▼「iPad Air」11月1日発売

11月01日発売■ETC:「auオンライン iPad Air / Retina版 iPad mini」
・9.7インチ、Retinaディスプレイ
・薄さ7.5mm、重量は1ポンド
・A7チップ搭載
・シルバー、スペースグレイの2色
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▼大嫌いにさせてどうする。映画「スティーブ・ジョブズ」
2011年、56歳の若さでこの世を去ったスティーブ・ジョブズの伝記映画が
「iPad Air」の発売日である明日11月1日より公開される。
先日の「ダイアナ」に続く伝記モノ、しかもその言動が何かとメディアを騒がせた
ジョブズということで、美辞麗句の並べ立てられた作品でないことは
ある程度想像していたのだが、それにしてもこの映画には愛が無い。
むしろ悪意すら感じる。
死後まだ3年、多くのファンにとって、体調不良をおして発表会に現れた時の
笑顔がまだ生々しく焼き付いているタイミングで公開して
世間にどう受け取られるか分からなかったのだろうか。
アメリカでの興収ランキングは初登場7位、670万ドルと大惨敗を喫したのも当然である。
主演はジョブズの熱烈な信奉者であるアシュトン・カッチャー。
ルックスだけでなく、仕草や口調までを完コピした役作りは相当なもの。
監督はジョシュア・マイケル・スターンなる人物。私は初めて聞いた。
カリスマと呼ばれる人物は常識人の物差しでは判断し切れない。
これと決めたことに打ち込むエネルギーが尋常ではなく
目的達成のためには、時に他者を犠牲にすることも厭わない。
手段を選ばない強引さや過激な言動のせいで一部では敵を作ってしまうが
発表された製品はユーザーに絶賛をもって受け入れられ多くのファンを生む。
ジョブズの体調が思わしくないと言われ始めた頃から
アップルの新製品発表会が行われる度にUstreamのコメント欄に溢れていた
「良かった、ジョブズ元気そうだ」の書き込みは
私達の生活を激変させてくれたジョブズを愛するユーザーの声だった。
しかし、本作からは規格外の天才であったジョブズのマイナス面ばかりが強調され、
それでも人を惹き付けて止まないカリスマとしての魅力は描かれていない。
申し訳程度に描かれた功績が、物語の大半を占める攻撃的で独善的な人柄を示す
エピソードで塗り潰されてしまっている。
予告編で登場するiPodを持っているシーン(2001年)は冒頭の数分だけで
1974年の大学時代からアップルを追われる1985年までがメイン。
ラストシーンで一気に10年時間が飛び、経営不振に陥ったアップルに呼び戻される
1996年がほんの少しだけ描かれて幕を閉じる。
映画では、アップルを去った後のジョブズが
まるで田舎で草むしりをしながら呑気に暮らしていたようになっているが
この空白の10年こそ、NeXTやピクサーを立ち上げた「攻め」と「躍進」の時期であり
ここをすっぽり抜かしては、CEO就任がただのタナボタのように見えてしまう。
冒頭で悪意すら感じると書いたのはこのためだ。
曲線の美しいiMacやiBookも、世間一般に広くApple製品が普及し始める
きっかけになった革新的な音楽プレーヤーのiPodも、
電話の概念を変えたiPhoneも、タブレット市場を開拓したiPadも登場しない。
スティーブ・ジョブズと聞いて世の中の大半の方が見たい(知りたい)のは
どのような発想と開発を経て次々に革新的なデバイスを
世に送り出して来れたのか、ではないか。
「ソーシャルネットワーク」のように、喰えない人物として描くことが
映画としての面白さを増幅させている様子もないからだろう。
試写に同行した、ジョブズに対して予備知識もない知人は
「この人のこと良く知らなかったけど大嫌いになった」と言っていた。
伝記ドラマを作って、観客にその人物を嫌いにさせてどうする。
映画「スティーブ・ジョブズ」は明日11月1日より公開。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
タイトル:スティーブ・ジョブズ
配給:ギャガ
公開日:2013年11月1日
監督:ジョシュア・マイケル・スターン
出演者:アシュトン・カッチャー、他
公式サイト:http://jobs.gaga.ne.jp
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
▼カリスマの横顔。映画「STEVE JOBS 1995 失われたインタビュー」

