが
「たかが犬猫ごとき」を巡って人間達が激しい争いを繰り広げていながら
犬の可愛らしさも猫の可愛らしさもそれほど描けていない気がする。
正直な話、スクリーンショット(静止画)を超える絵が無いのである。
もしかして監督は、芦塚慎太郎監督(ねこタクシー、マメシバ)ほど
動物が好きではないのだろうか。

北村一輝は「SPEC」「テルマエ・ロマエ」で培われたセンスを
遺憾無く発揮して、劇中歌まで披露するサービスぶり。
五月蝿い外野はこの際ばっさり排除して
久太郎と玉之丞の生活に密着して作ったほうが
猫好きにとってもシリーズ好きにとっても、ついでに製作費的にも良かったのでは。

劇場版にも関わらず60分、しかも3Dで大勝負に出た「マメシバ一郎」に比べて
こちらはきっちり100分、ドラマをバージョンアップさせた
映画らしい仕掛けも一応ある。
しかし、少なくとも私はそういった気遣いは期待していないし
このシリーズのファンの多くは同じ気持ちではないかと思う。
大掛かりな映画は他にいくらでもある。
もっと猫を、もっと猫に悶える北村一輝を見せてくれ。
それだけで良いのだ。

映画「猫侍」は現在公開中。


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ドラマや映画では萌え足りない方に。
フォトブックは何とテーマソングのCD付き。


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  タイトル:猫侍
    配給:AMGエンタテインメント)
   公開日:2014年3月1日
    監督:山口義高
   出演者:北村一輝、蓮佛美沙子、寺脇康文。他
 公式サイト:http://nekozamurai.info/
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