「風立ちぬ」も入った第86回「アカデミー賞」ノミネート作品発表、他 | 忍之閻魔帳

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▼第86回「アカデミー賞」ノミネート作品が発表

映画好きにとって年に一度のお祭りであるオスカー賞レースがついに開始。
まずはオスカー以外の賞レースを振り返ってみる。

【関連記事】オスカー前哨戦の映画祭、続々と作品が出揃う

オスカーに最も近いと言われるゴールデングローブ賞で
作品賞を獲得した「それでも夜は明ける」「アメリカン・ハッスル」を軸に
最多10部門にノミネートされた「ゼロ・グラビティ」が絡む三つ巴の様相。
「アメリカン・ハッスル」も同じく最多の10部門だが
こちらは主演俳優&女優、助演男優&女優の4部門に全てノミネートされる快挙。
役者全員が絶賛されている、まさに芝居で魅せる作品のため
役者部門の完全制覇も期待されているとか。

■作品賞

映画 それでも夜は明ける 12 Years A Slave
・『それでも夜は明ける』

・『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・『アメリカン・ハッスル』
・『ダラス・バイヤーズクラブ』
・『her / 世界でひとつの彼女』
・『キャプテン・フィリップス』
・『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
・『ゼロ・グラビティ』
・『あなたを抱きしめる日まで』

■主演男優賞

・キウェテル・イジョフォー『それでも夜は明ける』
・マシュー・マコノヒー『ダラス・バイヤーズクラブ』
・ブルース・ダーン『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・レオナルド・ディカプリオ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
・クリスチャン・ベイル『アメリカン・ハッスル』

■主演女優賞

・ケイト・ブランシェット『ブルージャスミン』
・サンドラ・ブロック『ゼロ・グラビティ』
・ジュディ・デンチ『あなたを抱きしめる日まで』
・メリル・ストリープ『8月の家族たち』
・エイミー・アダムス『アメリカン・ハッスル』

■助演男優賞

・マイケル・ファスベンダー『それでも夜は明ける』
・ジャレッド・レトー『ダラス・バイヤーズクラブ』
・ブラッドリー・クーパー『アメリカン・ハッスル』
・バーカッド・アブディ『キャプテン・フィリップス』
・ジョナ・ヒル『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

■助演女優賞

・ルピタ・ニョンゴ『それでも夜は明ける』
・ジェニファー・ローレンス『アメリカン・ハッスル』
・ジューン・スキッブ『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・ジュリア・ロバーツ『8月の家族たち』
・サリー・ホーキンス『ブルージャスミン』

■監督賞

映画 ゼロ・グラビティ
・アルフォンソ・キュアロン『ゼロ・グラビティ』

・アレクサンダー・ペイン『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・スティーヴ・マックィーン『それでも夜は明ける』
・デヴィッド・O・ラッセル『アメリカン・ハッスル』
・マーティン・スコセッシ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

■長編アニメ賞

風立ちぬ 映画 宮崎駿 スタジオジブリ
・『風立ちぬ』

・『クルードさんちのはじめての冒険』
・『怪盗グルーのミニオン危機一発』
・『Ernest and Celestine』
・『アナと雪の女王』

宮崎駿監督の「風立ちぬ」が見事にノミネート。
最有力は累計興収2億ドルを突破し現在もヒット中の
「アナと雪の女王」らしいが、逆に対抗馬と呼べるのはそこぐらいか。
私的には、来年は是非とも「かぐや姫の物語」を日本代表として出展して欲しい。
累計興収20億円を辛くも突破したようだが
「風立ちぬ」の1/6の興収で終わるような作品では断じてない。

■短編アニメ賞
・『Feral』
・『Get a Horse!』
・『Mr. Hublot』
・『九十九』 
・『Room on the Broom』

「風立ちぬ」ばかりが話題だが、短編でも森田修平監督の「九十九」がノミネート。

文字数の関係で、ここからは気になった部門のみ紹介。

■外国語映画賞

・『オーバー・ザ・ブルースカイ』
・『Great Beauty』
・「偽りなき者」
・「The Missing Picture」
・「Omar」

■撮影賞

・『グランド・マスター』
・『ゼロ・グラビティ』
・『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
・『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
・『プリズナーズ』

■美術賞

・『アメリカン・ハッスル』
・『ゼロ・グラビティ』
・『華麗なるギャツビー』
・『her / 世界でひとつの彼女』
・『それでも夜は明ける』

■衣装デザイン賞

・『アメリカン・ハッスル』
・『グランド・マスター』
・『華麗なるギャツビー』
・『The Invisible Woman』
・『それでも夜は明ける』

■音楽賞

・『The Book Thief』
・『ゼロ・グラビティ』
・『her / 世界でひとつの彼女』
・『あなたを抱きしめる日まで』
・『ウォルト・ディズニーの約束』

■視覚効果賞

・『ゼロ・グラビティ』
・『ホビット 竜に奪われた王国』
・『アイアンマン 3』
・『ローン・レンジャー』
・『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

■長編ドキュメンタリー賞

・『アクト・オブ・キリング』
・『キューティー&ボクサー』
・『Dirty Wars』
・『The Square』
・『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』



▼第37回「日本アカデミー賞」優秀賞が発表

配給会社と所属事務所とテレビ局の思惑が絡み合う
日本アカデミー賞のノミネート作品が本家に合わせるようなタイミングで発表。

■優秀作品賞

・『凶悪』
・『少年H』
・『そして父になる』
・『東京家族』
・『舟を編む』
・『利休にたずねよ』

是枝監督の最高傑作だとは思わないのだが、
2013年はデビュー作からずっと応援してきた是枝監督が
内外で高い評価を得たメモリアルイヤーでもあったことだし
「そして、父になる」に穫って欲しい気持ち。
私的には「舟を編む」。