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マスコミ嫌いで知られるジョブズの貴重なインタビュー映像。
残念ながらマスターが紛失し、ほんの短い映像しか残っていなかったが
当時のディレクターだった人物の自宅倉庫から、埃を被った番組の
マスターのコピー(VHS)が発見され、HD化されて上映の運びとなった。
映像収録はジョブズがアップルに復帰する直前の1995年。
NeXTのCEOだった頃のもの。
インタビュー内容をテキストに起こしたものは既に書籍化されておりKindle版も配信中。
映画は70分しかないのだが、ジョブズがとにかく早口でほぼ休み無しに喋りまくるため
字幕を追うだけでも大変なほど密度の濃い内容。
ゆっくり話す人物のインタビューなら90分以上に相当するほどの情報量だった。
ここでは、さきほど紹介した映画「スティーブ・ジョブズ」では観られなかった
カリスマとしての魅力がきっちりフィルムに収められている。
映画と同じように自信家で野心家ではあるが、
根底にあるのは「良いものを作って世界を変えたい」というピュアな想い。
人とぶつかるのも、「本気で意見を闘わせれば
始めはゴツゴツの角ばった石でも最高に丸く美しいものになる」から。
だからこそ、「反対意見が間違っていないという証拠が見つかれば
僕はいつでも180度方針転換する。
最後の判断さえ間違っていなければいいんだ」と屈託なく笑うのだ。
「マイクロソフトの製品には文化も魂も感じない。マクドナルドと同じ。
あれば便利だが世の中を変えるほどの革新性はない」と言い切り、
「Macのユーザーは製品を愛してくれるんだ。
コンピューターにそんな感情を持ってくれるのは幸せなこと」と語る彼が
もし今も生きていたなら、世の中はどう変わっていったのだろう。
コンピューターは人が目指す到達点への作業を軽くしてくれる自転車のようなもの。
言わば「脳の自転車」さ。
私はもっともっと彼のデザインする自転車に乗りたかった。
改めて、そう感じた映画だった。
紹介が遅くなってしまったため東京の上映は先日終了してしまったのだが
関西方面は10月26日に上映が開始されたばかり。
(梅田ガーデンシネマ、京都シネマが共に10月26日より上映開始)
この後も兵庫、名古屋で上映予定あり。
映画「STEVE JOBS 1995 失われたインタビュー」は現在上映中。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
タイトル:スティーブ・ジョブズ 1995 失われたインタビュー
配給:アーク・フィルムズ
公開日:2013年11月1日
監督:ポール・セン
出演者:スティーブ・ジョブズ、他
公式サイト:http://www.stevejobs1995.com
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

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配信中■Kindle:「スティーブ・ジョブズ I」
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ベストセラーになったジョブズの書籍と、ヤマザキマリによるコミカライズの1巻。

発売中■Blu-ray:「ソーシャル・ネットワーク」
【紹介記事】清貧と汚富の狭間。映画「ソーシャル・ネットワーク」
開始から数年で世界最大のSNSにまで急成長した「Facebook」の誕生秘話と、
世界最年少の億万長者となった創設者マーク・ザッカーバーグの姿に迫ったドラマ。
監督は「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のデヴィット・フィンチャー。
主演は「ゾンビランド」「グランドイリュージョン」のジェシー・アイゼンバーグ。
共演には親友に「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールド、
「Jエドガー」「ローンレンジャー」のアーミー・ハマー、
ミュージシャンと俳優の二足草鞋で活躍するジャスティン・ティンバーレイク。
「Facebook」の創設者であるマーク・ザッカーバーグは
この映画を見る限りでは、正真正銘の最低な奴である。
別れた恋人をネットで誹謗中傷し、アイディアの盗用を屁とも思わない。。
私財を投げ打って協力してくれる友人が居てこそ、マークの人生は開けたはずだが、
プロジェクトが起動に乗った途端に、その友人ですらあっさりと切り捨ててしまう。
しかし、彼と関わった人物達(高慢な双子や、マークにさらに大きな
ビジネスをしろとけしかけるカリスマ)を重層的に描くことで
主人公が単なる奇人で終わっていない。
ここが、「スティーブ・ジョブズ」とは大きく異なる。
時系列を分かり易い形で整理しながらテンポの良く見せていくストーリー展開や、
事実として提示しておきながら、まだ何か裏がありそうだと
想像や解釈の余地を観客に残しておくまとめ方は「ゾディアック」に近い。
技巧に走り過ぎない映像や、やたらと胸を騒がせるトレント・レズナーの音楽も効果的で、
私的にはデヴィット・フィンチャー監督作品の中ではNo.1。