第86回アカデミー賞、作品賞は「それでも夜は明ける」、他 | 忍之閻魔帳

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▼第86回アカデミー賞


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【関連記事】「風立ちぬ」も入った第86回「アカデミー賞」ノミネート作品発表

昨日の記事の中で

大まかな流れで言えば作品賞は「それでも夜は明ける」が、
主演男優賞は「ダラス・バイアーズクラブ」のマシュー・マコノヒー、
主演女優賞は「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェットがそれぞれ一歩リード。
編集、撮影などの技術賞は「ゼロ・グラビティ」が圧勝で
これだけはどの映画賞もほぼ横一列の結果となっている。


と書いていたのだが、まさにそのままの結果だった。
今年のオスカーは予想を裏切られた映画ファンが少なかったのではないか。
未だ根深い人種差別と政治的な意味で「それでも」が逃す可能性も考えていたが
世界各国の映画賞を席巻している同作を避けることは出来なかったか。
黒人監督の作品がオスカー作品賞を受賞したのは史上初。
主演男優、主演女優と少しずつ黒人俳優達の才能を認めてきた
ハリウッドの歴史が、ここでまたひとつ大きく動いた。
ノミネートはされなかったが「大統領執事の涙」と本作が
変わりつつハリウッドの今を象徴する2本だったように思う。

最多受賞は監督賞を始め7部門を獲得した「ゼロ・グラビティ」。
「ゼログラ」と並び最多10部門にノミネートされていた
「アメリカン・ハッスル」は無冠に終わる哀しいサプライズ。
悪い作品ではないのだが、今年は相手が悪かった。
「ベンジャミン・バトン」といい、最多ノミネート作品は結果でずっこけることが多い。

作品賞、主演男優賞、監督賞をトリプルで逃してしまった
マーティン・スコセッシ&レオナルド・ディカプリオのコンビ。
当BLOGの紹介記事でも少し触れたが、スコセッシと組んだ時のディカプリオは
賞穫りへの下心というか、執着がスクリーンから滲み出てしまっている気がする。



■作品賞

・『それでも夜は明ける』
・『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・『アメリカン・ハッスル』
・『ダラス・バイヤーズクラブ』
・『her / 世界でひとつの彼女』
・『キャプテン・フィリップス』
・『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
・『ゼロ・グラビティ』
・『あなたを抱きしめる日まで』

作品賞を獲得した「それでも夜は明ける」は、19世紀前半に実際に起こった
アフリカ系アメリカ人の誘拐事件を映画化した衝撃の伝記ドラマ。
南北戦争前のアメリカと奴隷生活の厳しさを描く。



主演はバイプレーヤーとして多くの作品に出演しているキウェテル・イジョフォー。
2005年の「キンキーブーツ」で巨体のオカマちゃんを演じて注目され
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督作品である
「トゥモローワールド」にも出演していた影の実力派。
共演は「悪の法則」のマイケル・ファスベンダー、
「スター・トレック」のベネディクト・カンバーバッチ、ブラッド・ピット、
「ルビー・スパークス」のポール・ダノなど実力派揃い。
監督はマイケル・ファスベンダー主演の「SHAME / シェイム」で
華々しいデビューを飾った期待の新鋭スティーヴ・マックィーン。

「それでも夜は明ける」の日本公開日は何と今週末の3月7日。
これ以上ない絶好のタイミングで公開となる。
配給は日本の映画業界で断トツの目利きであるギャガ。
ギャガ配給のオスカー受賞作品の何と多いことか。



■主演男優賞

・キウェテル・イジョフォー『それでも夜は明ける』
・マシュー・マコノヒー『ダラス・バイヤーズクラブ』
・ブルース・ダーン『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・レオナルド・ディカプリオ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
・クリスチャン・ベイル『アメリカン・ハッスル』



2月22日より公開されている「ダラス・バイヤーズ・クラブ」の
マシュー・マコノヒーが念願の主演男優賞を獲得。
やたらと脱ぎたがる、「体だけは綺麗な大根」時代も今は遠い昔。
「大統領の執事の涙」のリー・ダニエルズ監督が撮った
「ペーパーボーイ 真夏の引力」あたりから怪演が増え
「マジック・マイク」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の光る脇役を経て
ついに本作でオスカー像を手にした。
こちらもギャガ配給。



■主演女優賞

・ケイト・ブランシェット『ブルージャスミン』
・サンドラ・ブロック『ゼロ・グラビティ』
・ジュディ・デンチ『あなたを抱きしめる日まで』
・メリル・ストリープ『8月の家族たち』
・エイミー・アダムス『アメリカン・ハッスル』

ジュディ・デンチ、メリル・ストリープの二大女優を抑え
ウディ・アレン監督作品「ブルージャスミン」で
新たな魅力を開花させたケイト・ブランシェットが受賞。
天才肌の三人の激突となれば
サンドラ・ブロック、エイミー・アダムスの影が薄くなるのも止むなし。



何不自由のない結婚生活を送っていた女性が
離婚をきっかけに貧乏暮らしの妹宅に身を寄せるドラマ。
共演は「恋するベーカリー」のアレック・ボールドウィン。
日本公開は5月10日に決定している。
何とこちらもギャガ配給。



■助演男優賞

・マイケル・ファスベンダー『それでも夜は明ける』
・ジャレッド・レトー『ダラス・バイヤーズクラブ』
・ブラッドリー・クーパー『アメリカン・ハッスル』
・バーカッド・アブディ『キャプテン・フィリップス』
・ジョナ・ヒル『ウルフ・オブ・ウォールストリート』



