2008年度・劇場公開作品の総まとめ:洋画編、他 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

★元記事はこちら。

さて、アカデミー賞の発表も間近に迫って来たので当BLOGでも洋画編を。
劇場で観た作品だけを対象に、私のツボを刺激した作品を並べてみた。
2008年12月公開のものは2009年度対象作品とし、
2007年12月公開のものを2008年度対象作品に入れている。

楽しめた作品を一行コメント付きで公開順に紹介。*( )内はDVD発売日。

2007年12月:やわらかい手(発売中)
 孫のため祖母が風俗に勤めるという奇抜な題材ながら、実に素晴らしい人間ドラマ。
2007年12月:カンナさん大成功です!(発売中)
 日本のコミックを韓国で実写映画化。ハリウッド映画のような華やかな仕上がり。
2007年12月:ペルセポリス(発売中)
 アニメで綴る激動のイラン史。イラン版「赤毛のアン」というと語弊があるか。
1月:テラビシアにかける橋(発売中)
 優れた児童文学を丁寧に映像化した佳作。壮大過ぎないところがいい。
1月:フローズン・タイム(発売中)
 SFの要素を取り入れた恋愛映画。写真家の監督らしい、独特の映像美は必見。
1月:スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師BD版(発売中)
 デップ×バートンの名コンビ最新作。血飛沫が苦手な方はご用心。
2月:いつか眠りにつく前に(発売中)
 死を目前にした母親の告白と、看取る娘の物語。悲しい物語なのだが、心が軽くなる。
2月:アメリカン・ギャングスターBD版(発売中)
 リドリー・スコットがNYの麻薬ビジネスをえぐり出した良作。
2月:君のためなら千回でも(発売中)
 親友の息子を救うため戦禍のアフガニスタンに帰郷する男のドラマ。泣ける。
2月:潜水服は蝶の夢を見る(発売中)
 半身不随の男性が瞬きだけを使って1冊の本を書き上げるまでを描く。
2月:ラスト、コーションBD版(発売中)
 トニー・レオンが非情な男を熱演したスパイ映画の傑作。
3月:デッド・サイレンス(発売中)
 「ソウ」のスタッフがおくる古典へのオマージュ。意外と掘り出し物。
3月:ノー・カントリーBD版(発売中)
 昨年のオスカー受賞作品。ハビエル・バルデム演じる狂気の男が心底怖い。
3月:バンテージ・ポイントBD版(発売中)
 「24」を彷彿させるハイスピードサスペンス。もっとヒットして欲しかった。
3月:ペネロピ(発売中)
 豚の鼻を持って生まれてきた少女の幸せ探し。クリスティーナ・リッチが抜群。
4月:王妃の紋章BD版(発売中)
 唐王朝滅亡後に巻き起こる骨肉の争いを絢爛な映像美で綴った歴史絵巻。
4月:ゼア・ウィル・ビー・ブラッドBD版(発売中)
 金のためなら家族すら信じない男の執念。ダニエル・デイ・ルイスが圧巻。
4月:つぐない(発売中)
 不治の病に冒された女流作家の最後の作品「贖罪」。その内容とは。
5月:アウェイ・フロム・ハー 君を想う(発売中)
 少しずつ壊れていく妻と、看病し続ける夫の愛情の深さ。
5月:最高の人生の見つけ方BD版(発売中)
 死を宣告された男性二人の、贅を尽くした世界旅行。万人向け。
5月:マンデラの名もなき看守(4月24日発売)
 南アフリカ初の黒人大統領に就任したネルソン・マンデラの実話。
5月:ミスト(発売中)
 キング×ダラボンの最高峰。衝撃のラストは映画史に残るインパクト。
5月:シューテム・アップBD版(発売中)
 乱れ飛ぶ弾丸と人参に拍手喝采。タランティーノも真っ青な爽快アクション。
6月:インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国BD版(発売中)
 冒険映画の元祖が久々の復活。荒唐無稽さも含めて、「らしさ」は相変わらず。
6月:シークレット・サンシャイン(発売中)
 宗教に対して真正面から斬りつけた問題作。昨年の韓国映画ではNo.1。
6月:イースタン・プロミス(発売中)
 ロンドンの裏社会を描いた隠れた名作。主演のヴィゴ・モーテンセンがいい。
6月:告発のとき(発売中)
 名作を連発するポール・ハギス監督第2弾。アメリカの今が浮き彫りに。
6月:JUNO ジュノBD版(発売中)
 16歳で妊娠した少女ジュノの逞しさに惚れ惚れする青春映画。
6月:REC/レックBD版(発売中)
 ライブカメラ風演出で見せるゾンビパニック映画の新機軸。
7月:赤い風船/白い馬(発売中)
 50年の時を経て今なお色褪せないファンタジーのお手本。
7月:カンフー・パンダBD版(発売中)
 家族全員で楽しめる、ドリームワークス久々の力作。CGのクオリティも高い。
7月:スピード・レーサーBD版(発売中)
 原作への愛情と最先端のCG、咲き乱れる色彩、このマニアックさを楽しめるなら。
8月:アクロス・ザ・ユニバースBD版(発売中)
 全編にビートルズを使用したミュージカル映画の良作。
8月:言えない秘密(現時点では未定)
 ジェイ・チョウ版「時をかける少女」系のSF+恋愛映画。
8月:インクレディブル・ハルクBD版(2月25日発売)
 前作からガラリと変わったメジャー系の作り。前作は忘れて是非。
8月:カンフー・ダンク!(発売中)
 「少林サッカー」バスケ版。ベタだが軽く楽しむにはお勧め。
8月:ダークナイトBD版(発売中)
 アメコミ映画の新たな金字塔。ヒース・レジャー以外のキャストも皆素晴らしい。
9月:アイアンマンフィギュア付きBD版(3月18日発売)
 「ダークナイト」とは対照的な明るいアメコミ映画。ダウニーJr.が好演。
9月:イントゥ・ザ・ワイルド(2月27日発売)
 荒野を求めて旅に出たひとりの青年の人生。純粋さ・未熟さが愛おしい。
9月:ザ・フォール/落下の王国BD版(2月11日発売)
 世界遺産で撮影された幻想的な映像は造り物を上回るインパクト。
10月:ハロウィンBD版(3月6日発売)
 ホラー映画の古典を奇才・ロブ・ゾンビがアレンジ。私的には2008年ホラー映画のNo.1。
10月:ブーリン家の姉妹BD版(4月1日発売)
 波乱に満ちたアン・ブーリンと妹メアリーの人生を描いたドラマ。
10月:僕らのミライへ逆回転(3月10日発売)
 ジャック・ブラックのはじけっぷりが楽しい、名作映画へのオマージュコメディ。
11月:バンク・ジョブBD版(3月25日発売)
 イギリスで実際に発生した事件を映画化したクライムサスペンス。
11月:レッドクリフ Part IBD版(3月11日発売)
 アジア映画No.1ヒット作。無難にまとまっているので万人向け。後編も楽しみ。