■優秀監督賞

・石井裕也 『舟を編む』
・是枝裕和 『そして父になる』
・白石和彌 『凶悪』
・三谷幸喜 『清須会議』
・山田洋次 『東京家族』

ここも私的には「舟を編む」の石井裕也監督を推したいところだが
単館で扱いそうなテーマで累計興収30億円を稼ぎ出した是枝監督が最有力か。
山田洋次監督は、今月公開される最新作の「小さいおうち」が
「東京家族」を遥かに上回る至高の完成度なので来年に期待。
三谷監督はワイプでずっこけるのが伝統芸であり、今回も受賞は無さそう。

■優秀主演男優賞

・市川海老蔵『利休にたずねよ』
・橋爪功『東京家族』
・福山雅治『そして父になる』
・松田龍平『舟を編む』
・渡辺謙『許されざる者』

日本アカデミーのパターンなら「永遠の0」でも好演している橋爪功が最有力か。
松田龍平が穫れば大金星。
世代を超えて拮抗する4人に海老蔵が混ざっていることに激しい違和感が。

■優秀主演女優賞

・上戸彩『武士の献立』
・尾野真千子『そして父になる』
・真木よう子『さよなら渓谷』
・宮崎あおい『舟を編む』
・吉行和子『東京家族』

上手いが新鮮味のない宮崎あおい、
主演というよりは助演っぽい存在感だった尾野真千子は無いとすると
今月主演作も公開される吉行和子が夫役の橋爪とW受賞ならテレビ的にも面白い。
上戸彩は予想以上に健闘しているのだが
この中で選ぶなら、やはり真木よう子だろう。

■優秀助演男優賞

・オダギリジョー『舟を編む』
・妻夫木聡『東京家族』
・ピエール瀧『凶悪』
・松田龍平『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』
・リリー・フランキー『凶悪』『そして父になる』

ここは鉄板でリリー・フランキー。
リリー以外が受賞したなら即裏工作と断定しても良いぐらいぶっちぎり。

■優秀助演女優賞

・蒼井優『東京家族』
・尾野真千子『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』
・中谷美紀『利休にたずねよ』
・真木よう子『そして父になる』
・余貴美子『武士の献立』

枠が埋まらなかったのかと思うほど地味な助演は
主演とセット受賞を狙う真木よう子と「清須会議」でも好演した中谷美紀の一騎打ちか。
ただ中谷美紀は「清須会議」が対象作品になっていないし
余貴美子は「横路世之介」や「麦子さんと」の方が良い芝居をしているので
「利休にたずねよ」「武士の献立」での演技で比較するなら
「そして、父になる」の真木よう子に軍配が上がる。

■優秀アニメーション作品賞

・『かぐや姫の物語』
・『風立ちぬ』
・『キャプテンハーロック』
・『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』
・『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』

海外でも絶賛されている「風立ちぬ」は
日本テレビ、ジブリ、宮崎監督の長編引退と穫らない理由がないが
私的には「かぐや姫の物語」を推したい。
日テレの会長である故・氏家齊一郎氏が
製作総指揮として参加したことも後押しになるか。
何故ここに「ハーロック」が入ったのかがさっぱり分からない。

■優秀外国作品賞

・『きっと、うまくいく』
・『キャプテン・フィリップス』
・『ジャンゴ 繋がれざる者』
・『ゼロ・グラビティ』
・『レ・ミゼラブル』

日本アカデミーにおいて外国映画賞という枠そのものが
「おまけ」的なポジションなのでどれでも可能性はあり。
強いて言えば「ジャンゴ」が可能性低し。
ヒットの規模も加味するなら「レ・ミゼラブル」か「ゼロ・グラビティ」。
クオリティだけなら「きっと、うまくいく」もアリ。

■新人俳優賞

・忽那汐里『許されざる者』『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』
・黒木華『舟を編む』『草原の椅子』
・壇蜜『甘い鞭』
・濱田ここね『おしん』
・綾野剛『横道世之介』『夏の終り』
・菅田将暉『共喰い』
・星野源『箱入り息子の恋』『地獄でなぜ悪い』
・吉岡竜輝『少年H』

新人賞は最優秀はなくこのまま確定。
何年も前から活躍している忽那汐里や黒木華がようやく新人か。
黒木華は「小さいおうち」でついにスクリーン上で魅力が開花していて
2014年はさらなる活躍に期待。
星野源は新人どころか助演を穫っても不思議ではない大活躍だった。



▼『御意に』は流行る!(かも)。映画「黒執事」

映画 黒執事 剛力綾芽 剛力彩芽 水嶋ヒロ 絢香
(c)2014 枢やな/スクウェアエニックス (c)2014 映画「黒執事」製作委員会

実写化が発表されてからというもの、原作の熱烈なファンを中心に
猛反発の声が相次いでいた映画「黒執事」が今週末より公開。
主人公のセバスチャン・ミカエリスには「メイちゃんの執事」の水嶋ヒロ。
結婚・独立・作家デビューを経て久々の役者復帰となるだけに、
本名の齋藤智裕名義で共同プロデューサーとしても名を連ねる気合いの入れよう。
幻蜂伯爵家四代目の当主であり、巨大企業ファントム社の若き総帥でもある
幻蜂清玄には「クロコーチ」「清須会議」の剛力彩芽。
ガブリエル・アプリンの歌う主題歌「Through the ages」は
水嶋の妻である絢香の書き下し。
監督は「NANA」「ランウェイ☆ビート」の大谷健太郎と
「TIGER & BUNNY」「アシュラ」のさとうけいいちの。
「のぼうの城」でも犬童一心監督と樋口真嗣監督が二枚看板を務めていたが
W監督制は最近の流行なのだろうか。

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