■助演女優賞

・ルピタ・ニョンゴ『それでも夜は明ける』
・ジェニファー・ローレンス『アメリカン・ハッスル』
・ジューン・スキッブ『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・ジュリア・ロバーツ『8月の家族たち』
・サリー・ホーキンス『ブルージャスミン』



■監督賞

・アルフォンソ・キュアロン『ゼロ・グラビティ』
・アレクサンダー・ペイン『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・スティーヴ・マックィーン『それでも夜は明ける』
・デヴィッド・O・ラッセル『アメリカン・ハッスル』
・マーティン・スコセッシ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

監督賞はアルフォンソ・キュアロン。
革新的な映像表現だけに頼らず、宇宙空間に取り残された者の
孤独感や焦燥感にもスポットを当てた演出が素晴らしかった。

受賞を逃したスティーヴ・マックィーンはまだ44歳。
監督作品もまだ3作と若いので、次回作以降のさらなる大化けに期待。
おじさん心を映画化する達人、アレクサンダー・ペイン監督も穫って欲しかった。



■長編アニメ賞

・『風立ちぬ』
・『クルードさんちのはじめての冒険』
・『怪盗グルーのミニオン危機一発』
・『Ernest and Celestine』
・『アナと雪の女王』

宮崎駿監督の「風立ちぬ」はオスカー発表に合わせて拡大公開され
先週末の興収ランキングでも13位とかなり健闘したのだが
ディズニーの「アナと雪の女王」に競り負けてしまった。
「アナ」は観客の評価、興行収入も申し分なく
「風立ちぬ」が厳しいだろうとの見方が多かったのでまぁ予想の範囲内。
来年こそは「かぐや姫の物語」を出品していただきたい。



■短編アニメ賞

・『Feral』
・『Get a Horse!』
・『Mr. Hublot』
・『九十九』 
・『Room on the Broom』



■外国語映画賞

・『オーバー・ザ・ブルースカイ』
・『グレート・ビューティー / 追憶のローマ』
・「偽りなき者」
・「The Missing Picture」
・「Omar」



■撮影賞

・『グランド・マスター』
・『ゼロ・グラビティ』
・『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
・『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・『プリズナーズ』



■美術賞


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・『アメリカン・ハッスル』
・『ゼロ・グラビティ』
・『華麗なるギャツビー』
・『her / 世界でひとつの彼女』
・『それでも夜は明ける』

「ウフル・オブ・ウォールストリート」は主要賞を逃してしまったものの
ディカプリオ主演の「華麗なるギャッツビー」が美術と衣装デザインの2部門で受賞。
バス・ラーマンらしい美意識の高い作品だったのでここは妥当。
ちょうど今Blu-rayが半額セール中。



■衣装デザイン賞

・『アメリカン・ハッスル』
・『グランド・マスター』
・『華麗なるギャツビー』
・『The Invisible Woman』
・『それでも夜は明ける』



■作曲賞

・『The Book Thief』
・『ゼロ・グラビティ』
・『her / 世界でひとつの彼女』
・『あなたを抱きしめる日まで』
・『ウォルト・ディズニーの約束』



■視覚効果賞

・『ゼロ・グラビティ』
・『ホビット 竜に奪われた王国』
・『アイアンマン 3』
・『ローン・レンジャー』
・『スター・トレック イントゥ・ダークネス』



■長編ドキュメンタリー賞


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発売中■CD:「バックコーラスの歌姫たち オリジナル・サウンドトラック」

・『アクト・オブ・キリング』
・『キューティー&ボクサー』
・『Dirty Wars』
・『The Square』
・『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』

長編ドキュメンタリーを制したのは、当BLOGでは昨年最後に紹介した
「バックコーラスの歌姫たち」。

ステージ上で熱唱し、ファンを熱狂の渦に巻き込む大スター。
華やかなスポットライトを浴びるスターから
ほんの数メートル後ろに立っているのがコーラスガール。
力量だけならいつでもソロデビュー出来ると言われ、
トップスターから厚い信頼を得ながらも
決して数メートルの差を埋められない彼女達の苦悩の歴史と
これからをインタビュー形式で綴ったドキュメンタリー。
ダーレン・ラヴや、メリー・クレイトン、リサ・フィッシャー、タタ・ヴェガら
素晴らしい『歌手』が何人も登場する。
「THIS IS IT」でマイケル・ジャクソンと共演を果たし、
一躍時の人になったジュディス・ヒルの顔も。

エルヴィス・プレスリー、フランク・シナトラ、キャロル・キング、
ブルース・スプリングスティーン、スティーヴィー・ワンダー、
シェリル・クロウ、ベット・ミドラー、パティ・オースティン、、、
誰でも口ずさむことが出来るほどのヒット曲に関わっていても
曲名を聞いて浮かび上がるのはジャケットにクレジットされたスターの名前だけ。
レコードがCDになり、CDが配信になったことで歌詞カードが軽視され、
曲単位でどんなミュージシャンが関わっているのか気にしない方が増えた気がする。

自身もコーラス出身であるルーサー・ヴァンドロスのアーカイブ映像が
とても温かくて胸が熱くなる一方で、名前こそ出て来ないものの
アギレラやブリトニーがコーラスを軽視していることもこっそり暴いてみせる。
過去の栄光を振り返りつつ、「年々仕事が減っている」とぼやく彼女達は、
それでも決して歌を捨てない。彼女達の笑顔とパワフルな歌声は
商業的な成功ももちろんだが、何よりも生きる為に歌が必要なのだと
何よりも雄弁に物語っている。

どんなに上手くても陽が当たらない。
そこから這い上がるためには、力量以上の「何か」が必要。
その「何か」を発見し、掴めた者だけがスポットライトを独占できる。
ショー・ビジネスの厳しい現実を見つめつつ
歌に生きる素晴らしさも教えてくれる秀逸な作品。