以上45本。
この中からさらに10本絞り込むとすると・・・

2007年12月:やわらかい手
1月:スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師BD版
2月:君のためなら千回でも
4月:つぐない
5月:ミスト
6月:シークレット・サンシャイン
8月:アクロス・ザ・ユニバースBD版
8月:ダークナイトBD版
9月:イントゥ・ザ・ワイルド
10月:ブーリン家の姉妹BD版

「フローズン・タイム」「いつか眠りにつく前に」「ラスト、コーション」
「ハロウィン」「アイアンマン」「シューテム・アップ」「バンク・ジョブ」
あたりも捨て難い。
邦画に続き、完全に趣味で選んでいるので、異論の多い方も多いことと思う。
興収は伸び悩んだようだが、私的には邦画以上に洋画が豊作な1年であった。

【紹介記事】絶望の先にあるもの。映画「ミスト」フランク・ダラボン

公開から相当年月が経っているので「ミスト」について少しだけ追記。
多くのサイトで「あのエンディングは酷い」「諦めた父親が悪い」という
意見を多く見掛けるのだが、物語の中で、息子が父親に向かって
「これだけは約束して欲しい。アイツらにボクを殺させないで」と
頼むシーンがあるのを見逃してはいないだろうか。
ラストの父親の選択は、決して投げやりになったわけではないと私は思う。
あれはあれで、息子との約束を守ろうとした、
父親としての責任と愛情がとらさせた行動ではなかったか。
だからこそ、最も辛い選択である「自分だけを残した」のだ。

▼Blu-rayの特徴を最も活かした作品は「ダークナイト」


■BD:「ダークナイト」
■BD:「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス デジタルリマスター版」
■BD:「NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル 「悲愴」」

<グランプリ>
ダークナイト

<ベスト高画質賞 映像部門>
ダークナイト
<ベスト高画質賞 アニメ部門>
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス コレクターズ・エディション
<ベスト高音質賞 音楽部門>
NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル「悲愴」
<ベスト高音質賞 映像部門>
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0
<ベスト・インタラクティビティ賞>
バイオハザード ディジェネレーション

<審査員特別賞>
・NHKスペシャル 映像詩 里山II 命めぐる水辺
・平井堅/Ken Hirai Live Tour 2008 “FANKIN' POP”
・ザ・マジックアワー ブルーレイディスク
・眠れる森の美女 プラチナ・エディション


我が家には「ダークナイト」「ナイトメアー」「小沢征爾」
「マジックアワー」「眠れる森の美女」があるのだが、
確かに「ダークナイト」は作品の質はもちろんのこと、
BDソフトとしてのクオリティも高いように思う。
以前も書いたように、「ナイトメアー」「眠れる森の美女」で受賞した
ディズニーはソニーピクチャーズと並ぶ、BDソフトのクオリティが
高いメーカーなので、今後のタイトルも期待大。
私的には、擦り切れるほど観たというファンならば
BD版「ナイトメアー」は是非観て欲しい。
名前だけは良く聞く「デジタルリマスター」という言葉の意味が良く分かる1本。
「小沢征爾」は、大型テレビとホームシアターの設備を整えれば
自宅がちょっとしたホールになる。難点は、価格が少々高いこと。
興収的には失敗作したものの、私的には「スピードレーサー」も推したい。
あのカラフルな映像の洪水は、BDでこそ観る価値がある。

▼Blu-ray版「AKIRA」で体験する24bit/192kHzサラウンドの衝撃

■BD:「AKIRA」

私も購入済み。
リンク先の記事で紹介されているような環境でなくとも
充分にBDの恩恵を感じる仕上がりで満足。
ただ、これも「小沢征爾」と同じく価格が高めなのが難点。

▼今日の「こんなモノが売れていた」

当BLOG経由でご注文いただいた商品の中で
発売を全く知らなかったモノ、物欲が刺激されたモノを取り上げる不定期コーナー。
今日の気になる「モノ」はこちら。

■Book:「私の血はインクでできているのよ/久世番子」

本屋で働く日常を描いた名著「暴れん坊本屋さん」の久世番子が
いつの間にか(2月13日発売だったらしい)最新刊をリリースしていた。
全く知らなかったので有り難い。
何を隠そう、私は番子氏にお会いしたことがある。
作品の中で登場する番子氏から「リアルあたしんち」的な
大柄な女性を想像していたのだが、ドアの向こうに座っていたのは
細身で小柄な、清楚な感じの女性であった。

▼気になる新作映画「MW」

映画 玉木宏 山田孝之 MW
(C) 2009 MW PRODUCTION COMMITTEE

発表だけは随分と前にされていたのだが、
ようやくチラシ配布と予告編の公開が始まった「MW」を紹介。
手塚治虫の同名原作の映画化で、手塚作品が実写化されるのは
2007年の「どろろ」以来2年振り。
監督は日本テレビ系列の連続ドラマの演出を手掛けて来た岩本仁志。
近年のヒット作は「斉藤さん」「女王の教室」「野ブタ。をプロデュース」など。
フジ在籍時代は「ナースのお仕事」「白線流し」を手掛けたヒットメーカーである。
表向きは頭脳明晰なエリート銀行員、裏の顔は冷徹な凶悪犯という
二面性を持った男・結城美智雄に「のだめカンタービレ」の玉木宏。
敬虔な神父の賀来裕太郎には「手紙」「イキガミ」の山田孝之。
共演は石田ゆり子、石橋凌、山本裕典など。

題材が題材だけに、この二人で大丈夫かという気持ちもあるが
脚本担当の大石哲也(「デスノート」「エクスクロス」)というのが
今のところ最も不安を感じている点。
原作の肝である、結城と賀来の「ある関係」も省いているらしく
そこを抜いてこのテーマをどう描くのか興味はある。
公式HPでは、第1弾の予告編である「特報」が公開中。
今夏公開予定。

■Book:「MW ムウ 1/手塚治虫」
■Book:「MW ムウ 2/手塚治虫」